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タイトル:スマホのことを作中で携帯と書くのはありですか?の返信 投稿者: 手塚満

今の普通に使われている用語で書いておくことをお勧めしたいと思います。スマホならスマホ、ガラケーならガラケー。以下、理由を多少説明してみます。

1.ラノベは作品寿命が短い

ラノベですと、旬があります。要は作品寿命は長くないと考えていい。不朽の名作になる可能性も期待したいわけですが、偶然だと考えておくべきでしょう(古典で今も読まれるものもたいてい、百年後に残るとか考えて作ってないものが多いらしい)。

先のことより今のことではないでしょうか。今の読者に分かりやすいことが最優先です。今、受けておかないと、そもそも未来の読者に読まれること自体、奇跡になってしまいます。

ですので、現在、最もよく使われている単語・用語を選ぶべきです。それが今の読者に最も分かりやすいわけですから、読みやすくなることに通じます。さっさと読めて、ぱっぱと分かるように書ければ、読み進めてもらえる確率は高まります。

2.スマホならスマホと書くのが無難

スマホならピンポイントにスマホでしょう。「携帯/ケータイ」ですと、ガラケーかどうか迷う恐れがあります。二択ではなく、一択で分かる単語であるべきです。

しかし、それでも描写が入ると事情が違うこともありますよね。例えば「ケータイの画面をタッチし、指をすっと滑らせて」と書いたら、ガラケーを思い浮かべる人はいないでしょう。そういう工夫があれば、意味的にも時間的にも適用範囲が広そうな単語を使うのも手ではあります。

問題は、本当にその単語が将来も生き残るのかどうかでしょうか。スマホという言い方がいずれ廃れても、携帯/ケータイという用語は使われ続けるのかどうか。これは自分にも分かりません。

3.英語の電話の呼び方の変遷事例:電話と言えばスマホを指す

が、英語のほうでちょっと個人的に興味をもった事例があります。「電話」の言い方が時代、世代で変わっているらしいのです。以前ですと、ガラケーはmobile phone(モバイルフォン)とかcellular phone(セルフォン)とか読んでました。

さらにcell phoneと短縮していきます。phoneだって以前はtelephone(テレフォン)でしたが、もうtele-(遠隔の)なんてわざわざ言わない。ケータイさらにスマホが当たり前になってくると、もうそれらがphoneです。

phoneと聞いたら、もはや誰も固定電話なんか思い浮かべない、のだそうです。cell phoneだのsmart phoneだの言わない。世の中で一番多いタイプの電話機がphoneとなるわけです。

日本語でも先がどうなるか分かりません。細かいことを言えば「スマホ」が古臭くなる恐れもあります。理由の一つが「ホ」です。「スマホ」を略さず言うと「スマートホン」です。昔々の日本人は「フォ」が聞き取れず、最も近い「ホ」を当ててしまいました。

例えば、声を届かせるためのラッパ型の筒は通例「メガホン」と呼ばれます。megaphoneなのにメガホンなのは上記の通り、言葉が入って来た時期の日本人が「フォ」を「ホ」と聞き取ったから。

その後、「フォ」を発音するうちに聞き取れるようになり、「フォン」と書くようにもなったわけです。だけど略すときは便利だから今でも「スマ『ホ』」だったりする。

これ、実は英語圏の人に今でも聞かれるネタだったりします。「スマート『フォ』ンって言うくせに、略すとスマ『ホ』なのはなぜ?」。

もし「フォなのにホ」を日本人の多数が不適当だと思ったら「スマホ」という呼称は廃れる可能性があります。「スマフォ」となるか、それとも電話はスマホがスタンダードになっているので「フォン」、あるいは「電話」となるかもしれません。

4.技術進歩でも用語が変わって来るはず

さらに技術の進歩で新しいタイプが出れば、新しい名前が出て来て、それがスタンダードになる可能性もあります。技術進歩のスピードは速まる一方ですので、数年後にはスマホ自体、古臭いものになるかもしれない。

そのとき、もともと携帯(電話)で通じていたのが、ガラケーとかフィーチャーフォンと呼ばれるようになったのと同じく、スマートフォンが別の名前で呼ばれる可能性もあります。

80年代のあるSFアニメでは携帯電話は存在せず(無いに等しかったから)、テレビ電話の公衆電話ボックスが登場していました(80年代は未来的と思われていた)。ネット再放映で、視聴者から「変だ」「分からない」という感想が寄せられているのを見たことがあります。

全然別の方向に電話が進歩したのはご承知の通りです。電話は個人が持ち運ぶものになり、テレビ電話はオプション的で使う人は少なく、公衆電話なんてめったに見なくなりました。

5.よく見えない将来を気にするより、今読みやすいほうがいい

先のことを考えたら考えたで、どうなるかは極めて予想しにくいわけです。近い将来を予測して書いたら、大ハズレになってかえって分かりにくくなる可能性も考慮すべきです。

やはり、今の流布している用語で書いておくのが無難だと思います。将来も作品が残って読まれるとしたら、読者のほうが「これは20xx年代の作品だから」と意識して読んでくれるでしょう。

ですので、今の読者に分かりやすい単語を選ぶほうが、読者も作者も楽です。将来のことは将来の人が考えてくれます。

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