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タイトル:何故そのキャラクターがそういう行動をしているのか。それは全て説明しないといけないでしょうか?の返信 投稿者: 手塚満

お悩みの内容は、読者の目をどう引くかという狙い次第と思われます。

読者から見て、主人公Aの一目では意図が理解できない行動・言動って、割と使われる手法じゃないかと思います。これは、読者に「これはどういうこと?」と思わせ、読み進めるモチベを与える効果があることが理由の1つでしょう。

ただ、あまりにも分からないと読む意欲を削ぎます。無意味な文章と感じてしまうからです。「分からない」と分かるためには、8割分かって2割不明くらいがいいでしょう。言い換えますと、「もうちょっとで分かりそう」と期待させて、読み進んでもらうわけです。
その前提で、主人公Aの行動に対する、ほのめかし、説明の程度のパターンについて考えてみます。以下の他にもありそうですが、ご質問に即して限定的、事例的にピックアップしたということでご了解をお願いします。

1.地の文(またはサブキャラBの台詞)でその場で明かす

2割不明どころか、9割がた分かるタイプですね。シーンの雰囲気づくりなどに即時に効果を持ち、その場で消費するネタ(コメディリリーフ等)にも向きます。最も多用されるパターンだと思います。

しかし伏線として後で用いることもあります。伏線を伏線と思わせずに読者に覚えてもらうコツの1つが「面白くする」だったりします。いったん「分かった」と思わせて、実は謎が仕込んである。後述の3よりは無難な伏線作りでしょう。

2.地の文で説明せず、サブキャラBの反応で読者が推測できる

これは読者の想像力を刺激して、読む満足感が生じる効果が期待できます。分からない2割にヒントがつくような感じです。

後のシーンでAの行動・言動の理由を明確化するとして、読者の期待通りの「ああ、やっぱり」と納得できるパターンが多いでしょう。読んだ甲斐を感じることができます。

読者の推測(であり作者の誘導)を外すことも行われます。読者が「そうだったのか」と驚けるものですね。目を引けますから、山場で使うと効果は大きいでしょう。

ただ、どんでん返しの一種であり、多用は避けるべきです。二度、三度と用いてしまうと、次第にどんな描写にも信頼が置けない感じが出てしまい、読むモチベを低下させるリスク大です。

3.地の文で説明せず、サブキャラBも反応しない。

謎を謎として、当面残しておくタイプですね。作品のテーマなど、重要事項ならば1つだけ用いても大丈夫でしょう。

1つだけ、というのは「謎」の意味・内容(主人公の動機等)であって、謎の現れ方は多少揺らしても可でしょう。ただし読者が共通性に気付ける仕掛けはしておくべきかと思います。謎が明かされたとき、いくつもの謎の現れ方がパッと1つに感じられると、納得性が上がります。

これを極端なまでに用いる手法が叙述トリックであったりします。仕掛けはあるんですが、読者は謎とすら思わない。ごく普通の描写が続いて行くだけです(が、なにかしら歪みを感じるかもしれない)。

そうしておいて、謎が明かされると(例えば並行して進んでいたストーリーの各主人公が実は同一人物とか)、物語全体の見え方が一瞬で激変します。すると長々読んだ情報量が一気に意味を持って、爆発的な印象が生じます。

謎が謎のまま残っているだけでも、「溜め」は生じます。待たされたら期待する。単に待たされるとイライラするか忘れるかしますから、ときどき思い出せるシーンや刺激を入れたりします。

当然ですが、謎の内容は読者の期待に応えられるだけのものでなくてはいけません。「お預け」の間が長いほど、「ご褒美」も大でないと納得できず、逆に不満として爆発しかねません。ネタによほどに自信がある場合(作品テーマそのものとか)に限るべきでしょう。

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