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タイトル:流行要素が少なめの異世界転生でもウケるのかの返信の返信の返信 投稿者: 手塚満

お手数をおかけしまして恐縮です。ご回答に沿って、説明してみようと思います。

多少長くなりましたので、先に結論を簡潔に申せば「嫌いなものが、なぜ、どこが嫌いか突き詰めたほうがいいのでは」になります。

1.Aについてのご回答は曖昧

Aについてのご回答は、スレ主さんも「売りというには不適切かもしれない」と違和感を述べてお出での通り、売りを表したものではなさそうです。単に物語内容やジャンル分類をご紹介頂いたに過ぎません。

言い換えれば「現時点で明確に言える売りがない」ということになります。それにも関わらず、Cについてのご回答では「Aはある程度決まっていました」と仰ってお出でです。おそらく、感覚的には「こういうものだ」となっていても、具体化はまだだったと判断すべきでしょう。

2.Bは補足的に仰ったことにポイントがありそう

質問を見てからお考えになったという、Bについてのご回答は割と明確ではないかと思います。「平成中期の少年ジャンプが好きな人向け」というのはちょっと間口が広い感じです。ワンピースを挙げてのご説明は、時期と年齢を少し明確化したに過ぎません。しかし、続けてスレ主さんが好まれた作品を2つ挙げておいでです。

Bについてのご回答には「○○が好き」が含まれています。こちらから作品名までお尋ねしたわけではないのに、スレ主さんがお書きになったということは、自然な発想であるはずです。好きなものは思い浮かびやすいということですね。連想も起こりやすい。その作品が好きな他の読者の、作品に対する気持ちも理解しやすいでしょう。

3.嫌いなものの否定を創作に活かせるか

翻ってご質問はどうでしょうか。まず「これが嫌い」から入っています。否定したい気持ちも垣間見えます。このまま進めると「嫌いなものをどう否定するか」になりやすいでしょう。そういうタイプの作品が面白がられるとか、好かれることはあまりありません。不利な戦略となります。

Aについてのご回答がダイレクトに売りを表現できなかったのも、おそらく「嫌いなものの否定」が邪魔しているんではないかと思います。感情で言い換えると、嫌悪、憎悪、怒り等々です。もちろん、何かが嫌いであっても、何ら問題ありません。問題が出るのは、その気持ちが直接創作に反映されることです。

「○○が嫌い」→「○○をなくせばいい」となりがちになるわけです。しかも、ジャンル的な特徴ですから、「(たとえスレ主さんが嫌っていても、多数の読者から)好かれているポイントを削る」ということになりかねません。そういう創作動機では、売りが何かはなかなか出てこないように思います。「売り」は「好き」から発生します。

では「○○が嫌い」を単に鎮めて、何が好きかを考えればいいかというと、それも損でしょう。もしスレ主さんが「○○が嫌い」とお思いのとき、単に「無くなれ」「避ける」と続けてしまうと、建設的ではありません。作品アイデアや売りの生まれようがない。

4.嫌いなものの否定を創作に活かせるとしたら

嫌いなものの実体が何か、どこがどう嫌いかを考えるのは辛い作業ではあります。循環論法的ですが、嫌いなんだから当たり前です。そのため、そうした作品群もお読みではないわけですよね。

ですが、もし「○○が嫌いだから、作品を生み出したい」とお考えなら、嫌いを突き抜けるまで何が嫌いかを見極める必要があります。そうすると、嫌いなタイプの対極にある好きなタイプを把握しやすくなります。

そこまで行ければ、しめたものです。例えば、嫌いなタイプを悪役に据え、好きなタイプの主人公が打ち勝つ話とか、思いつけて来ます。

そうするには、まず嫌悪や怒りの感情を創作のバネにしてはマズいでしょう。喜びや悲しみの感情であっても同じです。そのまま使うのはマズい。なぜなら強い感情は自分を疑うことを不可能にしますから。正しくても間違っていても突っ走ってしまう。

これは自然なことなので仕方ないです。例えば怒りの感情は何らかの危機において発生します。危機に対処するのに、自分を疑っていたら行動が遅れます。ですので、合理性などの理性を抑えてでも行動に移れるようにする(脳の前頭極の機能などで説明される現象)。それが怒りの感情です。

しかし平時に怒りの感情のまま突っ走るのはマズい。暴走を招きますから。じゃあ怒りは捨てないといけなのか、となるとそうでもないです。落ち着くのは必要です。時間も必要でしょう。そうして感情はいったん鎮まる。しかし記憶は残ってますね。何があったか、感情と一緒に忘れるわけじゃない。

5.嫌いを避けずに突き抜けるならアリかも

そうして落ち着いて考えられるようになったとき、自問自答してみる。主に怒りの感情が湧いた自分に対する反論です(反論に対する再反論は控えめにするのがコツ)。いろいろ反論しても、どうしても「やはり、これだけは理不尽だ」みたいに残るものがあります。感情抜きの怒りみたいなものです。信念と言い換えてもいいでしょう。

そこまで突き詰めると、ではどうすればいいか、も自ずと出てきます。フィクション作品に対する「嫌い」も同じです。突き詰めないと、売り、テーマといったものは出て来ません。「嫌い」が突き詰められていない間は、「好き」から作品を生み出すほうが、読者にも作者にも有利ではないかと思います。

ですので、一度立ち止まるべきでしょう。嫌いを突き詰められるか、突き詰めるだけの意義はあるか、お考えになってはどうでしょうか。

それについては、とても不利な状況とまではいえないと思います。着地点は何となく見えていますから。ターゲット読者層、特にスレ主さんが好んだ作品ですね。まだ直感的なものが大きいとは思いますが、経験の裏付けがある直感は侮れません。

「チート・ハーレムは嫌いで、なぜ銀魂・デスノートが思い浮かんだのか」辺りから手を付けると、成果を得るのは割と有望ではないかと思います。ただ、嫌悪や怒りの感情ピークが去ってから、ですが。

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