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タイトル:主人公の周りにいる人物(友人など)の葛藤についての返信 投稿者: サタン

「描写する」ということを考えると、方法はいくらでもあります。
パッと思いつくだけで大雑把に分類すると、
1.キャラクターで描写する
2.展開で描写する
3.小道具で描写する
でしょうか。
北上さんが挙げた方法は二つとも1に属しますね。
キャラクターの内面を書きたいから、そのままキャラクターを使って表現する。
この方法は、視点を考えると本人・他人・第三者の3つが選択肢としてあるでしょう。
本人は、まんまですね。最も書きやすいでしょうが、同時に書きやすすぎて、書き慣れてない人には逆に向きません。
というのも、書きやすいので書きすぎてしまうわけです。要するに、ただの愚痴や主人公の自分語りになってしまうので、長文の割にはグダグダするだけになりやすい。
そこを上手く書ければ、端的にパッと表現できるので一番楽で一番短く書けると思う。
他人(友人など)の場合、視点主が他人である以上は葛藤を抱えてるキャラの、その悩みを表面に出さなければ書けないので、「主人公が友人に相談する展開」など「葛藤が語れる状況」を作らなければならない。
他人視点なので自分語りにはなりようがないし、愚痴を書いても展開上は「愚痴を聞いてる友人の図」になるのでソフトになる。
あくまで「展開」なので「本人視点」よりはグダりにくい。
第三者で語る場合は、特殊と言えば特殊ですが機会がないわけでもない。
例えば、「自分の行動が正しいのかどうか迷ってるライバル」という展開の場合、ライバルとは何のかかわり合いもない村人Aを視点主として、ライバルが葛藤してる様子を第三者の視点から書いていく。
あるいは、主人公とは接点がないキャラの心情を、主人公視点から書く、という場合など。
「迷ってるように見えた」など主人公の予想でしか言葉にできないもどかしさはありますが、「想像する」というのは小説を読んでる読者にも通じる要素なので、意外とやりやすい面もあります。
しかし同時に、やはり展開を用意しにくいため、書きにくいでしょう。
関わり合いのない第三者の視点なので、「迷ってる」という事自体の重要度は低くなり、並行して別の要素を描写したいときなどに有効です。
例えば、「迷ってるように見えたので主人公はカマをかけた」みたいな。主人公の機転のほうが注目される要素になる。
要素を「印象には残るけど目立たなくさせる」にはもってこいの方法だと思う。

2の展開で描写する場合。
上で「友人に相談する展開」と書きましたが、これも「展開で描写する」に関係してきます。
つまりは1か2か3かどれかを選ぶのではなく、3つの武器がありますよ、という話。
「展開で描写する」の最たる例は「戦闘」ですね。
戦闘というのは戦う相手がいるからこそ起こるもの。ではその戦闘とは何を意味している展開なのか。
正義と悪の戦いであれば、この戦闘とは「双方の主張のぶつかり合い」という描写なわけですね。
そして正義が勝てば、「正義が正しいと結論が出た」という意味になる。
これを葛藤に応用すれば、「悩みAと悩みBがぶつかり合う展開」を用意する。そのうえで「悩みAが正しい結論が出た展開」にする。
言うのは簡単だけど、ネタを出すのが面倒です。でも個人的にはこれが小説における最も適切な「描写」だろうと思う。
メリットは、上記例だと「正義か悪か」という描写を「戦闘」に例えて描写しているため、説教臭くなく、あくまで「物語」として楽しめるし話に溶け込める。
デメリットは、「そういう展開を用意しなきゃならない」のでページ数がかかるということ。

3の「小道具で描写」は、別に物質的な小道具に限った話ではないけど、何かしらの象徴として小道具を用意しておいて、その小道具の扱いで描写していくもの。
例えば友情を取るか愛情を取るかの葛藤をしている場合。恋人にプレゼントされた指輪を「愛情の象徴」として用意しておく。
「この指輪は大事なものだ、恋人と思って肌身離さずつけている」みたいな感じで。
実際そういう状況で「指輪」を無くしてしまったら大問題ですよね。
この心理を利用して、「その日は指輪をつけていなかった」と書くと、これは「愛情が薄れている」という描写になるし、「指輪を家に忘れてきてしまった。今から戻ったら遅刻してしまうけど、戻って取ってこなきゃ」と書けば「どうするか迷った上で愛情を取った」という描写になる。
「小道具」は便利なので用意しておきたいところですが、遠回しな表現なので印象付けなきゃ描写が読者に伝わらないし、印象付けると「小道具」自体にオチをつけないとフワッとしちゃう。
指輪の例の場合、友情を取って恋人とは別れたけど、指輪は今も家にある、だと「別れたけど未練がある」とも受け取れちゃうし、指輪を突き返したなどしっかり落とさないとしっくり来ない。
小道具は物質的なモノに限らないと書いたけど、例を上げると「彼は不安になると目が泳ぐ癖がある」と書いておいて、終盤で「彼の目は、もう泳いでいなかった」とあれば「不安を克服した」という描写になる。
こういう使い方はよく目にしますよね。

これら方法のどれか一つを選べば、書きたいテーマに対して描写できることはできるけど、できれば二つ以上を同時にやったほうが良いだろうと思います。
小道具を用意してキャラを選んで展開でも書けば、「その事に対してどれほど葛藤を抱えているか」の重要度が上がってくるので、ゲームで言えば攻撃力増加の強化魔法を何個重ねがけするかって感じ。その効果は倍増していくでしょう。

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