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タイトル:「創作は競争ではない」はどこまでが真実でどこからが嘘なんですか?の返信 投稿者: 手塚満

結論から申せば、「書く前から妄想して苦しんでも、誰も助けられません」→「だから書き上げましょう」になります。それだけでは意味不明でしょうから、少し説明します。

1.文脈抜きでは判断できないし、意味もない

> 「気にしなくていいよ、別に物書きの道は競争じゃないんだから」
> と言われたことがあるんですけど、

それがどういう文脈及び状況かによります。この掲示板でも、なかなかに深刻なご相談としては「鬱展開でもダメージを受けないメンタルの強い作家しか創作では生き残れないのですか?」(2020年04月26日)がありました。

いろいろ意見が寄せられたわけですが、そのご質問(及び、以前のご質問)を踏まえての回答になります。他に応用が利く保証はない。各回答内容を一般的な原則みたいに考えては、回答者も困るんじゃないかと思います。

自分も回答を試みております。が、スレ主さんのそのご質問以外に一般化されると大変困ります。例えば、苦手なら素質がある旨、申し上げましたが、苦手ならなんでも素質があると捉えられると不本意です。例えば、猫が苦手なら猫の飼育に向いているのか。普通はそんなことないでしょう。

2.競争は創作の無数の要素のたった1つにしか過ぎない

質問タイトルがご質問の主旨、核心だとしてまして、

> 「創作は競争ではない」はどこまでが真実でどこからが嘘なんですか?

という問いの立て方自体が誤りです。ご質問本文では「純度100%の真実ではないことは確実だと思いますが」とも仰っています。「創作の競争性」という性質が、たった1つの尺度で真実味が何パーセントで測れるかと思っていらっしゃる。そういう考え方は間違いです。

創作は多数の側面があるわけです。その中に1つに「競争」があるだけのことです。小説を書くということについて、ぱっと思いつくものを列挙しても、

・書いていて感じる楽しさ/苦しさ
・書き上げた充実感や達成感/思った出来栄えでない不満
・読んでもらえた嬉しさ/途中で捨てられた悔しさ
・感想を貰える嬉しさ/
・類似作に対する尊敬/嫉妬
……

等々、悲喜こもごものことは要素にはキリがありません。その中の1つに「競争」がありはするでしょう。だけど無数の要素のたった1つでしかない。その要素(競争)を採用しないと創作が成立しない、なんてこは決してない。

多少ややこしいことですが、上記に列挙したことはそれぞれが独立しているものではありません。ある要素は他の要素と関りがある。書き上げた充実感は、例えば感想に左右されたりする。競争とて例外ではありません。

そのことも、競争というたった1つの尺度だけで考えるのが誤りである理由の1つです。

3.競争に拘る人には競争ではないとアドバイスすることもある

なぜ無数の中の、たった1つの要素「競争」に拘るんでしょうか? 小説書きは手段で、スレ主さんの価値観では「他人に勝つ」が唯一無二の至上命題だったりするんですか?

もしそうなら作家志望は捨ててしまうべきです。自分が他人に勝てると思えるものに鞍替えしたほうがいい。しかし、スレ主さんは書くための方法をこちらでいろいろ相談していらっしゃる。簡単に筆を折るほど、安易なお気持ちではないはず。

こちらの回答者の皆様は言うに及ばず、このサイト、さらにはなろう、カクヨム等々の作者さんは、自分の知る限り、大多数の方が「まずは自分が納得するものを書きたい」と思っていらっしゃるようです。アマチュアの強みですね。プロだと編集者、出版社の意向に沿わなければならなかったりしますから。

しかし、スレ主さんはこのご質問においてですが、「創作は競争か否か」のみに拘っていらっしゃる。書きたいという素志はどうなったんでしょうか? そういう疑問を抱かずにはいられません。

おそらく、他所での相談も競争にとらわれ過ぎだと見て取って、「創作は競争ではない」と回答が寄せられたのかもしれません。「競争に拘ってると書けないんじゃないのか」という心配だったかもしれないわけです。

4.競争する以前の問題に競争はない

我々は作家志望者ですよね。「こういう作品を書け」と頼まれてもないし、そもそも論として、小説を書くことを誰にも要望すらされてない。自分がしたくてしているだけのはずです。

自分の外にある事象で突き動かされるのは、今すぐやめるべきです。だって、誰も期待すらしてないし、我々が書きたいということすら知りもしないんですから。書いて、公表して、初めて他人に知らせる可能性が出てくるわけです。

まず自分が納得するものを書くことに専念すべきです。書き上がった作品が他作品との競争の土俵に乗せるかどうかは、その後の問題です。書いたことに納得して、しかし競争に不向きと分かったら、向くように書き直せばいい。そういう具体的なご相談なら、具体的な回答も期待できるでしょう。

それが上手く行って、公募で優勝するなり、投稿サイトで人気が出て出版の声がかかるなりしたら、そのときに「他人の要望に応えるにはどうするか」を考えればいい。

例えばアニメ化なんて、アニメ制作者やスポンサーが考えてくれます。ただし、こちらの創作意欲とは無関係な商業ベースの話でしかない。彼らが我々の自己実現のために動いてくれるはずがない。当たり前ですよね、彼らには彼らの守るべき彼らの生活があるんですから。

5.バッドエンドの妄想は無意味

このご質問は「こういう作品を書いたが、人気が出ないし、アニメ化されそうもない」という具体的なものじゃないですよね。何か書いたかもしれませんが、ご質問では一切触れてない。

ですので、ご質問を読んでも「書く前から書いた後のことを妄想して煩悶している」ようにしか見えません。もしそうなら、そういうことはすぐにやめるべきです。作品を書いてください。それをこちらなり、なろうなどにアップして感想を求めてください。

作品すら見せず、他人はこうしているはずだ、とか、成功者はこんな風になっている、とか言われても、誰も何もできません。自分が成功者のようにできないかもしれない、と悩んだとしても、作品を介さないと誰にも何も分からないのです。

6.結論:作品を書きましょう、見せましょう

漠然とした不安には他人も、スレ主さん自身でも対処不能でしょう。書く前の悩みの多くは妄想だからです。言い換えれば、想像できるものは無数にあり、実現できるものは少数しかないということです。悩むなら実現できるものに関わることに限ったほうがいい。

だから書いてください。既に書き上げてあるんなら、見せてください。それなしには話が始まりません。

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