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タイトル:小説のテーマを複数設置することはどれだけ可能かの返信 投稿者: サタン

まずこれは持論でしかなく前々から私個人が思ってただけで検証のようなものをしたわけでもない裏付けのないもので、しかも今の思いつきも十分に入ってる雑な回答ですが、と前置きしまして。

一個の物事の流れを物語と定義したとして、私は一個の物語に入れられるテーマは一つだけだと考えています。
これは私の「物語」の考え方に理由があるのですが、物語というのは伝えたい内容を相手に伝えるための形の一つだと考えていて、例えば手紙や会話や動画でも何かしらのショーでも、表現をする形の一つだと思っています。
「私は今日は食事をしていません」という言葉を口にすれば誰かと会話していて、文字に起こせば手紙を書いていて、それを起承転結の物語という形にまとめているだけだ、と。
だから、言い換えると私にとって物語の最小単位ってのは「主語+述語」の単純な一文で表現できるわけですが、つまり手紙や会話と同じ形ですね。
すると、「テーマ」というのは伝えたい内容の主旨を指すわけですから、一つの文章に複数の主旨が存在するというのは会話でも手紙でもわかりにくいだけで、一応日本語として成立はさせられるけどねじれ文になりやすく、書きにくいし読みにくい。
故に、一つの物語で語れるテーマは一つだけ、と考えています。

でも、小説においては複数の物語の集合体と考えることも出来るわけで、それはメインプロットに対するサブプロットというだけでなく、起承転結の「承」においてキャラのちょっとしたエピソードを入れるなどといった事も、そのエピソードは「本編と関連する一つの物語」なので、本編とは別のテーマを設定することが出来るわけですね。
そう考えると、小説作品の中に「どれだけテーマを共存させられるか」という問いには、ページに限界がなければ望むだけいくらでも。と答えられる。
例えば漫画でも小説でも、キャラクターにはそれぞれ表現したいテーマが存在していたりする。
「彼は特別な人物たちの中にいて唯一普通の人間で、卑屈で劣等感があるけど頑張ってる。特別な才能がなくとも頑張ることの意義を知ってほしいためのキャラです」とか。
すると、キャラの分だけテーマは同時に存在してるわけで。
もちろん、そんなキャラが起こす行動や、そこから始まる物語・小エピソードにもまた別のテーマもあるわけで。

やろうと思えばいくらでも出来ると思うけど、それは書き手や読み手の解釈の問題でもあると思う。
なにしろ、テーマ一つで小説の全てを表現する事も難しいため。
例えば、「このエピソードは『死』について書いています」「このキャラは感情を表に出すことの難しさを知ってもらうためのキャラです」「この演出には新しい生命に対する祝福をもって『報われる』という意味が込められています」という複数のテーマがあって、それら全てがあってはじめて「この小説は『生きることの素晴らしさ』がテーマです」と言えるわけで。

複数設置が可能かどうかというか、そもそも複数のテーマでもってメインテーマを表現するという事があるので、キャラクターの数やエピソードの数次第でいくらでも増えると思う。
でもおそらく、読者はそこまで読み解け無いから、読了後には「この物語は生きることの素晴らしさを書いてるんだな、それが作品通して唯一のテーマだった」と思ったりする。

だから、言うなれば「相性が良くないテーマ」というのはあると思うし、その同居は難しいだろうなと思う。
そういう意味で、メインテーマに関連しない別物をどれだけ同居させられるかって言ったら、私の考え方ではやはり「一文」の考え方になるので、5W1Hの合計6個が答えかなと思う。
すなわち、誰が、どこで、いつ、なにを、なぜ、どのように、ですね。
Whoはキャラを表してるし、Whereは舞台を表してるし、Whatは目的、Whyは動機、Howは行動、Whenの「いつ」も例えば「10年前の3月11日の事だ」となるといきなりメッセージ性を持つのでテーマを置けると思う。
Whenは状況を作らないと些か設定しにくいけど、他の5つはバラバラの要素にしても多分まとめられるかなと思う。
これはもちろん、キャラ一人・物語一つを想定したものじゃなくて、6つあるエピソードでそれぞれに設置されてるテーマの場所って意味。
こうしてバラけていれば別の大枠にあるメインテーマでそれらをまとめることができるだろう、という事ね。

でもまあ、正直想像するのもしんどいくらいに作者の腕が必要でかつ面倒くさい作品になるだろうなと思う。
というのも、作家にはそれぞれ個性があるし癖もあるから、それぞれ意識的・無意識的に「キャラでテーマを表現するのが得意」とかあって、それは一個あれば十分だから、そもそもテーマに5W1Hをフル活用することなんてまずないと思う。
机上の空論だけど可能かな、というレベルの話であって。
普通は「キャラ」か「行動(目的・動機含む)」で表現されるだろうから、現実的ではないね。

で、どうすればその同居をスマートに行えるかって話だけども、
既に書いたけど、ようは「小テーマで大テーマを表現する」という書き方をすりゃ、スマートに共存可能ですね。
例えば「この世界には人間の脅威となる怪物が生息している(環境破壊などを怪物に例えた啓蒙がテーマ)」と「愛って素晴らしい!」というテーマは同居しにくそうだけど、「主人公とヒロインの恋愛が世界を救う」とか昔の世界系みたいな大テーマでくくると同居できそうでしょ。
少し話を戻すと、私の考え方の場合、関連性のないものを関連付けるには、その限界が6個かな、という感じです。
まあ、話題変えちゃえばいくらでも出来るけどね。
もとから関連性のあるものであれば、変な小細工せずともページと気力が許す限りいくらでも可能でしょう。

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