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タイトル:小説のテーマを複数設置することはどれだけ可能かの返信 投稿者: あまくさ

テーマという言葉はけっこう曖昧で、人によって違う意味で使っていることがあります。

>3)クトゥルフ神話などでは、設定の考察によって話題性に繋げているという点では、テーマと同等の機能があるとして良いでしょう。

そこまで広げるなら、「コンセプト」「ねらい」「売り」などの言葉に置き換えた方が論点が分かりやすくなりませんか? これらには「目的」と「方向性」があるので、そこが異なると同居できなくなるということです。逆に言えば、そこを意識して調整すれば、理論上はいくらでも同居可能です。

>しかし実際は、これらがいずれもテーマとして同居しているように見える作品もあります(例を挙げるとするなら、上橋菜穂子『精霊の守り人』などでしょうか)。このような作品では、世界観の一部を見せながら、作中のキャラクターの心情にも焦点を当て、しかもそれぞれにテーマとしての機能を持たせているように見えます。

作品が文芸寄りかエンタメ寄りかによっても、手法は異なってきます。『精霊の守り人』は基本エンタメだと思いますが、少し文芸寄りの要素があるんじゃないかと。
エンタメの場合、「売り」はシンプルで明確な方がいいんですね。ラブコメを読みたい読者を想定しているのにヒロインの好感度が低かったら、はっきりとマイナス。そういうことです。
読者を失望させる書き方は御法度。それがエンタメというものです。

しかし、作者に文芸寄りの意識があり読者に現実も見せたいのなら、話は別です。そもそも純文学にはヒロインという概念が希薄。主人公にメインでからむ女性がそうとう嫌な性格だったりすることも珍しくありません。
純文学ではなく「文芸寄りのエンタメ」の場合は普通そこまではやりませんが、スパイス程度にヒロインのネガティブな面もみせつつ、ラストでは読者の期待をはずさないところに落ち着けるなどの調整をしたりします。

こういう作品の場合、複数の矛盾した方向性を同居させることも可能です。現実には様々な価値観があり、異なる正義が衝突することもあるからです。そういう多様性や矛盾そのものをテーマにするという「コンセプト」もありです。
ただ、そういうのはやればやるほど難解で重くなりますから、すっきりと読者にうけたい「純エンタメ」には不向きです。

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