元記事:連載中の小説に矛盾点についての返信
1.冒頭の台詞修正の是非
> それだけならばセリフの部分を改稿してしまえばよいだけの話なのですが、
話数的にどこまで進んだかによりますが、結構進めてあるなら、冒頭の台詞は修正すべきではありません。
なぜか。矛盾が解消されるからいいはずだとお考えのご様子ですが、読者に対しては裏切りになります。読者は複数いるはずで、各々の読者が今どこまで読み進めたかは、作者側は知る方法がないはずです。
仮に矛盾が出るはずのところ(ご質問文からはまだアップしていない話と推察)で「第1話の○○は間違いがあり修正しました」と書いたところで、そこを読むまで読者は修正を知る由もありません。冒頭の台詞のまま、描写や設定、キャラ心情をイメージして読んでいるはずです。作中で起こったことも覚えていってます。
(既に矛盾が出る話が投降済みなら、事態は悪化します。修正に全く気が付かないで読み進め、矛盾に首をかしげながら最後まで読んで、結局よく分からなかった、なんてことも起こり得る。)
修正したと知ったら、そこまで読んで、覚えて、イメージしてきたことを壊さなければならなくなります。そして新たに修正に従ってイメージしなおすわけですが、作者と違って細部までは覚えていないのが普通です。下手すると冒頭の修正台詞のところから読み直しです。
そういう徒労を読者に強いることになります。せっかく一生懸命読んできた努力を作者が台無しにする、だから裏切りです。
物語で既に読み終えた部分は、確定した過去みたいなもんです。現状を理解し、先を予想する大事なデータです。それを簡単にひっくり返したらいけないのです。読者の手間を考えても、修正しないとまずいなら仕方ないかもしれません。読者の離脱も覚悟すべきでしょう。
熱心に読んでくれた読者であるほど、がっかりも大きくなります。なんとなくしか把握しない程度に読んでくれた読者なら、修正は気にしないかもしれません。でも、現在の作品を最後まで読んでくれそうなのは誰か、次の作品を始めたときにリピーターとして読んでくれそうな人は誰か考えたら、今の作品を熱心に読んでくれている読者になるはずです。
そういう読者を手放してはなりません。大事な読者が離れるリスクを避けるなら、冒頭の台詞はそのままにして、まだ書いていない部分でつじつま合わせすべきです。それが熱心に読んでくれた読者に対する仁義です。この仁義はリピーターになる人が増えるということで、作者も見返りを得ることができます。
2.粗が見えたために下がったモチベ
矛盾点があっても一応の完結をさせるべきです。これも読者の信頼を裏切らないためです。
このサイトでも羊頭狗肉・竜頭蛇尾でいいから冒頭のツカミを大事に、なんてコツが言われたりします。しかし、本気でその通りでいいと思うと失敗します。冒頭~序盤で出し惜しみで読者を掴み損ねることを戒めるため、「羊頭狗肉で行け」と言ったりするだけです。作品の最大の印象は最後の山場~ラストで決まるからです。出だしが威勢良くても、終わりがショボかったら「この作者はダメだ」と思われかねません。
ましてやラストがなかったらどうなるのか。最悪の印象となります。次作を出しても、「ああ、あの途中で放り出した作者か」となります。無理矢理に早めに終わらせたりしたら、「自分で自分の作品を打ちきりエンドにして作者だ」と思われます。作者の戦略として、なんとか避けたい事態です。
粗、矛盾は批判を受けるのを覚悟の上で、しっかり完結させるしかありません。楽しくないからモチベが、というのは分かります。そんな状況でも楽しく書ける方法を、私は知りません。読者の期待に対する責任感で書けるかどうか、しか分かりません。もし、読む手間を惜しまなかった読者が特に気にならないなら、どうしようもないでしょう。
上記の回答(連載中の小説に矛盾点についての返信の返信)
スレ主 BB : 1 投稿日時:
手塚満さま返信ありがとうございます。
手塚さまの言葉にはっとさせられましたと同時に、書きたい話にこだわるあまり今までついてきてくれた読者のことを考えていない自分の存在に気づかされました。大変恥ずかしい限りです。
そこそこ話も進んだ中盤なのですが、冒頭はそのままに後半のシナリオを変えていこうと思います。粗だらけのプロットに縛られて、大切な読者のことをすっかり失念していました。そうですよね、冒頭を改稿しても混乱を招くだけですよね。今まで読んでくださった読者を一番に考えて書いていこうと思います!
手塚さまの言葉で、矛盾点に気づいた時からあったもやもやとした胸のつっかえが取れたような気がします。途中で投げ出すことだけは絶対にしたくないので、いただいたアドバイスを参考に最後まで書き上げようと思います!
ありがとうございました!
カテゴリー : やる気・動機・スランプ スレッド: 連載中の小説に矛盾点について
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