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人語を喋るモンスター (他にも魔法に関する質問などもあります)(元記事)

どうもこんにちは。今回も設定に関するスレッドです。

主に異世界ファンタジーを書いている私ですが、登場するモンスターが人語を喋ることが多いです。
基本的に心理描写を円滑にするためにセリフをつけることが多いのですが、最近この表現に対して「安っぽくしている要素なのでは」という指摘が入りました。
(ちなみに過去スレでも何度か意見を頂いた方からの指摘です)

喋る魔物はゴブリンやオーガなど、一般的に知性が高くないとされる魔物も多いです。(大好きなヴァンパイアはそもそも元人間だから除外してます)
一応セリフ回しに関してはその種族らしさを意識することはあります。
ゴブリンは敬語を喋れない子供というイメージを固めて粗暴で単純な言葉遣いに、ギルマンはカタカナや句点を多用して不気味な存在感を表現するなど……こんな感じです。
他にも幻術使いの策士という設定の魔物に仲間割れをそそのかすような言葉を吐かせるなど、まあ概ね下級魔物の言葉使いはみんな性質は違えど攻撃的なものばかりです。

ただその割には「力任せな暴れん坊」みたいなイメージを抱かれることの多いオーガやトロールは、どの個体も概ね流暢にしゃべります。
ここは一般的なイメージとギャップを感じる人が多いだろうな、と自分でも思っているところです。指摘が入った作品もオーガが流暢に人語を話していました。
まあ私の作品での彼らは努力すれば魔法使いになれるくらい賢いって設定だったりしますが……そもそも魔法を使えるくらい賢い彼らというのが一般的にはイメージしにくいものだから、余計こういうご意見が来るのでしょうか?

人語を喋るモンスター (他にも魔法に関する質問などもあります)の返信

投稿者 大野知人 投稿日時: : 1

 うーんと、先に書いておきます。
 俺は伝承クソ野郎なので、『一般的なイメージ』の意見は出せません。知ってる知識と、それに対する所感をぶつくさいうのが限度なので、『こりゃダメだな』と思ったら気にしないで結構です。

 まずは、伝承学のお話。イメージの基礎にあるトールキンなどの著作や、そこより前の世代に存在する伝承・キリスト教などの逸話についてです。
 これは日本人にはとても理解しにくい感覚なのですが、キリスト教圏における魔物・妖怪の類と言うのは『人類の敵』であることが重要であって、根本的には生態もクソもありません。(もっと言えば、日本における神や妖怪も『自然現象の理解の一種』であって、生き物ではありません)

 唯一神を基準とした善と悪、というのが最も大事な要素だったので『どういう生き物か』『どういう理屈を持っているか』という事は考えなかったわけです。
 原典に則って言えば、要するに、例え脳容量が数グラム以下の身長十五センチの妖精だろうが、言葉は喋れるわけです。
 キリスト教の影響下で、元来の精霊・妖精信仰が歪んだ結果として『邪教』『悪魔』『邪悪な精霊』『いたずら妖精』などという物が生まれた、というのは聞いたことがあると思います。
 
 彼らは、『人々を惑わす・襲う人類の敵』であることが重要だったので、『襲う』という役割のために物理的な強さと醜悪な外見を、『惑わす』ために人と話す知恵と魔法を手に入れました。(まあ、元々の伝承でそういう能力を持っていた者も居たでしょうが)
 そういった都合があるため、彼らには基本的に『生き物としての合理性』とかはないですし、ゲーム的なコスト論(力が強いと、賢さが落ちる。みたいな)も通用しません。

 一方、日本人の感性における神や妖怪の類と言うのは『自然現象の裏に隠れている物』だったり、『自然そのもの』或いは『山で出会った奇妙な事件の犯人』であって、『そこにいる誰か』です。この場合、有機物を指していて『恐らく生き物であろう何者か/生き物っぽいナニカ』のイメージなわけです。

 『そこにいる生き物』を想定するので、未発達ながらも、それぞれの時代の生物学・自然科学がそのイメージには関わってくるわけです。(例えば、『塗り壁』は長い棒などで足元を払うと転んでしまうため難なく取り除ける、という伝承がある)

 日本の妖怪・神様は理屈や人類との交流(祭りとか貢物とか)の延長線上にいる『イキモノ』なので、現代の我々も、無意識にそのつもりで接してしまいます。
 近代に成立した異類婚姻譚の類が分かりやすいでしょうか。人間の男が人間に化けた獣や妖怪と結婚する奴です。最終的に正体がバレて破局するわけですが、大体の場合『人間に化けていないシーン』では彼らは人間の言葉を喋りません。

 
 さて、話を戻しますが。
 日本に海外の『ゴブリン』や『オーガ』などの名前が輸入されてきた時、当然日本人は彼らを『イキモノ』としてとらえました。ですが、実際の伝承上の彼らは『人類の敵という役』でしかないため、『日本人が思う妖怪のルール』とはかなり外れた存在だったわけです。
 おそらくこれが、如月さんの感じていらっしゃる違和感の正体なのではないでしょうか?

 ちなみに、オーガ/トロルあたりがしっかり喋る由縁は、恐らく指輪物語のせいでしょう。もうちょっと言えば、エルフが言語喋るのも本当はおかしいんですけどね。これも指輪物語のせいです。奴ら、生態的には蛮族ですし。

 逆に、ゴブリンやコボルト・ギルマンが喋らないのは、『日本人がよく知っている物語』の中で、彼らが登場しないせいです。っていうか、雑魚キャラ作るためにスクエニや任天堂が連れて来たようなもんですからね。
 ちなみに、原典におけるゴブリンは結構お喋りです。いわゆるインプに近い『ずるがしこい妖精』で、主に人間の子供を騙したり、家畜を勝手に連れ去ります。

 さて、その上でどうすればいいかの話ですが。
 いつも通りの一言。『好きにすれば?』です。

 上述の通り、日本人の感性からすれば根本的に『西洋の魔物』の概念は受け入れられるものではありません。多かれ少なかれ、先入観と勝手なイメージで歪んでしまいます。
 原典を重視してどんな魔物でもペラペラしゃべっても良いですし、日本人の感性を重視して『ある程度の知能がある生き物』以外は喋れなくてもいいでしょう。
 あるいはもっと科学的に『(推定される)脳みその大きさ』を基準にしても良いかも知れません。
 勿論、複数を掛けあわせたり、中間点でバランスを狙っても良いです。

 ただ、どちらにしても『感性そのものに違和感がある』という事と『元来の伝承からして日本人には受け入れがたい』という事を理解してください。
 とどのつまり、どんな設定にしても多分文句は来ます。日本人の感性に寄せれば『原典と違う』と言われ、原典に寄せれば『イメージと違う』と言われます。
 そんなもんだと開き直ることを推奨しますよ、俺は。

カテゴリー : 設定(世界観) スレッド: 人語を喋るモンスター (他にも魔法に関する質問などもあります)

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