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たまねぎ様への返信の返信(元記事)

狂言自殺とは
死ぬつもりがないのに、自殺のふりをして人をだますこと。
「金につまると—をして田舎の親たちを、おどかす」〈太宰・東京八景〉

つまり自殺未遂をする、ということなのかな、と思うかもしれませんが、
要するに死ぬ気がないのに死ぬぞ、死ぬぞ、と言う、というところが狂言自殺の主《おも》だった意味です。
だから、未遂《みすい》でもありません。自殺するぞ、と他人をおどかすということなので。

ちょっと私にはわからないですね。
自分を苦しめるためにわざと自分が傷つくことをすると、安心感を覚えるんですか?
私にはそういう造形《ぞうけい》のキャラは記憶にありません。

そもそもあなたは、自分でそういうことをしますか?
しないだろう、と思うんですが。

別に嫌がらせで言ってるんじゃないですよ。
書いていったら、この設定よくないなって思うはずだと言っています。

たまねぎ様への返信の返信の返信

スレ主 若宮 澪 投稿日時: : 1

 うーん、逆にないんだって感じがするんですが……。自分が傷つくことに安心感を覚えることって、私からしたらなんというか割と身近な感覚です。周りにもいましたし、これが普通なのかなって思ってました。

 参考までに、いくつかURLを貼っておきます。「なぜ自傷行為を行うのか」という記事なので少し趣旨とズレてしまうかもしれませんが……。
 https://www.nippon-foundation.or.jp/journal/2023/91367/suicide
 https://ubie.app/lp/search/self-injury-s1463
 以上の二記事において、「自傷行為によって脳内麻薬が分泌されること」つまり「苦痛が快楽、安心感などへと転じること」は脳科学的に示されていることが明示されています。他にも多数の記事があると思いますが、全部貼るわけにもいかないのでご自分で検索していただけるとありがたいです。

 それに、こういう造形のキャラはかなり見かける印象です。私が陰鬱な雰囲気の作品ばっかり閲覧しているからだ、と言われたら何とも言えないのですが……。
 たとえば二次創作で有名なハーメルン、プロセカの曇らせタグ付きのものはそれなりの確率で誰かが自傷癖を持っている印象。小説家になろうなどでも「自傷行為」あたりで検索をかければ見ることができます。
 あまり市販の書籍は読まないたちなので知恵袋などのQ&Aからの引用になってしまいますが、商業作品でも「アンテナ」「クワイエットルームにようこそ」「リストカットシンデレラ 上・下」「リストカットの向こうへ」「ミューズ/コーリング」などの作品は自傷行為を扱っています。私も読んでいないので完全なる確信を持って言えるわけではありませんが、これらの作品では「傷つくことで安心感を覚える」ような人物像が描かれているかと。

 なので、大前提として「傷つくことで安心感を覚える」というのはキャラクター造形としては「あり」だと思います。ラノベらしくないって言われたら、まあそうだよねとしか言えませんが。あくまでラノベと文芸の中間くらいのつもりで書いているので、ラノベらしくないっていうツッコミはしないでくださると助かります。

 「【自分を苦しめるために】わざと自分が傷つくことをすると安心感を覚える」のにそれでも違和感がある場合は、こんな風な心理が主人公の無意識下で働いていると考えてください。

 まず大前提として、前の回答のように【自己嫌悪から生じる自殺願望】と【責任感に伴う生存の義務感】の二つが主人公の中で共存しています。自己嫌悪している理由は前にも述べた通り「婚約破棄という【罪(あくまでも主人公にとってそう感じられる、というだけ)】を犯した」という自覚と「婚約破棄への復讐などという【子供の癇癪】で世界を変えてしまったこと」への罪悪感です。
 これらは主人公にとってはとても重たいもので、それこそ「生存への義務感」がなければすぐにでも自殺してしまいかねないほど。作中で、これは繰り返し何度も叙述されていると思います。
 けれども、主人公は死ぬことができない。なぜならば【死ぬこと】とは【責任逃れ】と同義であるから。主人公にとっては、世界のありようを大きく変えてしまったことに対する責任感、罪悪感もまた非常に大きい。ならば、生きてその責任を果たさなくてはならない。
 ここでいう「責任」とは、主人公にとってはかなーり曖昧な概念です。どちらかといえば「贖罪」のほうが意味としては近い。こんなにも世界を無茶苦茶にした「罪」を償わなければならないという感情と捉えていただけるとちょうど良いかな。
 でも、贖罪するにしても主人公はあまりにもやりすぎた。もう「死んでお詫び申し上げます」と言って自殺すればそれで済む、なんてレベルじゃない。あまりにも多くの人を巻き込んでしまったから、その贖罪は自分の死なんていう【軽いもの】では償いきれない。それに、こんな自分を信じ、自分がやったことに付き添ってくれた人々だって沢山いる。それなのに自分が死んでしまえば、【お前らの信じてきたもの、巻き込まれたものには「何の価値もなかった」】と言っているに等しくなる。
 だって、【自殺による贖罪】=【罪を認めること】ですからね。罪ということは、主人公のやったことはただの悪事だったということになる。そして、その悪事のために世界をまるごと作り変え、たくさんの人を巻き添えにした。それを認めることは、【貴族として許容できない】ことになります。
 こうして主人公は、【生きること】も【死ぬこと】も「してはいけないこと」になってしまう。でも現実に、「生きても死んでもいない状態」なんてものはないですよね? 植物状態がそうじゃん、とか言われるかもですが、あれは意識的にできるものじゃないですし。
 というわけで「生きることも死ぬことも自分に許せない」主人公は、そんな「許されるべきでない自分」に対して罰を望むわけです。その「罰」がまさに、自傷行為にあたります。

 「罰」とは苦しむこと、であるならばわざわざ「傷つくために」旅に出ても、何かにつけて自分を自虐して自分の心を「傷つけて」も決して不自然ではない。だって、そうして傷つくことで自分に罰が与えられるんだから。
 そして、自分が「罰」を与えられている瞬間だけは、主人公は自分を逆説的に肯定できます。「生きることも死ぬことも許されない自分」に対して「罰」が与えられることで、その瞬間だけは「許し」が得られたような感覚になる。ちょうど、犯罪者が罪を償えば刑務所から出られるように、です。
 けれども主人公のそれは「状態」に対する罪です。要は、「罰」を受けることで「今この瞬間、生きることも死ぬことも許されない自分」は許されますが、決して「未来にいる、生きることも死ぬことも許されない自分」の分まで罰を受けたわけではない。だから、主人公は何度も過去を思い返して、そのたびごとに自分を傷つけるわけです。

 これが、「自分を苦しめるために自分が傷つくことで安心感を得られる」理由です。自分の罪に対して自分が罰を下すことで、その罰が下された自分をその瞬間だけ許せるから。
 私からはこれ以上に上手くは説明できないです、申し訳ありません……。少なくとも、私自身は主人公のこと「書きやすい」と思いますし、この設定自体は問題ないと思っています。

カテゴリー : 文章・描写 スレッド: 投稿作品のジャンルについて(&聴覚的描写について)

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