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読者の気を逸らしてしまう設定を開示するタイミングの返信

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読者の気を逸らしてしまう設定を開示するタイミング(元記事)

例えば、ヒロインがロボットという設定が、冒頭から5ページもめくらないうちに「腕が取れて落ちる」だとか「充電が切れる」などの方法で読者に明かされたとします。
その後場面転換の前に、「食事をするシーン」だとか「ロボットの仲間に水を飲ませるシーン」だとか、読者からすれば明らかに不自然な場面が出てきます。この不自然な場面は特になんの説明もなく唐突に挟まれ、そのままスルーされます。
そこから場面が切り替わり章ひとつぶん別のキャラ視点の物語が展開されて、だいぶページ数が空いたところになってようやく「実は胃袋エンジンで電気エネルギーに変換してる」「味覚センサーが正常か確認していた」「仲間は水素を燃料としていた」らへんの、なんらかの種明かしが行われます。

本題なのですが、この場合大半の読者の反応としては以下のどれに寄ったものになるのでしょうか?
1、序盤の時点で「整合性の取れていない描写だな」と読むのを止める。
2、不思議だな、と興味を惹かれて読み進める。
3、そんなもんだろう、と気にしない。
4、マヌケなお話だ、と呆れて、その後の展開は流し読みする。

また、この問題を解決する手段としてはいくらか思い付きました。
「地の分でこのキャラクターは世間一般の認識とは違うギミックがあるんだよ、と語る」→序盤でまだ知らない名前であるキャラクターの解説をされても目が滑るので、これは難しいか?
「そもそも序盤に説明が必要になる場面は置かない、構成を見直す」
「邪魔な設定なのでキャラクターから考え直す」
他に良いやり方がありましたら、教えてくださると助かります。

読者の気を逸らしてしまう設定を開示するタイミングの返信

投稿者 手塚満 投稿日時: : 2

設定とあらすじを「例えば」と仰るところからすると、まだ物語は作ってないということでしょうか。おそらく、アイデア段階。そういうことだとして、回答してみます。

ざっくりしたあらすじと、そのレベルのあらすじに必要な程度の設定では、どう進めたらいいかは判断できません。判断しようとするべきでもない。設定開示を遅らせたら納得感がないとか、逆に冒頭の設定紹介がいけないとか、いずれもコツでしかないし、一見は相反するコツも少なくないのではないかと思います(一般的なことわざなんかでは、そういう事例は頻出のようです)。

お考えの具体的な心配、希望的事項を考えてみます。まず「こうなったらマズイ」というものは次の2つですね。

> 1、序盤の時点で「整合性の取れていない描写だな」と読むのを止める。
> 4、マヌケなお話だ、と呆れて、その後の展開は流し読みする。

まず1ですが、これは描写が既におかしいというものです。アンドロイドなのに食事したからおかしいか。そんなことはないですよね。例えばドラえもんでも、なぜ食事をするのかとか、どら焼きが好物とか、後付けです。

「一緒にご飯やおやつを食べてくれる友達みたいなロボット」という点が大事なんです。だって、親近感がわくでしょ? それに、「どら焼きが好き」ということから、ある程度の性格、キャラクターも想像可能になってきます。そういう人と似たような性格のロボットと思えばいいわけですから。

設定開示を遅らせたらこうなってしまうのか、という考え方をしていても仕方ありません。そうならないような展開はどうするか、と考えるべきです。

> 2、不思議だな、と興味を惹かれて読み進める。
> 3、そんなもんだろう、と気にしない。

こちらは「読者にこういう印象が生じて欲しい」というポジティブなものですね。ですが、2と3はかなり違う。同時に2と3になるとは考えにくい。

2はツカミになるという状況ですね。お示しのアイデアでは「アンドロイドなのになぜ食べるのか?」で訴求できないかお考えでしょうか。しかし、設定紹介を後にしようとお考えなのは、おそらく「設定紹介では退屈ではないか」と推測されたんだと思います。

正しいご判断だと思います。「なぜ食べるんだ?」からは仕組み的なことが引き出されます。勢い、設定説明に堕しやすい。まだキャラとして興味を持てるかどうか分からないアンドロイドヒロインの説明をまず持ってこられても、読む意欲にはなりにくい。

冒頭のツカミとしては説明を始めるのではなく、イベントを起こすべきでしょう。「アンドロイドが食べるのは不自然」より目を引くイベントが必要です。例えば「食べないとどうなるのか?」がありますよね。人間だと腹が減って動けない、最悪は餓死する。アンドロイドでも「食べないとどうなるのか」という点をアピールする手も考えられます。

人間と同じく、食わないと元気が出ない、でもいいでしょう。不機嫌になって当たり散らすとかもあります。食物以外に水も考えられます。人間同様、水を飲み、トイレに行くアンドロイドがいるとします。理由は「エネルギー反応炉の冷却のため」だとします。ですが、その設定説明よりも、水をがぶ飲みし、しばらくするとトイレに行きたい、漏れると騒ぎだすなんてイベントも作れます。

食事にせよ水にせよ、主人公は「なんで?」と言いながらも、とりあえずは人間同様に遇しないとトラブルになるイベントを作ってしまえばいいのです。もちろん、以上は例ですから、やりようはいろいろあると思います。要は、理屈を言うよりもキャラを動かしてしまえ、ということです。それでキャラに興味を持たせたら、説明すればいいのです。興味があれば知りたくなりますから、興味度に比例した長さの説明なら大丈夫になってきます。

3はお示しの案ではかなりテクニックを要すると思います。食事をするアンドロイドが不思議でないように描写しないといけないですから。また、不思議ではないなら設定説明への興味も起きなくなります。

3のやり方が成立するのは、よく知られた類例があることです。もしアンドロイドではなく、生物の宇宙人なら何か食べても不思議とは思われません。古代から恐竜の子どもを連れてきたとしたら、えさを与えるのは自然であって説明を要しません。

アンドロイドで食事が不自然でないようにするなら、例えば同種のアンドロイドがうようよいる世界なら可能かもしれません。他のアンドロイドも普通に食ってるし、所有者もごく当然のように食事を与えている、とか。アンドロイドヒロインが小説の世界観からは、ごく普通のアンドロイドと描写しておくということです。
(例えば、ロボットの古典のアシモフのシリーズでは、ロボットが高度な知能を持っているのが当たり前なので、どんなロボットをメインゲストにしても、ロボット工学三原則をネタにしたストーリー展開ができる。)

ポジティブな希望的観測も、「そうなるのかな?」と考えていても仕方ありません。そうなるようにする、それが作者の力量であり基本方針です。

カテゴリー : 文章・描写 スレッド: 読者の気を逸らしてしまう設定を開示するタイミング

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