コンセプト違反の本質は作者の勘違い
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コンセプトの上で読者を裏切る方法はあるか?の返信の返信(元記事)
コメントありがとうございます。
この展開だと、たぶん、女ボスを魅力的に描かなければならないところでしょう。
木下順二『絵姿女房』では、逆転の策を与えて夫を待つ女房は、自分をさらったダメ人間の殿様のほうを好きになってしまいますが。
コンセプト違反の本質は作者の勘違い
投稿者 あまくさ 投稿日時: : 1
>「立身出世のために、さらわれた姫君を助けようとしている」
この設定で主人公がすんなり姫君を助けてハッピーエンドだと言われたら、むしろモヤっとしませんか?
言うまでもなく「立身出世のため」というところが不純な目的というイメージを与えるからです。つまりここにはすでに「この物語は単純に姫君を助ける物語ではない」というフラグが立っているのです。言葉を変えると、「姫君を助ける」はダミーのコンセプト、「何か別の結末が用意されている」が真のコンセプト、隠された本筋と言えます。
で、具体的に物語をどう組み立てればよいか、ですが。
一例として、姫君はあくまで「美しく心正しく清純なキャラ」にして大丈夫です。むしろその方がよいでしょう。前半では「この姫君を絶対に助けなければいけない」と読者に思わせる方が効果的です。
ただし。
清く正しい美少女なら読者が心から魅かれるかというと、必ずしもそうは言えません。そこがミソです。
女ボスもまた、あくまで悪女でいいです。ただし、有名な「猫にエサをやる不良」パターンなどを応用して清く正しい姫君より読者が魅かれるキャラに仕立てることは可能。そこが作者の腕の見せ所になります。
以上のような図式を作ることに成功すれば、「予想は裏切り、期待は裏切らない」が実現すると思いませんか?
なお、清く正しいお姫様の方も最終的に不幸にしたらダメですよ。別の優等生的男性キャラでも用意しておいて、くっつけてあげればいいです。
こういう設定は真の本筋と表向きの本筋が入り組んでいるので、作者自身が何を目指すべきか見失ってしまいがちなんですね。それゆえ見当違いの部分を強調してしまうということが、コンセプト違反の本質です。
カテゴリー : ストーリー スレッド: コンセプトの上で読者を裏切る方法はあるか?