問題を早めに提示するのは当たり前のことではないか?の返信
元記事を読む
問題を早めに提示するのは当たり前のことではないか?(元記事)
https://www.raitonoveru.jp/cms2/2019/11/30/46153/
「冒頭で主人公が焦っている傾向」が挙げられていますが、これは大昔からそうなっているので、決して珍しいことではありません。
そもそも、「自己紹介パート」という概念があること自体が不自然なことだったのではないかと思いますが……。
紀元前427年頃にソフォクレスが書いた『オイディプス王』では、主人公のオイディプスがテーバイを襲う天変地異に冒頭から焦っています。
ここで長い長いセリフのやりとりによって語られるのは、事件の背景です。
大事件を最初に起こしておけば、それを解決しようとして登場人物たちが動き出すのは当然のことです。その葛藤によるセリフのやりとりを通して「時・所・人」の情報を提示するのは、「自己紹介パート」の設定より効率的ではないかと思います。
では、なぜ今まで、そんな当たり前のことが当たり前ではなかったのでしょうか?
かくいう私もラ研の企画で「冒頭の葛藤でバックグラウンドを示す」方法を酷評されたことがありましたので……。
言われた通り2~3本書き直しましたけど、いやほんと、キャラと背景の説明してから事件を示すのは、まどろっこしくていけません。書き直すんじゃなかったと後悔してます。
問題を早めに提示するのは当たり前のことではないか?の返信
投稿者 あまくさ 投稿日時: : 0
例えばラストでキャラAとキャラBが命をかけて戦う物語があったとします。いきなり戦っているシーンを読まされても読者は何のために戦っているのかわからず、あまり興味もわかないものです。
これがアニメであれば作画や動きの迫力で魅せることも可能でしょうが、そこは文章だけの小説では太刀打ちできないところです。なので、小説はストーリーが重要なのです。
ストーリーの基本的な構造は、はじめに前提があり、前提を受けた展開があり、展開を受けた必然的な流れとしてのクライマックスがあり、クライマックスの結果としての結末がある。そういうものではないでしょうか?
それらを構成するストーリーの要所要所は、読者に的確に伝えなければなりません。そこを無味乾燥な説明でやってしまうのは確かにあまり良いやり方とは言えません。キャラの言動やエピソードで自然に伝えていく方がベターでしょう。
でも。
言動やエピソードで表現しても、その時点で結末を知らない読者には狙いがちゃんと伝わらない恐れがあります。すべて知っている作者が陥りやすい罠なんですね。
物語の軸にエピソードがどう絡んでいくのか理解できないと、読者にとってはただ散漫にエピソードが数珠つなぎになっているだけに見えてしまいかねません。
きちんと伝わらないことには何にもならず、そのくらいだったらいっそ地の文で説明してしまった方がまだマシです。
伝えるための方法として私なりに考えていることは、
1)まず何よりも作者自身が物語の狙い・着地点をきちんと把握する。
2)キーワードとなる印象的な言葉を織り込んで理解の補助とする。
3)重要なポイントにはフラグを立てる。
4)最終的な狙いを途中まで明示したくない場合は、ダミーのストーリーをつくり読者の興味をつなぐなどの工夫をする。
などです。
4は先のスレで気にされていた「読者を裏切ることにならないか?」という問題を生じますが、それについてはあちらに色々考えを書いたので省略します。
>「自己紹介パート」その他、設定を説明するための段落はそもそも必要なものでしょうか?
必要あるとも無いとも言えます、
上記のようにプロットに密接に結びついた設定であれば、何らかの形で伝える必要はあるでしょう。
仮にそうでなくてもキャラそのものの魅力、強烈に斬新な設定を売りにするような作品も有り得ますから、一概には言えないところかと思います。
カテゴリー : 文章・描写 スレッド: 問題を早めに提示するのは当たり前のことではないか?