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テーブルゲームなどのリアリティについての返信

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テーブルゲームなどのリアリティについて(元記事)

今、新人賞への応募のための長編の原稿を書いています。
序盤の一区切りまで来たんですが、疑問に思うことがあったので、スレを立てさせていただきました。

テーマは、「1500万人のユーザーがいるアプリゲーム内で、最高の運を持つ少女(ヒロイン)と、最低の運を持つ少年(主人公)の勝負」です。
形としては、主人公が奇手奇策を使いながら、何とか渡り合い、終わってみれば、「ヒロインが勝ってはいるけど、判断を間違っていたら、結果は分からなかった」という状況を重ね、「最終的にひっくり返す」……って感じです。
伝えたいオチを決めた上で、大富豪、音ゲー、縦シューティング、格ゲーなどを舞台に、一つのゲームでの勝負を2万文字程度に収め、一つのエピソードとしています。
それを五つと、細かなイベントを合わせて、12~13万文字くらいのボリュームとなる予定です。

で、お聞きしたかったのが、物語の中でテーブルゲームなどを行う場合の、リアリティについてです。
前哨戦として、主人公とヒロイン、もう一人の友人の三人が、アプリ内のゲーム『大富豪』をするシーンがあります。
デジタル上での勝負なので、初期の手札に格差があり、「それをどう覆すの?」が焦点となっています。
展開を、「52枚のカードを三人で割り振ったら、手札でペアはこのくらい来て、革命も起こしやすそう」と結構、ざっくりなイメージで考え、とりあえず書き上げてみました。

その後、何か不安になって、実際のトランプで一人大富豪をしてみたんですが、まあ、全くもって、そんなイメージ通り行くわけもなく、再現とか無理でした。(笑
ただ、作品の目的は、

「理屈はよく分からないけど、何か主人公は凄いらしい」

っていうイメージを持ってもらうことであって、

「現実でのリアリティ」

ではないので、実現可能かとかは突き詰めなくてもオッケーかな、と思っていました。(再現不可能なギャンブル作品とか、スポーツ作品とか、料理作品、推理作品とかも、多々ありますし
ですが、最近の掲示板や管理人様のブログ「小説の書き方講座。世界観作りのコツ。設定を考えるよりも重要なこと」などの中で、

>騎士隊長が、いきなり平民の主人公を騎士に取り立て、舞踏会にまで参加できるようになってしまう、というケースがあります。
>身分制度について、ちゃんと調べていないから起こってしまうことです。
>称号としての騎士と、階級としての騎士を混同してしまっています。

というのを読み、「あれ? もしかして、作品内でのリアリティを軽視してる?」と疑問を持ちました。
正直に言えば疑問というより、不安ですね。
そろそろ、じっくり長編を書くような時間と体力を取れない状況になってきているので、本腰を入れて書き始める前に、「リアリティの扱いを間違えていないか? 読者を冷めさせる、応募する以前の問題を抱えていないか?」と思い、質問させていただきました。

少し考えすぎている気もするんですが、何かご助言、ツッコミなどいただけたら、幸いです。

テーブルゲームなどのリアリティについての返信

投稿者 手塚満 投稿日時: : 0

多少長くなりましたので、結論から申し上げますと、現実では再現できないイベントを描いて大丈夫だと思います。むしろ、いい戦略になり得ます。以下、少し説明してみます。

1.引用でお示しの創作のコツについて

元の記事を読んでみましたが、お示しの部分はかなりの前提がありそうです。挙げられている失敗事例とされるものは、

A. 中世欧風作品で、平民が騎士隊長に騎士に取り立てられ、即座に舞踏会に臨む。
 →史実ではそのような身分の飛び越えは不可能に近い。
B. 中世欧風作品で、異世界転生した高校生が孤児院に収容される。
 →中世では現代の高校生の年齢は大人であり、孤児院は無理。孤児院自体、教会がなければ存在しえない。

というものですね。そのような方針で執筆すること自体は問題ありません。ですが、注意点が必要となります。それは、

「拘った細部のリアルさ(リアリティ:迫真性ではない)が、他の細部でも同様であること」

です。

仮に「中世欧風異世界に転生して、騎士隊長に「お前は騎士だ」と言われても、騎士隊長以外には騎士扱いされず、舞踏会も拒まれる。食っていけなくても、大人と見做されて誰も保護してくれず、孤児院なども存在しない(もしあっても拒否される)」と描写したとします。そういう拘りで書いてもいいでしょう。

それなら例えば、通貨も異世界であっても史実に則ったリアルなものでないといけません。騎士も孤児院も駄目で、しかし「1ゴールド銅貨」なんて作るのは、基準が一定せず、読者が混乱しかねません。騎士や孤児院の細部に拘る描写を見せたら、読者は他の細部も同様に史実に則ると期待するからです。

でも、異世界なら現実の歴史のどこでもないし、延長線上でもないわけですよね。単に見かけがなんとなく似ているだけです。魔法があってもいいし、ドラゴンが山に割拠していても不自然ではない。ぱっと見は中世欧風、くらいが史実通りで、それ以上は作者オリジナル、独自の空想でいいわけです。それもよくあるやり方です。

つまり、作者が現実世界との類推をどこまで用いるかに関わるわけです。リアリティについて、どこまでがリアルで、どこからがバーチャルなのか、読者に見分けがつきさえすれば、問題ありません。「この世界は18歳まで入れる孤児院がある(運営は作品世界の宗教団体、王立、民間の寄金等々でも可)」「この世界では騎士隊長が誰かを騎士だと認めれば、即座に舞踏会レベルは認められる」としてもいいわけです。

リアルに則る利点の1つは「書いてない部分は類推できる」ことです。異世界転移した主人公が「元の世界でいえば、中世ヨーロッパくらいか」と独白し、「乗馬した騎士が城から出てくる」で、大体の風景が目に浮かんだりします。

大事なのは「正しいことを書く」ことではありません。作品世界が読者に分かればいいのです。文章で書ける情報量はあまり多くありません。ですから、書いてない部分を読者が補えればいい。そのためには「どこまでがリアルからの類推でよく、どこからが独自なのか」を読者にハッキリ伝え、「独自」の部分をしっかり描写すればいいわけです。
(そのためには、確かにリアルの知識はあって損はない。だけれど、リアルの知識に囚われる必要はない。)

お示しの引用の元記事・コラムは慎重に読む必要があるんじゃないかと思います。少なくともコラムで挙げられている事例を、「リアルから外れるのは不可」みたいな一般的な失敗と考えるべきではありません。

2.フィクションは不可能を可能にしていい

アリストテレスは観客を驚かせるには、「信じられないけれど、可能なこと」よりも「実際には不可能だが、ありそうなこと」を選べ、と述べているそうです。一見して、変な気もします。不可能なら嘘だし、ありそうなことならツカミとかにならなさそうですから。

ですが「事実は小説より奇なり」と、よく言われます。確かに、奇跡的な事件とか、ニュースやネットで見かけることがあります。サイコロで例えるなら「10個のサイコロを振ったら、全部1の目だった」みたいな感じでしょうか。確率は約1/6000万です。何度試してみても、起こりそうにありません。

しかし、もし全人類77億が一斉にやってみたら、かなり起こりそうです。計算すると、期待値は100人以上になります。現実世界では人数も多いし、期間を長くとればとるほど、イベントの数も増えます。可能でありさえすれば、何でも起こると考えたほうがよさそうです。

ではフィクションはどうしたらいいか、と考えると、アリストテレスの言も捨てたものではなさそうです。不可能なことなら現実では決して見かけるはずがない。それを、あり得そうに描写できたら、なんとなくあり得そうな気がする。しかし、現実のどこを探してもない。そういう奇跡を見せる戦略は、フィクションとしてはアリでしょう。

つまり「イメージ通り行くわけもなく、再現とか無理でした」はアリです。そのイメージが「なんだかあり得そう」と思えるような描写を心がければいいわけです。フィクションのリアリティは迫真性です。真に迫っているけれど、真でなくていいわけです。むしろ真でないほうがいい、というのがアリストテレスの見解です。

カテゴリー : 設定(世界観) スレッド: テーブルゲームなどのリアリティについて

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