よく見かけるけどイメージできない言葉の返信
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投稿者 あまくさ 投稿日時: : 1
「掻き消える」は「消える」を強調する表現ですが、一般的な用語としては大した意味はありません。「消える」でもすむところを単に語呂を良くするために使われているのが実態だと思います。
ただし。
この3点セットなら話が少し違います。空間をワープして瞬時に別の場所に移動するようなイメージが想起されますね。
そもそもスペースオペラで多用される「ワープ航法」は、現実の物体は光速を超えられないという制約をクリアするために捻り出されたアイデアです。空間Aから数光年離れた空間Bが直接繋がるというイメージなので、それは空間を歪めているのだとも捉えられるし、空間Aに取り残された人間からは「急に掻き消えた」ように見えるわけです。
このワープというアイデアをポピュラーにしたのは、日本の場合は1974年の『宇宙戦艦ヤマト』です。外国では『スタートレック』あたりなのかな。
空間をジャンプするという(疑似科学的な)現象を、小説だったらサラッと表現することもできますが、映画やアニメの場合は何らかの情景を描く必要があります。そこで、空間が歪んだりぼやけたり、光が渦を巻くような演出など、作画に工夫をこらすことになります。
そういう作品が大量に作られて受け手もすっかり見慣れてしまったため、SF系・ファンタジー系の作品では「空間が歪む」というトンデモイメージがごく当たり前の風景になってしまったのだと思われます。
それと。
もう一つのパターンとして、SFの場合は「トポロジー・ハウス」というのもありますよ。
ハインラインの『歪んだ家』という短編があるのですが、建築家が凝りに凝って斬新な家を建てた結果、メビウスの輪的に空間が歪んでしまったという話です。1階のドアから入ったはずなのに3階に繋がっていたり、窓を開けると外はアフリカの草原だったりします。
そう考えるとドラえもんのどこでもドアは、シンプルですが空間を歪める技術とも考えられますね。
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