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戦闘シーンの表現の仕方の返信の返信

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戦闘シーンの表現の仕方の返信(元記事)

 魅了系の魔法ってことは相手の人格をおかしくする能力ってことなので、術にかかった人間の視点で描写するならキャラ崩壊してこそ正解なんじゃないんですかね。

 敵の女と目が合った。魔法使いの女だ。きれいな緑色の目をしている。吸い込まれそうになる。
 俺は何を考えているのだろう。膝から力が抜ける。女から目が離せない。周囲の音が遠のいていく。
 絶対におかしい。なにか術をかけられているに違いない。でもなんのために? 今俺は何をしている? なぜ武器を握っている? とてつもなく場違いなことをしている気がする。恥ずかしい、顔が真っ赤になる。あの女の目以外のことを何も考えられない。女の目はまるで宇宙だ。あの瞳の中にもう一つの宇宙がある。緑色の宇宙だ。緑のガス星雲の中に、緑色の星々が輝いている。それぞれの星の周りを惑星が回っていて、惑星の一つには山があり、海があり、文明があり、その中の都市のひとつ、街角の道端に俺が立っている。俺は女と向かい合っている。女は……女はとても魅力的だ。緑の瞳をしている。それ以外何も考えられない。俺は女に見とれる以外何もできない。
 一歩踏み出す。二歩、三歩。女が身じろいだ。そんな気がした。実際のところはわからない。女がどんな顔をしているのかも、女が俺に対してどんな風に身構えているのかも見ることすらかなわない。女の瞳から視線をずらせない。あの目。あの緑色の目だ。あれが欲しい。それさえあれば俺の命などどうでもいいとすら思えた。あれを手に入れるためにこれまで生きてきたのかもしれない。
 女が怖がって瞼を閉じてしまうかもしれないので、武器を投げ捨てた。甲冑を脱いだ。腰に差していた短刀で足の腱を切った。腕も切って力が入らないようにした。そのうえで短刀を放り投げた。その間、女の瞳から片時も目を離さなかった。全部後ろ手でやった。膝をついて、自分が作り出した血だまりの中を這い進む。「その目だ、その目だ」俺のちっぽけな自我や意志を超えた本能が、肉体を突き動かしていた。女の足元ににじり寄る。そして精いっぱい首を上向けて懇願した。「ああ、ああ、その目が欲しい」自分でも何を言っているかわからなかった。声帯が勝手に動いて、言葉を絞り出していた。ただ、緑色の目だけがあった。それが世界のすべてだった。他にはなにもなかった。つい数十秒前までは人並みの喜びや悲しみもあったような気がするのだが、そんなものはすべてゴミ同然だった。

 みたいな感じ? 術にかけられた人ってこうなってしまうんじゃないですかね。理性と過剰式とか目的意識とか、自分を自分たらしめているもの、つまり『キャラ崩壊』を防いでいるものがものすごい勢いで自分の中でしぼんでいくのを感じて、それに恐怖するとともに、その恐怖心すら溶けて消えてしまって、自分が自分じゃなくなって、その能力者の女のことしか考えられなくなる。その過程が克明に描けるなら問題ないように思います。

戦闘シーンの表現の仕方の返信の返信

投稿者 にわとり 投稿日時: : 1

 ラノベで人間の理性が吹き飛ぶ瞬間を一人称で描写したやつが手元にあったので紹介します。野崎まど『{映}アムリタ』より。

----------------(以下引用)----------------

 兼森さんの言葉を思い出す。神様の描いた絵コンテ。
 そんなものがもしあったなら、人は、間違いなく読んでしまうはずなのだ。
 僕は意を決して、ページをめくった。
 そこで拍子抜けする。目に入った最初のカットが『月の海』の最初のカットと同じだったからである。
 あれ? とよく見てみると、このコンテはコピーではなく鉛筆書きだった。つまりこれは原本、マスターということになる。
 もしかして。これは『月の海』の下書きなのだろうか。
 確かにあれほどの完成度の絵コンテがいきなり完成したと考えるよりは、改良に改良を重ねて作られたと考えるほうが自然ではある。
 続きを見てみると、その考えを裏付けるようなカットが続いた。『アムリタ』のカット二は『月の海』のカット五と同じ絵だった。
 つまり、最原さんが最初に書いたのはこの『アムリタ』で、それに新しいカットを追加していったのが『月の海』なのだろう。
 それが判ると僕の緊張も一気に解けた。その場で大きく息を吐く。そうだ。よく考えてみれば、あれほどの絵コンテが二冊も三冊も存在しているわけはないのだ。
 だが僕は安堵と同時に落胆もしていた。もし二冊も三冊もあるならば、やっぱり少し見てみたかったと、そんな喉元過ぎればなことを考えていた。
 まぁでも、下書きだとわかったらもう何でもない。僕はそのままページを送った。
 やはり二ページ目も『月の海』で見たカットばかりだ。『アムリタ』はもう間違いなく下書きコンテであり、例えばこのカット四と六の間をつなぐ線を、仮に僕という人間の生命と非生命の境界としたとしても生命の死と自我の死の境界を定めること自体が関係を主体とする存在の定義と矛盾しており生命精神自我存在事象を分類しないと同時に認識するという現在の情報定義を根本的に再構築する非連続的遷移が必要な時列順序でこの言語様式に至っても二種三種の言語を交雑する以上のパラダイムシフトや複数の意義を持つ言葉の文脈連続判断の高度化高速化情報の集積累積による多層多元相互関係の同時構築と解析と並列化の並列化網化等価性時間場空間場文字音色光子電気信号小説音楽絵画写真映像映画演劇人生ヒト僕あらゆる透明な幽霊の複合体

 意識をもぎとり全身の力を振り絞ってコンテを壁に投げつける。呼吸が速い。全身にびっしょりと汗をかいていた。
 あの感覚。あの時の感覚。いや、同じじゃない。、あれよりももっと、もっと全然強かった。
 だが、今の絵コンテには知らないカットは一つも無かった。無かったのだ。『月の海』で知っているカットばかりだった。もう何度も見た絵なんだ。『月の海』の絵コンテはもう普通に読むことができるのに。なのに、なんで。
 
----------------(引用ここまで)----------------

 これはこれで結構トリッキーな描写なのでそのまま参考になるかどうかわかりませんが、一つの例としてこんなのもあるよっていう話。

カテゴリー : 文章・描写 スレッド: 戦闘シーンの表現の仕方

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