第1研究室 ライトノベルの書き方 | トップへ戻る |

投稿、ユーモアのネタ・コツ

イレイズさんからの投稿・思わず読者がツッコミを入れたくなる

『ロストユニバース 幻夢 目覚める』 の一コマを紹介したいと思います。

 これは未来の宇宙を舞台に "やっかいごと下請け人"ケインが活躍する小説です。
 やっかいごと下請け人とは、用心棒や人捜し、犯罪者の逮捕など、
 民間のトラブルを解決して報酬をもらう、いわゆる何でも屋です。
 ある時、ケインは星間警察レイルに弱みを握られ、
 家出したクレイブという男を連れ戻すという仕事を押しつけられました。
 しかも、クレイブは現在、犯罪組織に身を置いているということで、彼はあまり気乗りしていません。
 

(抜粋)
「……組織かぁ……あんまり関わりあいになりたくねーわなぁ……」
 マグ・カップを片手につぶやくケイン。
「――いきなり、そのクレイブとかいうガキをはり倒して、誘拐して連れ帰る、ってテはあるわな……
 これなら平穏無事にことも進むし……」
 むろん本気で言っている。



 どうでしょう?
 文章を読んでいて、思わず心の中でツッコミを入れてしまった人は私だけではないはずです(笑)
 このシーンでは、主人公に台詞を言わせた後、地の文でさりげなくツッコミを入れています。
 読者が思わず心の中でツッコミを入れてしまうよう誘導しているのです。
 読者を見事に物語に巻き込んでいます。

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切白ビトさんからの投稿・皮肉の応酬

 初めまして、ビトと申します。
 こちらで最近勉強にこさせていただいています。
 一日一時間とパソコン時間を限られているために、ちょびちょびきているのですが;;

 えと、今回は戯言シリーズで、私が笑えたシーンを紹介したいと思います♪
 『ネコソギラジカル【中】赤き征裁VS橙なる種』 からです。

 主人公のいーたんが殺し屋二人に殺されかけたところに、零崎人識がやってきたシーンです。
 零崎人識は連続通り魔で、前作「クビシメロマンチスト」に出てきた殺人鬼集団の一人です。
 現在は、いーたんの仲間になっています。


「……遅いんだよ、馬鹿」
「悪い悪い――DVDのタイマー予約がちゃんと作動するか確認してたら、こんな時間になっちまった」



 その後、更に二人の面白い会話がっ、


「久しぶり、傍観者。二度と会いたくなかったぜ」
「懐かしいな、殺人鬼。最後に別れたあのときから、
 きみのことを忘れなかった日は一日として無かったよ」
 ぼく達は再会の挨拶を、交わしあった。
「やれやれ、いやいや全く、俺の登場シーンを引き立てるために
 毎度毎度そうやって殺されかけてくれてると思うと、有り難くって泣けてくるぜ」
「そうそう、出番の少ない脇役を少しで盛り立ててやらなくちゃってこっちはいちいち大変なんだよ。
 だからへらへらしてねーでもっと神妙に感謝して欲しいね。
 なんだそりゃ、冬服か? 長ズボン似合ってねーんだよ。
 全体的に黒っぽくて、見ているだけでこっちが暑いってもんだぜ」
「それについちゃあ反論はねぇな。
 なんなんだこの土地は、十月も終わろうってのにこの気温は一体全体どうしたことだ?
 こんな四季ちぐはぐな土地に好きこのんで住んでる奴は、きっと頭がおかしいに違いない」
「全く同意見だ。
 こんな四季ちぐはぐな土地に好きこのんで住んでる奴より頭のおかしい奴なんてのは、
 きっともう、平気で他人を殺すような背の低い奴くらいしかいないと思うよ」
「あー、でも、平気で他人を殺すような背の低い奴ってのは、
 案外格好よくてお人よしの素敵な奴だと相場が決まってるから、
 世の中ってのは不思議なもんだよな。
 格好悪くて人の悪い素敵じゃない奴だと相場が決まってる、
 平気で人を騙すような手の早い奴なんかとは違ってさ」
「その通り、世の中は不平等だ。
 人のために嘘をつくぼくのような優しい人間が理不尽にもこんな酷い目に遭うようになったのは、
 どう考えても、とある連続通り魔が京都に現れてからだぜ」
「成程、俺の人生がとある連続戯言遣いに遭遇してから、
 更に滅茶苦茶になっちまったのと同じようにだな?
 そりゃ大変だ、その苦労はすげーわかる。心より同情するよ」
「やだなあ、やめてくれよ、
 きみみたいな奴に同情されてると思うとうっかり自殺したくなっちゃうじゃないか」
「やるってんなら無償で手伝うぜ――
 丁度俺も、お前に死んで欲しいと思っていたところなんだ、奇遇だな」
「へえ、気が合うね、ぼくもきみが死んでくれたら、
 どれほど幸福だろうと以前から常々考えていたんだ」
「ま、楽しみは後にとっとかねーとな」
「その通り」
 零崎は笑う。
 ぼくは、笑わなかった。
「な――なんなんだお前らは!」
 澪標姉妹は、声を揃えて、怒鳴る。
 ぼくと零崎も、声を揃えて、答えた。
「仲良しさ」



 他にも面白いシーンはあるのですが、私はこのシーンが一番好きです。

 決して仲がよい訳ではない二人が、互いに皮肉るところが、もう、最高です。
 何よりテンポがいい、って思うんです。

 思わず顔が緩んでしまいそうになりますね。
 それに、殺し屋と向き合っている途中だというのに、二人はもう違う世界に入ってますよね(笑)。
 それも殺人鬼で、レベルアップ(?)もしてて、かなり強い零崎がいるからでしょう。

(ちなみに二人がいるのは京都で、【傍観者】は主人公いーたんのコトです。)

 この会話だけでおもしろいのですが、
 それまでの経緯を知っているともっとおもしろいいですよ。
 今までの積み上げのおかげでおもしろさが出ていると思います。


『戯言シリーズ』
 
 クビキリサイクル
  ↓
 クビシメロマンチスト
  ↓
 クビツリハイスクール
  ↓
 サイコロジカル(上・下)
  ↓
 ヒトクイマジカル
  ↓
 ネコソギラジカル

 と出ていますので。
 ほんと、読むことを至極おすすめいたします♪

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大工廻 賽さんからの投稿・パロディ

 どうも、初めまして。大工廻といいます。
 私がこの前読んだ本の中で、けっこう面白いと思ったものが一つありました。
 成田良悟さんの著作『デュラララ!! (×2)』より。

 平和島静雄が、すっきりしない、という理由のみで
「折原臨也をぶっ殺しにいく」
 と言って、折原臨也の元へと行った時の静雄と臨也の会話です。

「なーんで、シズちゃんが俺のマンションの前にいるのかな?」
「……お前を殴りに来たからに決まってんだろ」
「なんで、殴られなくちゃいけないのかな?」
「ムシャクシャしたからだ」
「……いい年してそういうジャイアニズム100%な台詞は良くないよシズちゃん」

 とまぁ、このジャイアニズムがかなり受けたわけです。
 
 ジャイアニズムとは、あの超有名漫画『ドラえもん』に登場する主要キャラクターのひとり、
 ジャイアンの言動を思想として捉えるべく名づけられた名称です。
 一種のパロディですね。
 ジャイアンの名台詞?「お前の物は俺の物、俺の物も俺の物」が、その根源です。
 自分の所有権を主張しつつ、他者の所有権を否定するという、非常に自分本位な思想です(笑)。
 「ジャイアン主義」、またジャイアンの本名をとって「剛田主義」とも呼ばれます。
 1990年代にファンの間で作られた俗語でして、学術的に正式な定義がされたものではありません。
 
 こんな感じで、新しい単語を作ってみるとか、そういうのもユーモアだと思います。
 ちなみに、『デュラララ!!』には、他にも色々と面白いことが書いてありますよ。
 結構お勧めします。

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