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投稿、ユーモアのネタ・コツ

重箱五人衆さんからの投稿・化物語のギャグ分析
 
 こんばんは、重箱五人衆です。
 最近友人に勧められて読んだ「化物語」のキャラクター同士の掛け合いが、
 久々に腹筋がひきつるほど笑わせてくれたので投稿させていただきます。
 西尾維新先生の小説は有名ですね。

 化物語シリーズの上巻第三話から登場する神原駿河というキャラクターは、
 バスケットボール部で大活躍した学校のスターで、素直な性格の女生徒なのですが、
 実は百合でかなりエロなキャラです。
 ふとしたことから主人公の阿良々木暦と親しく付き合うようになり、
 阿良々木は彼女の言動に振り回されることになります。

 会話を重ねていくことでキャラクター同士の関係が徐々に変化し、
 アクの強いキャラクターとツッコミ役のやりとりがワンパターンにならないというのは、
 キャラを使い捨てないという意味では重要だと思います。

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神原
 「阿良々木先輩。後輩の女子とお下劣な会話を楽しめないようでは社会に出てからやっていけないと思うぞ? 女性幻想など早めに捨てておいたほうが正解だ」
阿良々木
 「それこそ後輩の女子に諭されたくないよ……」
神原
 「そうは言ってもな阿良々木先輩。そのような薄っぺらい女性幻想に基づいて貞淑であることを求められても挨拶に困るぞ。女の子だってエッチな話に興味があるのだ。さあ、それでは阿良々木先輩はブリーフ派かトランクス派かという話を続けようではないか」
阿良々木
 「そんな話はしてなかったぞ!?」
神原
 「あれ? 私がスパッツの下にパンツを穿いているかどうかという話だったか?」
阿良々木
 「穿いていないんですか神原さん!?」

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 神原は素直な性格で口調が真面目なので、どこまで本気(どの程度冗談)なのかがわかりにくく、
 阿良々木の息もつかせぬツッコミが常識と神原の台詞のギャップを強調しています。


 状況としてはそれなりに逼迫している、クライマックス手前の場面なのに、
 事情を知らない登場人物とのやりとりが笑いを生み、
 しかしそれが決してストーリーの流れを崩壊させていないのがこのシリーズの面白いところです。
 
 あるいはそのギャグでしかないやり取りが後の言い回しに関係してきたりと、
 ギャグ以外の面でも面白いキャラクター同士のやりとりが描かれた「化物語」。
 ネタとしてはかなり濃い感じなので、丸ごとギャグの手本にするというのは難しいですが、
 登場人物の活き活きとした会話の勉強としてもオススメできると思います。
 長くなり失礼しましたー。

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さんからの投稿・冗談や皮肉を文字通りに受け取る
 
 僕が最近はまっているゲームの一つに逆転裁判というアドベンチャーゲームがあります。
 これはプレイヤーが弁護士として冤罪で逮捕された依頼人を弁護し、事件現場で手がかりを探したり、
 法廷で証人の嘘や勘違いによって生じる証言の矛盾点を指摘したりして、
 事件の真相を暴くミステリ形式のアドベンチャーゲームです。
(ただし、最新作である「逆転検事」はスピンオフ作品なので別です)。

 このシリーズの一作目の最終話、親友から弁護を依頼された主人公は、
 この事件を担当する検事の卑劣な工作などによって追い詰められてしまいます。
 このままでは親友が殺人罪で有罪になってしまう。
 そのとき、もう判決が覆ることはないと思ったのか検事はバカにしたようにこう言います。

「○○○(ネタバレなので伏せておきますが人ではなく証拠品です)でも尋問するかね?」
 
 ここで主人公はどう反応したと思いますか?「バカにしやがって」と激怒した?いいえ。
 「その手があったか!」と言わんばかりに本当にその証拠品を証人席に置いて尋問したのです。
 どこからどう見ても人間ではない物が証人席で証人として扱われている光景は、
 それまでシリアスな流れが続いていたためにとてもシュールでした。
 
 このようにどう聞いても冗談や皮肉にしか受け取れない言葉を、
 あえて文字通りに受け取るというのも一つの手ではないでしょうか。


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メケメケグレートさんからの投稿・忘れがちな設定を持ち出す
 どうもはじめまして。
 小説から取った話ではなく、私の身の回りで起きた話ですが……

 私が高校生の時。修学旅行で某国に赴き、
 ホームステイだの学校交流だのハードな英語漬けの日々を過ごし
 「せっかく海外来たんだから、せめてもう少し遊びたかった」とか思いつつ
 帰路につく途中の出来事でした。

 空港で日本へ帰る飛行機を待っている間、クラスメイトの一人が、
 売店へ買い物に行った友人達の荷物を見張るため、
 立ったままサンドイッチを食べていたのです。
(並んでる長椅子の前後二列にわたって荷物が置かれていたので、
 座ったままじゃ全部は見えない状態でした)
 それに目を付けた先生が叱責しました。

「立ったまま物を食べるなど、行儀が悪い」
「でも荷物見てなきゃならないですし……」
「だからってな、外国に来てるんだから
 日本人として規範となるような行動をとらなければ――」
「いや、あの……俺、中国人なんですけど……」

 少し離れたところで聞いていた私は、密かに吹き出してしまいました。
 彼は日本語ペラペラで、浮いたところも全くないのですが、
 れっきとした中国からの留学生だったのです!
 ちなみ先生も笑いをこらえていたのかなんなのか、以降はしどろもどろになっておりました。

 その時ふと思ったんですけれど、『忘れがちな設定を持ち出す』。
 これってありがちなパターンではないですか?


 例えば、人間の格好した魔族だの妖怪だのと会話してるシーンで、
 辛辣なツッコミを喰らったキャラが
「この人でなしっ!」
 と言って
「人じゃねーんだってば」
 と反論されたり。
 威勢の良い啖呵を切った女戦士を
「かっけー、男らしー!」
 と褒め称えて
「私は女だっ!」
 と返されたり。

 この辺りはまだありがちな感じですけれど、いろいろ応用が利きますよね。
 この手のネタを意外なところで使われると、ニヤッとしません?

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