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AMG体験説明会 「電撃デビューのために」レポート

 これはtakaさんが、2008年2月、東京渋谷にあるクリエーター専門学校、
 『アミューズメントメディア総合学院(AMG)』で開かれたイベント

 電撃デビューのために!   電撃文庫−アミューズメントメディア総合学院  コラボ企画

 「電撃小説大賞受賞の秘訣 教えます!」

 に参加した際の体験レポートです。
 takaさん、ありがとうございましたm(_ _)m
 なお、このコンテンツは、アミューズメントメディア総合学院の許可を得て、掲載しています。
 

AMG体験説明会レポート その1
 
 説明会の会場は、AMG東京校の本館から歩いて数分のところにある別館の4階。
 開催時間は13時からだったが、はじめの30分は毎回行われる学院概要の説明のため、
 以前にも参加経験がある者は、説明を省いて直接会場入りした。


◎ゲスト登場前

 会場での話は、まず学院のカリキュラム説明から。
 カリキュラムシートと書かれたプリントが参加者に配られ、
 ノベルス科の指導内容やプロデビューにむけてのサポート体制などが話された。

 主だった内容として、プロに必要なものはアイデアとスキルの両輪であるとのこと。

 アイデアとは、発想力。
 スキルとは、文章力、構成力、それにキャラクター造形力など。

 キャラクターには魅力的なキャラを考える発想力の他に、
 スキルとしてキャラクターを立てる方法論があるとのことだった。


 それらを踏まえて、学院にはプロになるために必要な要素を学ぶカリキュラム。
 加えて、編集部批評会など、作家デビューのチャンスが多々あるという説明もなされた。


◎ゲスト登場

 今回のゲストは、学院の卒業生でプロ作家の安曽了氏。
 雑談形式での進行で、もう一方、講師の鯨晴久氏がトークに加わった。

 はじめに話されたのは、作家になるためのトレーニング方法など。
 小説に限らず、テレビ、マンガ、ニュース、日常の出来事、どんなものでもネタになるので、
 他ジャンルからも広く知識を吸収する意識を持てとのこと。
 
 なお、小説、映画などは分析的な見方をすることが大切で、好きな小説をなんども読んで研究したり、
 構成やタイムスケジュールを調べて自作に応用するのも、上達の道であるという。



 つぎに話されたのは、執筆にあたっての心構え。
 新人賞に応募する作品の題材には、自分が好きなものを書くのがまず基本として、
 段階を踏んで読者(読み手)との距離をはかるように、すり寄せも行うのも必要であるとのこと。
 参考までに、商業作品の場合は、

    エゴ    サービス
     5  :  5   無理(商品にならない)
     4  :  6
        〜      範疇(作家のスタンス、編集者しだい)
     1  :  9
     0  :  10  読者に見破られる(書き手がシンドイ)

 というのが一般的。ただし、新人賞応募ではそこまで気にする事はない。
 それでも、読者を想定することは大切で、自分の書いた作品を
 どれくらいの人間が好きになってくれるかは、頭の片隅には留めておくとよいとのこと。


 新人賞応募に関しての話。
 ここでも、読者を意識する、という話が出た。
 主に文章に関してのことで、下読みに「自分が読者に心を砕いている」
 というアピール(読者層に合わせた語彙の選択やフリガナなど)をすると心証がよくなるらしい。
 
 落選作について。
 一次落ちしたような作品はダメだが、二次くらいまで行った作品なら、
 作品の欠点を自分なりに理解して、改稿なりアイデアの転用で再応募もありとのこと。
 ただし、一つの作品にはあまり固着しないで、再応募といっしょに新作も送るよう心がけるとのこと。


 その他、プロになってからの苦労話など。
 とにかく、編集さんとの打ち合わせでは凹まされることが多いので、
 素人のうちからでも酷評には耐性をつけておくといいとか。
 コンスタントに仕事をこなしていくためにも、執筆ペースやネタの収集など、
 プロになるまえから努力しておくとあとで楽になる。 
 
 受賞はゴールではなく、あくまでスタートライン。
 作家で居続ける事を考えながら執筆に取り組み、結果デビューへという言葉だった。


◎最後にゲスト・安曽了氏への質問と答え

  
 ・執筆の際、自分に課しているルールは?
  学生時代は日に10〜15枚。
  2、3ヶ月で一作は書き上げるペースを守った。
  プロになってからは、10日で書き上げるつもりで20日で書いた事がある。

 ・作品を書く際、エゴとサービスのバランスは?
  ノベライズの場合はユーザーの満足が前提。
  そこに自分の好みを生かす方向で作品を膨らませる。
  自分が面白いと思えなければ、読者にもそれがわかるから。


AMG体験説明会レポート その2

 今回のゲストは、電撃文庫で「トラどら!」シリーズなどを現在担当している湯浅隆明氏。
 開催は日曜で、電撃大賞の締切も近いためか、参加者もかなり大勢いた。
 案内された別館の5階は満員状態で、湯浅氏の登場と同時に拍手で出迎えた。

 MCは前回と同様、学院講師の鯨氏。両人ともマイクを手に話し始める。
 湯浅氏は「普段は作家さんと一対一で話をしているので、人前で話すのはなれていない」
 と断りをいれてから、まず今のライトノベル界の状況を掻い摘んで説明。

 電撃文庫の毎月の刊行数は、約13点。
 その他、新興レーベルも含めると、ライトノベル全体の出版点数は相当な数で、
 競争はかなり激化していると言える。
 ただ、見方を変えれば、デビューしたい人間にはチャンスも多いという事。
 
 そう前置きをした上で、氏が実感するのは「中途半端は売れない」という事。
 
 例にだしたのは、「平凡な主人公のもとに異世界から美少女が〜」などのライトノベルにありがちな内容。
 もし、こういった内容で新人賞を狙うなら、よほど完成度が高いか、
 キャラや世界観設定で目を引く要素がなければ受賞は難しい、と話した。


 そして、話は電撃大賞のことへ。
 イベントの触れ込みが「電撃大賞の対策」のようなことだったが、そこで湯浅氏から出た言葉は、

「ぶっちゃけ、面白ければなんでもいい」
 
 電撃は、他のライトノベルレーベルと比べても作品の幅が広く、
 現にミミズクなど、既存のライトノベルとは毛色の違う作品でも受賞している。
 なので、本当に面白いものなら内容は問わないとのことだった。
 ただし、そうは言っても心がけてほしいことがある。

 王道を狙うなら、差別化と完成度を。
 はずすなら大きく、業界内に似たような作品がないものを。
 それでも、ライトノベルである以上は、魅力的なキャラクターが登場していることが望ましい。


 過去の受賞作をいろいろと例に出して説明をして頂いたが、話された内容は概ねこのようなことだった。
 その上で、「見せたい部分が明確で、かつそれが描けているもの」
 というのが受賞作に求められる事らしい。


 話は受賞からは選考で落ちたけど、編集さんがついてプロになれる場合のことへ。

 まず、賞の選考である以上は、受賞作に必須の要素は完成度。
 で、途中で落ちても声をかけられる作品というのは、
 全体の完成度は劣るけど、なにか一つ光る要素がある場合だという。

 
 ストーリーや文章力は、編集さんがついて指摘をしていけば改善はできる。
 なので、キャラや設定などで目を引く要素があれば、
 こういうチャンスに恵まれることもあるとのことだった。


 最後は、参加者からの質問タイム。

 ・一次選考で落ちる作品はどんな作品ですか?
  小説になっていない。
  自分の好きなものを書き散らしているだけ。
  読み手あっての小説ということを理解していない作品。

 ・二次選考と三次選考では作品のどういった部分を見るのですか?
  基本的には、一次と変わらない。
  一次選考は下読みが行い、二次以降は編集者が行う。
  だから、見る部分が違うのではなく、見ている人間の違い。
  後は、数をしぼっていくなかで、作品の精度をあげていくだけ。
  ただし、最終選考になると少し違う。
  三次までは編集者の目で見るので、どうしても作品が売れるかが判断基準に入ってくる。
  けれど、最終選考まで至ると、もう純粋に作品の面白さだけで、売れるかどうかという基準は弱くなる。

 ・専業作家と副業をもっている作家の割合は?
  統計をとったわけではないが、実感としては7:3くらいで専業が多い。
  ライトノベルは流通が早いので、やはりペースが速いほうが望ましい。

 ・読者アンケートで作品内容を決めるか?
  ある。ただし、アンケートをくれるのはほとんど女性。
  編集としては、やはり生の読者の反応というのは参考になる。

 ・次の電撃大賞で選考送付が決まった経緯は?
  応募作の分母が多い方がいいから。
  応募者への恩返しの意味。

 ・ライトノベルに美少女キャラは必須ですか?
  必須ではない。現に、それで売れている作品もある。
  が、だいたいの作家さんと打ち合わせをすると、必須だよねえ、という話にはなる。

 ・少年マンガ的な少年主人公の作品での受賞はありえるか?
  そういった作品は、応募作には意外と少ない。
  今だと、逆に狙い目になるかもしれない。

 ・年齢、居住地、使っているソフトなどで受賞が左右されるか?
  本当に面白ければ関係ない。
  遠くの人でも、電話とメールさえあればやりとりできる。
  ただし、年のいった人間は編集者が気を使わなければならない場合も出てくるので、
  若い人のほうがやりやすくはある。


  ひと通り質問が出きったところで、MCの鯨氏から「もう質問はありませんか?」との声。
  そこで、最後の挙手。


 「現在の谷川流先生の状況をどう思いますか?」

 
  この質問に、会場内からちらほら失笑が漏れる。
  湯浅氏も、答えにくそうに意見を仰ってくれたが、内容は割愛します。

  氏が退場して、今回のイベントは無事終了した。

 『アミューズメントメディア総合学院(AMG) ノベルス学科』

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