ライトノベル作法研究所
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  4. 他人に読んでもらう究極の推敲方法公開日:2013/08/09

他人に読んでもらう究極の推敲方法

 これまでにご紹介した方法だけでは、完全な読者視点を得ることはできません。
 やはり、己の産みだした作品に接するときは、どうしても自分の思い入れ、情熱といった不純物が紛れ込んでしまいます。

 究極の推敲法は、他人に読んでもらって意見を聞くことです。

 そうすれば自分では気づかなかったことに、気づかせてもらえます。
 ときには批判という言葉のボディーブローでめった打ちにされることがあるかもしれませんか、自分の欠点を知ることは上達には欠かせない要素です。

 でも、ネット上に作品を公開して、読者から感想をもらうという方法はオススメできません。

 なぜなら、素人の小説に感想を書いてくれるような奇特な人など希だし、もしいたとしても、オブラートに包んだ毒を抜いた感想であることが圧倒的だからです。
 『渡る世間に鬼は無い』みんな、あなたのことを気遣って、あなたを傷つけるようなことは避けるでしょう。
 批評してもらうなら、近くの人間、家族や親友、恋人といった人にお願いしましょう。
 できるなら、小説を読むのが好きな人がいいですね。
 プロの作品を浴びるように読んでいる人は、それだけ濃い意見を言ってくれます。
 当サイトの鍛錬投稿室に投稿されても良いですよ(注・投稿規定熟読の上)。

 例を上げてみましょう。
 第17回サントリーミステリー大賞に受賞して作家デビューした垣根涼介さんは、受賞作『午前三時のルースター』の執筆にあたったとき、

 友人3人に作品を読んでもらって、感想をもらったそうです。

 そして「ここはこういう表現じゃないだろう」「普通、ここはこういう言い方はしないだろう」と、原稿が赤ペンで真っ赤に埋まるくらいの大量の批評をもらい、それをすべて手直しして完成度を高めていったそうです。
 3人のうち1人でも、おかしい、ダメ、と言ったら修正する。
 他人がダメと言ったら、自分がどんなに良いと思っても、それは思いこみでしかない。
 という妥協しない姿勢が受賞に結びついたと語っています。

 文豪の夏目漱石は処女作『吾輩は猫である』を、親友の弟子である高浜虚子に目の前で音読してもらい、ブラシュアップしてから発表しました。
 おそらく、他人に目の前で音読してもらうということこそ、究極の推敲術だと思われます。もちろん、並の精神力では悶絶死するでしょうが……

 小説とは他人に読ませるために書くモノですから、他人に読んでもらうことを恥ずかしがってはいけません。
 作品の中には自分の趣味や考え方といった内面がモロに反映されてしまうので、カミングアウトすることに抵抗を持つ人も多いと思いますが、これも1つの試練と思って乗り越えてみましょう。

 でも、その際の人選はくれぐれも慎重に。
 ちなみに私は、弟に小説を読んでもらって批評を受けました。

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