ライトノベル作法研究所
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  4. 推敲のしすぎは勢いを殺す公開日:2013/08/10

推敲のしすぎは勢いを殺す

 プロの小説家やライターは、推敲にはあまり時間をかけず、やるとしても1、2回で終わりにするそうです。
 初めは、ほんとうにそれで良いのか!? と耳を疑いました。
 でもこれには理由があるのです。

 プロの人たちは、原稿料をもらえなければご飯が食べられませんから、とにかく大量の文章を書く必要があります。そのために必要なのが『勢い』です。

 推敲を繰り返すと、この『勢い』が殺されてしまうというデメリットがあります。

 ぱっと閃いたネタは、その時にはおもしろいと思っても、次の日にはおもしろいと思わなくなっていることがあります。
 人間とは不思議なモノで、一日経って意識が切り替わると、ある対象に対して昨日までとは全く別の感情を抱くことがあります。
 旅先のお土産屋さんで見つけて買ったお菓子が、家に帰って家族と食べようとすると、あまり美味しそうには思えないことがありまえんか?
 でも、買おうとしたときには美味しそうに見えたことも事実なのです。
 これはどちらが正しいということではなく、その時の気分によって、見え方が変わってしまったにすぎません。

 だから、おもしろいと思うネタを閃いたら、勢いで一気に形にして見直さないという手法があります。
 見直すと、おもしろくないと思って消してしまうかもしれないからです。これでは、作品を形にすることができませんよね。

 こんな話があります。
 外国のエピソードですが、ある人が小説を書き上げたのだけれども、できが気に入らず、引き出しにしまってしまいました。
 それを何年か経って発見し、読み直したら、悪くないように思い、出版社に送りました。
 そしたら、出版が決まりベストセラーになったというのです。 

 自分がおもしろくないと感じても、逆に他人に評価される場合もあるのです。

 だから、プロの中にはあまり推敲をせずに、どんどんアイディアを形にしていく手法を取っている人もいます。
 もし、それが本当につまらなかったら編集者から待ったがかかるので、安心です。
 『たくさん書いてたくさん捨てる』戦略です。
 推敲に時間をかけすぎると完璧主義に陥り、いつまでも小説を完結できない、という事態に陥りやすいです。創作には『勢い』も必要なのです。

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