作中の地の文や、まとまりのあるセリフの中で、同じ意味の言葉を使う場合、言葉の統一をしましょう。
単語を異なる漢字やひらがなで表現したり、漢数字と算用数字を混用することを避けるのです。
●例1
× あの店のトンカツ定食は美味かった。ついでに、ソバも旨かった。
× あの店のトンカツ定食は美味かった。ついでに、ソバもうまかった。
○ あの店のトンカツ定食は美味かった。ついでに、ソバも美味かった。
この文章では『美味かった』という言葉が統一されておらず、チグハグな印象を与えます。
最初に『美味かった』という漢字表現を使ったら、その後に続く『うまい』も『美味い』に統一しましょう。
●例2
× 「この椅子はインテリアとしての価値も高いんだ。お父さんのイスを見る目は確かだぞ」
〇 「この椅子はインテリアとしての価値も高いんだ。お父さんの椅子を見る目は確かだぞ」
この文章も、『椅子』という言葉が、最初は漢字で書かれているのに、次は意味もなくカタカナになってしまっています。
これでは読者は違和感を感じてしまうので、この場合も最初に出てきた表現である『椅子』に統一しましょう。
ただし、なにかを強調したり、特定の効果を狙って、意図的に表現を変えるのはOKです。
例えば、作中で、『村』という言葉を使ったとしましょう。その後、
「道徳や公共性を過剰に押し付け、その基準に外れた者を排除する彼らの理想とする社会は、まるでかつての『ムラ』社会そのものだ」
というように『ムラ』という言葉を強調する目的で表現を変えるのは、一つの技巧となります。
●例3
× 3時に駅前で彼女と待ち合わせしていたのだが、到着したのは四時だった。
○ 3時に駅前で彼女と待ち合わせしていたのだが、到着したのは4時だった。
漢数字と算用数字を混ぜて使うと、統一性がなくなります。
数字を使う場合も、漢数字と算用数字、どちかに記述を合わせましょう。
また、縦書きでは漢数字を、横書きでは算用数字を使うのが一般的です。
ネット上に小説を発表するときは、横書きであるため算用数字の方が望ましいですが、新人賞などに応募する原稿の文章は、漢数字で統一しましょう。
だだし、この法則には例外があります。
固有名詞に数字が付く場合は漢数字を使うのが原則です。
●例外
1914年、サラエボ事件を契機に第一次世界大戦が始まった。
この文章では、算用数字と漢数字が混用されていますが、『第一次世界大戦』は固有名詞であるため、これで正解となります。
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