ライトノベル作法研究所
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  4. オタク道を極めよう公開日:2013/10/29

オタク道を極めよう

 ライトノベルとは、オタクによる10代のオタク向けの小説です。漫画、アニメの世界を小説で表現した物です。

 このため、ラノベを書くためには、誰よりも立派なオタクになる必要があります。
 オタクコンテンツというのは、元来、オタクがオタクのために作って売るものです。
 例えば、オタクの祭典である世界最大の同人誌即売会コミックマーケットで、高尚な文芸小説を発表しても、あまり売れないでしょう。それはオタクが求めている物とは違うからです。
 私はライトノベル作家、漫画家、ゲームクリエーター、オタクコンテンツ系の編集者などに会ってきましたが、彼らは例外なく非常に高度なオタクでした。
 とある編集者さんには、「うっぴーさんは勉強が足らないから、もっと漫画やアニメを見なさい」と諭されました。オタクコンテンツを作っている編集者にとって、漫画やアニメを見るのは趣味を兼ねた勉強なのです。

 ライトノベルを書きたいという人に中には、ラノベを一般文芸の下位互換としか認識しておらず、中高生向けにレベルを落として書けば、それでOKだろうと考えている人がいますが、これは間違いです。

 ライトノベルとはオタクコンテンツなので、誰よりもオタク道を極め、オタクの趣味嗜好にマッチした物を提供しないと、読者からソッポを向かれます。 

 2006年10月に美嘉のケータイ小説『恋空』がスターツ出版より刊行され140万部を超えるベストセラーとなりました。ケータイ小説とは、スマートフォン以前のガラケーで書かれた小説で、若い女性を主人公とした恋愛物が多く「一文一文が短い」「セリフ主体」「メールのような文体」で書かれていることが特徴です。
 ケータイ小説は2008年頃までブームとなっていましたが、小説とはとても言えない稚拙な内容であったため、出版関係者はなぜケータイ小説が売れるのか、当時まったく理解できませんでした。これはライトノベルファンも同様で、ラノベ系のサイトでも当時、ケータイ小説に対するバッシングめいた記事が立っていました。

 ケータイ小説が売れたのは、ヤンキー女性によるヤンキー女性のための小説だったからです。 

 ケータイ小説とは、ヤンキー文化と活字文化が融合した結果生まれた物で、その内容はヤンキー文化圏で生きている人には心に響く物でしたが、活字を嗜好する一般文芸、ライトノベルファンからはとても受け入れられない異文化だった訳です。

 日本には大きく分けて、一般人、オタク、ヤンキー、の3種類の人種がおり、それぞれまったく異なる文化、価値観の元で生きています。このいずれをターゲットにする場合でも、その文化を深く理解し、その文化圏で高く評価される質の高いコンテンツを発信しなくてはなりません。

 ラノベ読者は高尚な文学を求めているのではなく、質の高いオタク向けエンターテイメントを求めているのです。
 このため、ライトノベル作家を目指す人は、 

 ベストセラー(100万部以上の売り上げ)となったラノベには、とにかく目を通し、漫画、アニメの話題作は一通りチェックし、ゲームで遊びましょう。

 特に人気のあるラノベを読むことは重要です。
 人気作とは要するにライトノベルという分野における「最高品質の教材」です。
 人気作をたくさん読むことによって、ラノベ読者が求めている物、なにが人気を呼ぶのかを掴むことができます。

 ライトノベル新人賞の下読みさんによると、「読者ニーズ」を取り違えてしまう応募者が意外なほど多いそうです。応募者がおもしろいと感じる物と、多くのラノベ読者がおもしろいと感じる物の間に乖離があるのです。
 こういった初歩的なミスをしないためには、ラノベ読者が求めている物とは何なのか? 人気作から学びつつけることが大切です。

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