ライトノベル作法研究所
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  4. 作家のリスク公開日:2011/12/20

作家業で食べていこうとしてはいけない

 プロ作家になれば、印税がいっぱい入ってきて、有名になれて、お金持ちになれて、ウハウハ!
 というのは幻想です。

 本を一冊出したところで、売れなくて増刷がかからなければ、サラリーマンの平均月収程度(もしくは、それ以下)しか、お金はもらえません。出版不況という背景もあって、増刷というのは、なかなかされないのが実情です。
 売れない作家は使ってもらえないので、すぐに消えます。
 そうやって、多くの新人作家は一発屋として消えていくのです。

 作家というのは、ハイリスク、ローリタンの仕事です。

 あなたが、もし小説を書くのが好きなのであれば、無理にプロにならなくても、ネットや同人誌で小説を発表して楽しんでいた方が、良いかと思います。
 プロとアマの境界線は、作品発表の場の有無だけでなく、報酬の面でも近づいているので、無理に商業出版という魔界に足を踏み入れる必要は無いかも知れません。

 なにより、ネットや同人誌で作品を発表するのであれば、著作権などという頭の痛い問題に悩まされることもなく、のびのびと作品発表を楽しめます。

 商業出版は魔界です。過去には、魔界には金銀財宝がたくさん眠っていたかも知れませんが、現在は、先駆者の冒険者たちが、あらかた宝箱を持ち去ってしまったので、あまり残っていません。
 逆に、魔界のモンスターや罠は、年々凶悪さを増し、難易度マックスの糞ゲーと化しています。
 力のない者がパクリという裏技を使って、魔界に足を踏み入れると、狂った餓鬼に全身をむさぼり食われ、あっという間に冥界送りにされます。
 しかも、その魂は、財宝に目が眩んだ罪人として、永遠に地獄の業火に焼かれ続けるのです。

 あくまでプロを目指したい、という場合、運良くプロになれても、魔界で生き残っていくのは至極困難なので、作家業以外にメインの仕事を持ち、次の本が出せなくなっても大丈夫なようにしておきましょう。

 作家業は副業と呼ぶにも、かなり心許ない仕事です。
 一発逆転を狙って人生をかけるようなマネをしてはいけません。
 仕事から帰ってきて、趣味として執筆を楽しむ。うまくなったら、新人賞にも挑戦してみる。
 プロになっても、それは同じ。
 というのが、幸福に小説とつきあえる一番堅実な道です。

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