成長が止まるとき

頭が良い人というのは、死ぬまで頭が良い人でいられる訳ではありません。ひじょ〜〜に残念なことに、頭が良い状態を維持しようとしないと、ドンドン、愚かになっていきます。

自分の賢さを過信して努力を止め、人の話を聞かなくなると、それまでどんな功績を残していようと、頭が良い人とは言えませんよね。

昭和初期の物理学者・寺田寅彦は、こんな言葉を残しています。
「科学者は、たしかに頭が良くなくてはならない。が、そのいっぽう、科学者は頭が悪くなくてはならない、というのも真実である。頭の良い人とは、いわば、足の速い旅人のようなものだ。頭の力を過信するあまり、物事を簡単に見抜こうとしてしまうのだ。例えば、富士山が何であるかは、山頂に到達するプロセスを一歩一歩踏みしめてみないとわからない。だが、頭の良い人は、すそ野から山頂を眺めただけで、富士山の全体をとらえたのだと過信する」

さらに寺田寅彦は、自分の頭を過信する科学者は、自分の学説と自然界の現実が食い違った時、「これは、自然の方が間違っている」という傲慢な考え方をしかねないと指摘しています。


◇ 次へ
◇ 戻る

◇ 目次へ
◆ トップへ