カレーパンマンコスモスさん著作
ジャンル: ラブコメ、会話形式
『――はい、千倉です』
『――もしもし。沓名中学校二年七組の、武本可奈実です』
『あ、可奈実、あたしだよ!』
『え……あぁ、なんだ、杏子ちゃんだったんだ。お家の方かと思った』
『ひどいわね、親友なんだから声くらいわかってよ』
『ふふ、ごめんごめん。電話越しだからわからなかったよ』
『はいはい。……んで、なんの用?』
『あ、うん。えっと、連絡網なんだけど』
『へぇ、珍しい……というか、うちのクラスの連絡網が使われるのって初めてじゃない?』
『そうなのよね。先生から電話来たときびっくりしちゃった』
『あはは。んで、連絡の内容は?』
『えっとね……今日、内沢くんがインフルエンザに罹ったことがわかったらしいのよ』
『え、そうなの? ……それで?』
『今うちのクラス、内沢くん含めてインフルエンザ罹患者が十二人になるじゃない? だから――明日、二年七組は学級閉鎖でお休みになります』
『えっ、マジか!』
『うん。というわけで次の方にお伝えください』
『りょーかい。連絡網の紙は、うーんと……………………あったあった。あたしの次は菘か。……しっかし、やったね可奈実。休みだよ休み』
『うれしそうだね』
『そりゃうれしいでしょ。インフルで苦しんでる人には申し訳ないけどさ、正直あたしにとっては対岸の火事だもの。可奈実はうれしくないの?』
『授業がなくなったことはうれしいんだけどね……』
『どしたん、元気ないじゃん?』
『うん……。だって……渡せなくなっちゃったから』
『へ、渡せないって?』
『ほら……明日は二月十四日じゃない?』
『……、あぁ。……えっ、ていうか、ちょっと待って。渡せない、ってそもそも可奈実、あんた好きな人いたの?』
『………………うん』
『誰?』
『えっ、言わなきゃダメ?』
『ダメ。あたしたち親友でしょ』
『このタイミングでその台詞を使うかな?』
『こういうときくらいしか使い道ないでしょ。それで、誰なの、ようやく出会えたあんたの初恋の相手は。七組? それとも他クラス?』
『うぅ、それは、』
『もしかして……“王子”?』
『――――――――ッ!>#、ちっ&▽、違っ、ちがいましゅ!☆』
『“王子”なんだね』
『杏子ちゃん聞いて! 私は、』
『はいはい、わかったわかった。つまり、“王子”に本命チョコを進呈しようと思っていたけれど、事もあろうにバレンタインデー当日である明日が学級閉鎖になったから“王子”に会えなくなってへこんでいるわけね』
『いや、だから、』
『間違ってる?』
『うっ……間違ってません』
『ねぇ可奈実』
『はい』
『それって、“王子”をどこかにお呼び出しすれば解決するんじゃないの?』
『あのね杏子ちゃん、私にそうする勇気があると思う?』
『ないの?』
『ない』
『え、じゃあ学級閉鎖関係ないじゃん。学校あったとしても渡せないじゃんよ』
『いや、学校だったら下駄箱の中に忍ばせるなり、机の中に仕込んでおくなりできるじゃない?』
『え、そんな姑息極まりない手段を使おうとしてたの?』
『うん』
『却下』
『ええっ、なんでよ!? 漫画で読んだのに。バレンタインデーに男の子が朝学校に来て下駄箱を開けるときやたら溜めを作るシーンとか、前日に机の中の置き勉教材を全部出して空にしておくシーンとか……』
『あれはもらえないフラグでしょうよ。チョコは直接渡すに限る! というわけで可奈実。明日“王子”を呼び出して告れ!』
『無理、私にそんな度胸はない!』
『無理じゃない、あたしが保証する。可奈実は胸はないけど度胸はある!』
『なっ、おっぱいはちゃんとあるよ! あと少しでBだもん』
『ふーん、胸があるんなら度胸もあるよね、うん。なーに、“王子”に電話して、何時にどこどこに来てって言って、集合場所に行って、告って、チョコ渡すだけじゃん。かんたんかんたん』
『杏子ちゃん。だけ、って言葉の使い方がおかしい。というか私ファーストステップでつまづくんだけど。電話かける段階で詰むんだけど』
『あんたどんだけ引っ込み思案なんよ……。そんなんでよくチョコ渡そうなんて思ったもんだよ。鶏だってもうちょい根性見せるよ』
『チキン以下で悪かったなぁ!』
『…………あ、』
『どうかしたの?』
『ううん、なんでもない。ふふ、大丈夫、可奈実の恋はうまくいくよ。第一段階はクリアしたも同然だしね』
『ふぇ?』
『……ところで可奈実。あんた委員長だから他の人にも連絡回さないといけないんじゃないの?』
『あ、やばっ、そうだった! じゃあ、ごめん、そろそろ切るね』
『はいよー。じゃ頑張るんだぞ! ばいばーい』
『うん。ばいばーい』
◇
『――はい、砂塚でーす』
『――もしもし。沓名中二年七組の千倉杏子です』
『――お、杏子。ウチだよウチ』
『あ、なんだ菘か。ちょうどよかった』
『ん、なにかな、愛の告白?』
『残念。あたしは異性愛者』
『なんだー、つまんね』
『そうかしら。けっこういい知らせだけど。連絡網が回ってきたんだ。えっと、最近あたしらのクラスでインフル流行ってるじゃない?』
『うん。ん、まさか……!』
『そのまさかよ。インフルエンザ蔓延により、二年七組は明日、学級閉鎖でお、』
『いよっしゃぁぁぁぁッ!』
『、お休みにな――』
『ううぉぉぉぉっしゃあぁぁぁッ!』
『――お休みになります。菘、ちょっと落ち着こうか』
『これが落ち着いてなどいられるか! さぁ杏子もご一緒に、きゃっほほーーい!!』
『き、きゃ、きゃっほほーーい』
『やー、ノッてくれてありがとー』
『どういたしましてー。……喜ぶのはいいけど、ちゃんと次の人に連絡回しなさいよ』
『ふっ、任せなさい』
『なんか不安だなぁ。まぁ頼むわ。……そうそう、愛の告白といえば、』
『ん、なにかね?』
『えと、可奈実に好きな人ができました』
『は、マジで?』
『マジで』
『え、うそ、我らが七組の愛すべき委員長が、恋、ですと!?』
『しかも明日告ります』
『ひょーーーー!! お、お相手は誰じゃーー!』
『ほぼ確実に“王子”』
『なんと!? じゃあなになに、もしかすると、七組きっての癒し系二人がクラス内カップルになっちゃうかもってこと!?』
『そーゆーこと』
『くぅぅ……! なんだろねこの喪失感。まるで大事に育ててきた雛が巣立ってゆくのを見送る親鳥の心境……』
『そうねぇ。ちょうど可奈実はチキンだし。……っと、あたしそろそろ塾行かなきゃ。ごめん菘、もう切るね』
『わかった。じゃあねー』
『ん、ばいばーい』
◇
『――はい、宮し、』
『ろうほーう! 喜べ宮下! 明日は休みだってよぉぉ!!』
『――――――――――――あの、どちら様でしょうか……?』
『え……? あ、お母様でしたか。失礼しました』
『いえ……』
『…………』
『…………』
『えっと、沓名中二年七組の砂塚です。あのー、み……俊哉くんに代わってもらえますか?』
『あー、はい、ちょっと待ってね。……俊くーん、砂塚っていう変な子から電話きたんだけど――』
『………………………………………………………………………………………』
『――だからくん付けはやめてくれ母さん。――っと、聞かれちゃいねえだろうな。…………もしもし砂塚?』
『あ、もしもし。アイアム砂塚』
『砂塚、電話のときはディスイズだ』
『そうだったねー、俊くん。あはははは……』
『…………』
『…………』
『……あー、お互い聞き苦しいところをお聞かせしてしまったようで』
『えぇ、まったく』
『……』
『……』
『えっと砂塚、お互い何も聞かなかった方針で行こうか』
『うん、そうだね。平和万歳、ウチは賛成』
『よし、じゃこの話はもう無しで』
『うぃ、この話は終わり!』
『…………』
『…………』
『……で、なんか用か?』
『あ、うん。連絡網が回ってきたんだよ』
『へぇ。なんて?』
『えーと……、なんだっけ?』
『俺に聞かれても困るんだが』
『あー、うー、あ、思い出した。学級崩壊したから明日は学校休みだって』
『崩壊してんのはお前の脳みそだ』
『どうして?』
『それはこっちの台詞だ! どうして七組が学級崩壊してんの!? 今日まで平和だったじゃん! うちのクラスわりと仲良かったじゃん! この数時間の間に何があったんだよ、説明プリーズ!』
『ウ、ウチに聞かれても困るよー』
『なぁこれ連絡網だよなぁ、イタズラじゃないんだよな……?』
『違うよぉ、杏子から回ってきたんだよ』
『杏子? ……あぁ千倉か。で、千倉はお前になんて伝えたんだ?』
『覚えてない』
『思い出せポンコツ』
『ひどいなー。……あ、』
『どうした、なんか思い出したか?』
『枝毛みっけた』
『ハゲろ』
『ひどいなー。……あ、』
『今度は白髪とかじゃねえだろうな……?』
『たしか杏子が、インフルエンザがどうこうって言ってたような』
『インフル? ……なぁお前それ、学級崩壊じゃなくて学級閉鎖じゃねえの?』
『へ? それってどう違うの?』
『全ッ然ッ、違うだろうがッ!!』
『そうなの?』
『そうだよ!! お前今まで十四年間何を学んで来たんだよ!?』
『ウチまだ十三歳だよ』
『知るか誤差だボケェ! もうお前、誕生から全部やり直せ! あぁもうッ! ……こほん。とにかく、インフル流行で明日学級閉鎖、って伝えりゃいいんだな。わかった』
『うん? 頼むよー』
『はいはい。……てか、明日休みって……うわー、最悪じゃん』
『ほぇ、どしたの? 休みがなんかまずいん?』
『まずいもなにも、明日バレンタインデーじゃん。学校休みだったら女子からチョコもらえないじゃん』
『え、あぁ。……けど学校があってももらえるとはかぎらないよね』
『ぐっ。まぁそうだけど。義理なら十分可能性あるだろ』
『そんな心優しい女子いるかね?』
『いる!』
『誰さ?』
『委員長がいるだろ。去年委員長と同じクラスだった内沢からこの前聞いた話なんだけど、去年はクラス全員に手作りクッキーの包みを進呈したらしいぞ』
『へぇ、さすが委員長』
『下駄箱経由だったが』
『はは、さすが委員長』
『あぁ! 委員長マジ天使! チョー可愛いし』
『でも今年はどのみち義理チョコすらなかったと思うよ』
『は? なんでだよ?』
『委員長今好きな男いるらしいから』
『……えっ?』
『しかも明日告るんだってー。んふふ。本命男子にあげるチョコ作るのに必死だろうから、君たちモブの分はないだろうねー』
『そ、そんな、委員長は俺たちみんなのアイドルなのに……! だっ、誰だ、武本さんの心を独占した不届きな野郎は!?』
『“王子”』
『“王子”! そうか! そやつには二年七組全勢力を以って制裁を加、ごめん砂塚、もう一回言ってくれ』
『だーかーらー、“王子”だって』
『“王子”って、俺らのクラスの“王子”か……?』
『うん、我らが七組が誇る最強の天然キャラの“王子”だよ』
『そっか。そっかぁ。“王子”か。……なんか急に戦意なくなった。綿菓子みたいなやつだからなぁ。委員長があいつを選んだんならしゃーねーわ、これは七組全員で見守ってやらねえと』
『そうだねぇ。……っと、ウチ今から三分クッキングの録画見るから切るねー』
『お前が料理とか世も末だな。まぁいいや、んじゃな』
『じゃね』
◇
『――はい、もしゃもしゃ、應治です』
『――こんばんは。沓名中二年七組の宮下です』
『あ、宮下くんか。もしゃもしゃ。僕だよ』
『……“王子”か』
『もしゃもしゃ』
『……なぁ、なんか食ってんのか?』
『ミルクティー』
『どうやったら液体飲みながら咀嚼音を出せるんだよ……』
『やり方教えてあげよっか?』
『遠慮しとく』
『そう。それで、僕になにか用?』
『あぁ。うちのクラスの連絡網が回ってきたんだ』
『へえ。内容は?』
『えぇとだな、二年七組内でインフルエンザが流行しているので、明日は学級閉鎖だそうだ』
『そっか。つまり学級崩壊だね』
『ここにもいたよ学級閉鎖と学級崩壊がごっちゃにしてるポンコツ!』
『なに言ってるの宮下くん。その二つは類義語だよ?』
『違ぇよ! 百歩譲って字面は似てるかもしれねえけど意味はまったく別物だろうが!』
『そうだっけ?』
『そうだよ! ……ったく、委員長はこんなやつのどこに惚れたんだか』
『なんか言った?』
『なんでもない。……ときに“王子”』
『なんだい?』
『明日はなんの日か知ってるか?』
『んと、二月十四日でしょ。もちろん知ってるよ』
『お、そうか。さすがのお前でもこれくらいは常識として心得て――』
『僕の誕生日』
『ヘェソウナンダ』
『そうだよ』
『オメデトー』
『あは、ありがと』
『他には?』
『なんかあった?』
『なんかあるだろ』
『うーん…………あ、ひょっとして、カカオを多量含む茶色くて甘い板切れを、女子が打算を込めて異性に押し付け、自身を性欲の対象として相手に認識させられるかどうかで白黒付ける決戦が津々浦々で多々発生する日のことかな?』
『厭な言い方だなぁおい! まぁいい、そうだ、その日だ』
『さらに言うと、あまねく男子が朝下駄箱を開けるときに戦々恐々としたり、学校の教室にある男子の机の中身が一年のうちで一番すっきりする日だよね?』
『さらに歪んだなぁ!』
『で、それがどうかしたの?』
『いや、その……知ってるならいいんだ。なんというか…………あのよ“王子”』
『なにかな?』
『委員長のこと、よろしく頼むぞ』
『へ? なんのこと?』
『そのうちわかるさ。……俺そろそろ夕飯の買い物行くから切るわ』
『ん、わかった』
『じゃあな』
『じゃあね』
◇
『は、はい、武本です』
『――あ。沓名中学校二年七組の應治です』
『ひゃっ、お、おおお應治くん!?』
『武本さん? うん、僕だけど』
『――――ッ、どどどどうして私なんかに電話、』
『連絡網』
『えっ?』
『連絡網の第1グループの末端が僕だから、最後まで連絡届いたよっていう報告だよ。武本さんに折り返すのでよかったんだよね?』
『! うん、そうだったね! ――杏子ちゃんが言ってたのって、このことだったんだ……』
『あ、あとさ』
『なぁに?』
『宮下くんに、委員長のことを頼む、って言われたんだけど、なんのことかな? 武本さんはどういう意味かわかる?』
『えっ……わっ、ななななんで宮下くんがそんな………………あわわわわっ、なんてこと! 杏子ちゃんのばかぁ!!』
『大丈夫武本さん?』
『いやぁぁぁっ、だめ! 應治くん、宮下くんが言ったことは全部忘れてくださいお願いします!』
『ん? なんか気になるなぁ。……まぁいっか。じゃあ、用済んだからもう切るね。それじゃあ――』
『あっ、あの、ちょっと待って!』
『――ん? どうかしたの?』
『あのねっ、えっとね。ちょっと追加の連絡してもいいかな……?』
『追加? なんだい?』
『もしも明日、都合がよろしくてご迷惑じゃなかったら、えっと…………午後三時に、沓名駅前の噴水広場に来てくれませんか?』
『なにかするの?』
『そっ、それは……きっ来てからのお楽しみだから教えられないかなっ』
『ふぅん』
『だ、だめかな……?』
『ううん、いいよ』
『ほんとっ? ありがとう!』
『いえいえ。……あ、ちなみにこの連絡は、えぇと、さっきと逆の順に回していけばいいのかな?』
『わーっ、だめだめッ! これは絶対回しちゃだめッ!』
『どうして?』
『これは……その…………應治くん専用なの』
『それはどういう……?』
『つまり、他の人に知られちゃいけないことで…………私と應治くんだけの、秘密だから』
『……よくわからないけど、うん。わかった。秘密にしておくよ』
『はぁ、助かった。ありがとう』
『うん。それじゃあ……また明日、だね』
『だね、また明日。……絶対だよ?』
『ん、わかった』
『……じゃあ、ばいばい!』
『ばいばい』
初の試みです。
結末がものすごく物足りないですが、形式上これが私の限界でした。
見苦しいものですが、お付き合いいただければ幸いです。
2013年08月15日(木)15時57分 公開
拝読いたしましたので、感想を書きます。
スラスラーっと読んじゃいました。
会話だけで進んでいくのに、とても読みやすい文章でした。
連絡網っていうのも面白いなぁと感心しました。
段々と伝わっていって、最後に戻るまで、キャラも立っていて面白かったです。
砂塚はちょっとバカ過ぎるなって笑いましたが、王子も中々天然で笑いました。
委員長は一体どこが良かったのか……ミルクティーを咀嚼できるところだろうかなんて考えたら面白かったです。
面白かったしか言っていない毒にも薬にもならない感想で申し訳ないです。
会話文だけでこんなに、と思うほど大変良くまとまったお話だと感じました。
執筆お疲れ様でした。
ご拝読いただきありがとうございます。お話を知る人です。
僭越ながら感想を書かしていただきます。
まずはタイトル。
シンプルながらこの話がどんなものだか一瞬でわかるいい題だと思います。
題名で恋愛関係の話だと分かったから読んでみる。と言う人も少なくないんじゃないでしょうか?
次に内容について。
数行前に「どんなものだか分かる」と書いた気がしますが、連絡網での会話だけで構成されているとは考えつきませんでした。
私の想像の斜め上を行ってます。
二重かぎかっこが少々見にくいというのを除けば読みやすく、また会話も「学級崩壊」ネタを筆頭にどれも面白かったです。爆笑してしまいました。
そしてなにより”王子”の性格がとってもいいですね。男からも特別扱いされるのがよく分かるキャラで、非の打ち所がないと思います。
この子と可奈実さんではこの結末がわざとらしくなくて最善ではないかと。
感想は以上です。
個人的には途中に出てきた二人の話も見たいなぁとか思ったり。
拙い感想で申し訳ありません。お疲れ様でした。
こんにちわ~
面白かったです(o^∀^o)
学級崩壊、良い味でてました。
キャラも立ってましたね~。
会話がほのぼのしてました。
ただ途中で読むのに飽きてきてしまいました。
会話文だけだし、登場人物が多かった気がします。
(会話文だけのスタイルに、わたしも挑戦したことあるんですが、緩急つけるの難しいですよねぇ)
てっきりすごいオチがくるのかと思いましたが、普通にストレートでしたね。
それはそれで良いと思うんですけど、ある意味連絡網が伝言ゲームになって面白いことになるのもアリだと思いました。
恋絡網というタイトルはとっても良いと思いました。
以上、そんな感じでした~(^∀^)ノ
こんにちは。へべれけと申します。
御作『恋絡網』を拝読させていただきましたので、読了報告ならびに感想文などを少々。それではお目汚し失礼いたします。
■タイトル
『恋絡網』
これはいいタイトルでした。読む前からなんとなく展開が予想される感じ、かつそうであって欲しいという思いに駆られます。初見で「こいらくあみ?」と読んで新開発の漁法が登場するお話だと思ったのはいまではいい思い出です。
■ストーリー・構成
いわゆるところの対話編ですね。個々のパーソナリティが明瞭でとくに混乱することなく読了まで一気につるっといけました。連絡網という、馴染み深いはずなのに実は縁遠い存在を持ってきたことで、日常の一コマにユニークなファンタジー性みたいなものが付与されている気がします。
はじめは「話に尾ひれがつく」ようなコメディかと思ってました。ちょうど砂塚× 宮下あたりまで。しかしどうでしょう、主軸をぶらさず、しかしラストへの期待感をあおってくる感じなんか素敵じゃないですか。また『王子』という言葉のイメージがまるでミスリードのごとく作用しており、應治が登場したところでおもわず「こいつか!」と叫んでしまいました。や、いい子だと思います。
タイトルの項目でも挙げましたが、予定調和を望んでいるはずに、登場人物たちがそのことごとくを壊しながら、また最終的にはこちらの望むところへちゃんと落としてくれるという気持ちよさがありますね。
■総評
甘酸っぱいです。そして素敵でした。
表現方法として一発ネタ的なところはありますが、アイデアの勝利ですね。
「次のひとへ電話を回す」という絶対的なルールのなか、個々の主観が絶妙にずれているという面白さがありました。良作ありがとうございます。
p.s.
拙作へのコメントありがとうございました。なんせ数年ぶりに感想なんぞ頂戴しましたもので、興奮してちょっと寝付けませんでした。本当にうれしかったです。ありがとうございました。それから頂戴しました感想での気になるお話。気安く触れられる分際でもありませんが、応援してます。
それでは本当にこの辺で。
 ̄ω ̄)ノ へべれけでした。
こんにちは。拝読させていただきましたので感想を残していきます。
うーん、個人的には「ナシ」でした。
やっぱり凄く読みづらいんですよね。地の文がないから。
あと登場人物が多いのも読みづらさに一役買っているかのかなあと思いました。この形式が譲れないというのであれば、内容自体をもっとスッキリさせたほうがいいかもしれません。
これ、小説じゃなくて連作形式の四コマ漫画でやったほうが面白いのかも。漫画タイムみたいな雑誌にあるようなやつです。文字より絵のほうが伝わりやすいし、人物の表情とか色々表現出来ることの幅が広がりそうです。
そんな感じで。失礼しました。
・枡多部とあると申します。読ませていただきましたので感想を書かせてもらいます。
・タイトルが秀逸。そしてタイトルどおりの内容。いいセンスしてます。
・この作品のすごいところは会話文だけで小説として成立してる点。正直、驚きました。
・その分この小説は致命的な弱点を抱えています。
・この小説の登場人物は、アイドル『AKB48』の女の子たちにたとえることができます。
・その心は「名前は違うけど、どこか似たり寄ったり」。
・各人の個性が似たり寄ったりでメリハリがなく、登場人物は多いが誰か誰やらわかりにくいのが問題です。きちんと人物を書き分けられていたらもっと評価が上がったでしょう。登場人物にメリハリがないから作品にメリハリがつかず、評価が分かれていると考えられます。
・たとえばの話ですが、野郎からの電話とわかりいきなりガチャ切りする親父さんとか、娘のフリをして根掘り葉掘り個人情報を聞き出す母親とか、寝ぼけていて大事なとこを聞き逃すクラスメイトとか、そういう「濃い」人物をアクセントとして入れておけばずいぶん変わったのではないでしょうか。
・また、伝言ゲームの性質を生かして、最後の彼に伝わる内容が全く違う内容だったとか、そういうネタを仕込んだらよかったと思います。
・アイデアはよかったのですが、作者がアイデアで満足してしまった感が強いのが非常に残念な作品でした。
・私からの感想は以上です。それでは、ご縁があればまたお会いしましょう。
カレーパンマンコスモスさん、こんにちは。神咲ユイです。感想返しが遅くなってしまい申し訳ありません! 読ませて頂きましたので、少しだけ感想を述べさせて頂きます。
【構成】
こういう会話文だけの構成の作品は何度か拝見したことがあるのですが、この作品は連絡網による電話の会話という設定によって上手く成立しているように感じました。特に読みにくいことはなく、地の文が無くともそれほど違和感なく読むことができました。その点では、このアイデアは良かったと思います。
あとは描写が無い分、登場人物をどう描くかが鍵になってくるとは思いますが、主人公と「王子」に関しては、本人やその他の人の会話から人物像が浮かび上がってきていたので、キャラが見えやすかったです。
その一方で、「中継役」の友人たちはあくまで「中継」的になっているように感じました。この長さと内容で、主人公以外の登場人物に特徴を出すのはなかなか難しいとは思いますが、例えば「主人公→王子」という軸に付随して、友人たちの間でも繋がりみたいなものが見えるようにした方が良かったかもしれませんね。「学級崩壊」のネタ以外にも、そういう繋がりを組み込めば更に面白い作品になったと思います。
【ストーリー】
普通の形体の文章で読めば単純なストーリーではありますが、この構成に合っていたと思います。どちらかと言えば、ストーリー全体の軸というより、登場人物たちの会話の面白みで見せる作品のように思いました。
会話の内容やテンポが良かったので、詰まること無く楽しく読ませて頂きました。学校が中止になるワクワク感が軽快な雰囲気を生み出しているのかなと思いました。
短文ではありますが、この辺りで失礼します。あまり参考にならない意見で申し訳ありません。面白い作品でした!
こんばんは、カレーパンマンコスモスさん。表参道と言います、初めまして。
読ませていただいたので、感想を残しますね。
良かったです。会話文、しかも電話でのやり取りだけでここまで面白い話に持っていくのは地力の高さを感じました。
試みだそうですが、十分成功していると思います。
ただ、少しだけ残念だったのはキャラが被る部分がいくつかあった点です。すでに指摘されてるようですが、僕も気になったので、一応残しておきます。
ああそうか……應冶で王子なのか。今気づいて、少し興奮しました。
應に何か読み方があるもんだとばっかり……。
そう分かると、上手いですね。どうしても、雰囲気が王子だという先入観があるので、良い具合にミスリード出来ます。
それでは、失礼しました。
あまり役に立つ感想は書けてませんが……面白かったです。
こんにちは。樹思杏と申します。
本当に面白かったです。会話だけでこれだけ読ませる話を書けるなんて、すごいです。特に砂塚× 宮下のやりとりは笑えました。
どうやって決着つけるのかなと思っていたので、最後に連絡網が戻ってくるというアイデアに感心しました。
特にアドバイスもない感想ですが、とても面白かったのでそれを伝えたくて。
次回作も楽しみにしています。
読ませていただきました。
そして、会話の中でそれぞれの会話の個性が出ていておどろきました。加えて、ストーリーに少しずづ笑いの種が加えられてたので、うまいなあうまいなあと思いながら読みすすめていました。
細かいアイディアはどこからくるんでしょう、とおもいました。脱帽でーす。
読み返してもすごいのがわかるっていうねー。これはすごいでしょー。
カレーパンマンコスモスさん。初めまして、緑々豆と申します。
拝読させて頂いたので、感想を失礼します。
会話文だけの造りで、これだけ魅せられるということに感嘆致しました。
各個人のキャラクターが立っているために読みやすく、
また、共通する学生らしさも伝わってきて、さわやかな心地になりました。
他の方も仰る通り、タイトルから連想される描きたいものは余すことなく描けていると感じられます。
あと、学級崩壊ネタのような複数にまたがるネタが他にも用意出来たら、より魅力的になると思われました。
拙い感想失礼しました。執筆お疲れ様です。
はじめまして、遠野と申します。恋絡網、拝読しました。
まず会話文だけで作られていることに驚きました。こんな小説もあるんですね。
そしてその肝心の中身、会話が面白すぎです。腹がよじれるくらい笑った、というかよじれ過ぎて腹筋がまだ痛いです。砂塚がバカすぎる。このギャグセンスが羨ましいです。
しかも笑いだけかと思ったらそうでもなく、締めまで上手い構成でした。まさか委員長に戻るなんて……。連絡網の性質を生かしたアイデアの勝ちでしたね。
せっかくですし、このまま高得点入りしちゃいましょう。というわけではい、
50点ドーン笑
文字でここまで笑ったのは久しぶりでした。本当に面白かったです。
楽しい作品をありがとうございました。
んー、会話だけだと状況がさっぱり伝わりませんね。
面白いとは思いませんでした。
と、あまり言えないんですが、やめた方がいいこともありますんでお気をつけて。
カレーパンマンコスモス様、こんばんは。ご作品拝読致しました。
小説を書かぬ素人の意見ではございますが、残しておこうと思います。
では、感想を。
◆良い点
ラスト、連絡網が一周したシーン。
◆悪い点
この形式で書く意味が感じられない。
◆雑記
内容自体は素晴しいものでした。おもしろかったです。
インフルエンザによって学級閉鎖となり、それを連絡網でまわす。その業務連絡の間に彼女らの人間関係、青春らしい恋模様などが感じられ、とても読後感のよいものでした。
しかしこの形式が私には合いませんでした。
まずは読みにくいです。そもそも登場人物を把握していない私としては、新たな名前が出るたびに、誰のことなのだろうかと思ってしまいました。よく読めばなんとなくわかるのですが、理解しようと考えながら読むことになり少々疲れてしまいました。するするとは読めませんでした。
この作品形式は連絡網らしさを表現しているのだとは思うのですが、地の文を挟む通常の形式のほうが、やや冗長で不自然な、状況説明のための無駄に感じられるセリフも削れます。映像的な想像も容易ですし、通常の形式で書いてほしかった。
徒然なるままに、思った事、感じた事を書き連ねてしまいました。
作者様にとって必要な部分だけを、今後の糧として頂ければ幸いです。
拙い感想を失礼致しました。