第16回スニーカー大賞『最終選考作』
はじめてまして、空海と申します。こちらのサイトの記事は、ためになるものが多く、いつも参考にさせていただいております。
早速ですが、第16回スニーカー大賞において、私の作品が最終選考に残りました。当時は、白頭翁というペンネームで送った「宇宙人の夏」という作品です。
残念ながら、当時は受賞を逃したのですが、縁あって青松書院さんという出版社から、当時の作品を改稿した小説が出版できる運びとなりました。
Q1: 初めてライトノベルに出会ったのはいつですか?
中学一年生の頃。ちょうど学校で、朝の十分間読書が始まった頃です。友人が、読書用に持ってきた、魔術師オーフェンシリーズを借りて読んだのが、きっかけでした。
Q2: 初めて小説を書かれたのはいつですか? それはどのような作品でしたか?
たしか、中学二年生の終わり頃だったと思います。それまで、空想するのは好きでしたが、小説など全く読まなかったので、かなり苦労した覚えがあります。
内容は、たしか竜とか、魔法が出てくるべたべたの王道ファンタジーでした。
Q3: 作品はどのようなソフトを使って書かれていますか? あるいは手書きですか?
ネット上で公開されている無料ソフトVerticalEditorを使っています。
Q4: 作品の書き方で(例:クライマックスを先に書くなど)、自分なりの書き方がありますか?
私は、プロットを入念に作り込んでから書きます。最初から最後まで、プロットを作りこみ、小説を書くときも、最初から最後まで順番に書いていきます。
Q5: 初めて作品を新人賞に応募されたのはいつですか?
中学三年生。高校受験を控えた夏休みに、必死で書いていました。内容は、野球ものだったと思います。
Q6: スランプになった、もしくは作家になることを諦めようと思ったことはありますか?
なかなか良いストーリーが出来なかったり、自信のあった作品が新人賞で一次選考落ちしたりして、落ち込むことはありますが、作家になるのを諦めようと思ったことはありません。
もしも、挫けそうになった時は、あるCMを思い出すようにしています。それは、アミューズメントメディア総合学院が放送しているCMの最初に出てくる「あなたがいなければ、この世に生まれなかった物語がある」という台詞です。
どんな稚拙な物語でも、自分にしか書けない物語で、自分がいなければ、この作品はこの世に生まれなかったのだと思い、気力を奮い立たせています。
Q7: アマチュア時代に参考になった本はありますか?(ハウツー本など)
若桜木虔先生が書かれている小説指南書は、わかりやすく、ためになる内容が多いです。
あとは、大塚英二先生の「キャラクター小説の書き方」。どんな初心者でも、物語を最初から最後まで、書ききる方法が載っているので、初心者の方には、特にお勧めです。
ハウツー本は、大量に読むよりも、これだと思う一冊を見つけて、ともかく、その一冊に書いてあるとおりにするのが良いと思います。あれも、これもと読んで、意見を取り入れたり、自分のやり方とは違うと拒否したりすると、あまり意味がありません。納得できないような部分でも、素直に受け入れて、ともかく試してみるのが、一番早く成長できます。
Q8: 尊敬している作家さんはいますか?
川上稔先生、秋田禎信先生、高野和先生。この三人の作家先生の影響が、大きいと思います。特に、川上先生の影響が大きいようで、私の作品に登場人物が多い一因になっていると思います。
Q9: アマチュア時代にどのような方法で筆力を高めていきましたか?
ともかく、書いて書いて書きまくりました。言葉に詰まったら、簡単な言い回しでも、前後の文脈が繋がっていなくても、ともかく書き続けて、後で推敲ということを繰り返していました。
けれど、それだけではなかなか筆力が上がらないと気付き、好きな作家先生の文章を丸写ししたりしていました。
Q10: 執筆は、いつもどのような時間帯にされていますか?
平日は、空き時間や、夜、家に帰ってから。だいたい、午後9時以降です。休日は、ほぼ一日中、書いています。
Q11: 一日の執筆速度はどの位でしょうか? また、ノルマを作っていますか?
私は、あまり筆が早くないほうなので、一日中、書いても四百字詰め換算で十枚いくかどうかです。執筆速度を、いかに上げるかが、今後の課題だと思っています。
Q12: 一日にどれくらい執筆に時間をかけておられますか?
平日は、二、三時間。休日は、時間が許す限り、ですね。
Q13: どのような方法でプロットを作られていますか?
先ほども書きましたように、私はプロットを徹底的に作り込みます。
まず、あらすじを考え、どのくらいの章立て(何章構成にするか)を大まかに考えて、章ごとに書きたいシーン、書きたい台詞などを書き出していきます。この段階では、かなり大雑把に、物語の大枠を作ります。
その後、シーンを足したり、削ったり、入れ替えたりして、各章、各場面で何を書くかを完全に作り込みます。これは、物語の設計図であり、これを見れば、私以外の人間でも、同じ物語が書けるだろうというくらいまで、作り込みます。その後、小説を書き始めます。
実際に小説を書き始めるまでに、かなりの時間が掛かりますが、設計図が出来てしまえば、あとはプロットを追いながら、シーンごとに書いていくだけになるので、物語が破綻したり、最後まで書き上げられないということはありません。
また、書いている途中で足したいシーンや、直したほうがいい場所が出てくると、全体を書き上げた後に、推敲しながら修正していくようにしています。
Q14: 作品を書く上で何か大事にしている、または心に留めていることはありますか?
ライトノベルは、キャラクターが命です。これは、一般の小説でもそうです。ともかく、魅力的なキャラクターを書けるかどうかで、その物語が面白くなるかどうか、半分以上が決まります。
私は最初、これがわからず、ストーリーばかりを作りこんで、なかなか結果が出ないという悪循環に陥っていました。今では、魅力的なキャラクターを考えてから、そのキャラクターが生きるストーリーを考えるように心掛けています。
もし、どうしても魅力的なキャラクターが思いつかない場合は、自分が好きな小説なり、アニメなりのキャラクターを、パクるようにしています。ただし、そのまま使ったら盗作になるので、ストーリーを変えたり、キャラクターの性別を変えたり、物語内での立ち位置を変えたりして登場させています。
Q15: 「売れるものを書くべきか」、「書きたいものを書くべきか」、答え辛い質問ではありますが 、もし良ければ意見を聞かせていただけませんか?
これは、私の意見ですが『読者が読みたいものを書くべき』です。
自分の書きたいものでなければ、モチベーションを保てません。売れるものでなければ、作家としては生きていけません。この二つを両立させるのが、職業作家だと私は思います。
まず、自分がどんな物語を読みたいか考え、それをどうやったら、より多くの人に楽しんでもらえるかを考える。新人賞に応募するつもりならば、常に、自分以外の誰かに読まれるのだということを意識して作品を書かないといけません。
できれば、プロット以前のアイディアの段階で、誰かから意見を聞き、面白いかどうか、判断してもらうのが良いと思います。
Q16: プロになれた理由を、ご自分ではどうお考えですか?
プロと言っても、私は小さな出版社から、本を一冊出しただけです。今後、作家としての仕事が入ってくるのかもわかりません。ですが、やはり粘り強く続けてきたことが、本を出版できた理由だと思います。
Q17: プロになって一番嬉しかったことは何ですか?
やはり、自分の本が形となって手元に届いた時です。
Q18: 青松書院の編集者とはどのように知り合ったのですか? 最終選考に残った実績を元に出版社に持ち込みをしたのでしょうか?
私の場合は、ちょっとデビューの仕方が特殊です。
まず、私は数年前、若桜木虔先生がネット上で主催されている、小説添削講座の生徒になりました。そこで自分の作品を添削してもらい、小説賞に応募していました。
青松書院は、若桜木先生が立ち上げられた出版社で、先生の作品や、私と同じ先生のお弟子さんの作品を、主に出版しています。ホームページを見ていただければ、様々な小説賞に応募し、受賞とはならなかったけれど、先生が面白いと認めた作品が、紹介されています。
私が、応募作が最終選考で落選したと伝えたところ、先生から、では青松書院で出版しないかというお話を頂き、現在に至っています。
Q19: 最後に、これから空海一筆さんに続け!と頑張っている方達にアドバイスをいただけませんか?
なかなか結果が出ずに苦しんでいる方も、多いと思います。かく言う私自身もそうです。今回、作品を出版できましたが、今後も作家として仕事が出来るかはわかりません。
ですが、書き続けないことには、結果の出しようがありません。
小説を書くという作業は、自己肯定と自己否定の繰り返しです。おそらく、否定のほうが多いと思います。それでも、書き続けていれば、何かは得られます。諦めなければ、一歩一歩でも前進できます。
諦めず、これからも書き続けてください。