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不況によって放置されたそこは不法滞在者や犯罪者が棲む無法都市と化していた

バウワウ!―Two Dog Night


 ○読者投票結果
 最高です!一押し。 20
 おもしろいです! 12
 なかなか良いです。 2
 ふつうです。 1
 イマイチです。 0
 おもしろくないです。 0
 買うと損します。 0

ジャンル現代ファンタジー
著者成田 良悟
出版社:電撃文庫
発行年月:2003年12月
本体価格 590円 (税込 619 円)
蒼光さん一押し!(男性・18歳)

■ 解説                               

 佐渡と新潟の間に架けられた世界で一番巨大な橋。
 その中央にそびえる名前がつけられる事のなかった人工島――
 不況によって放置されたそこは不法滞在者や犯罪者が棲む九龍城さながらの無法都市と化していた。
 その島を二人の男が訪れる。
 気弱で大人しい少年・狗木誠一は、幼馴染みの少女と冒険気分で。
 重要指名手配犯・戊井隼人は惹きつけられるように。
 そして彼らは、社会から隔絶された無法地帯で全く違う道を歩み始める。
 だがその姿は、鏡に映る己を吼える犬のようでもあった―。


■ この作品について、熱く語ってください!            

 「バウワウ!」「Mew Mew!」「がるぐる!」の3つがある、通称「越佐大橋シリーズ」の1作目です。

 日本にて作られた、九龍城の如き無法地帯が舞台。日本の本土はあまり出てきません。
 舞台は閉鎖的で、殺人事件も珍しくはない。
 そんな場所に住み着く人間達は、誰もが「ワケ有り」。
 しかしそれだけに、島に集まった「ワケ有り」な人々が織り成す物語は一筋縄ではいきません。
 
 この「バウワウ!」は、そんな人々の中でも、
 飼犬、狂犬、番犬という3匹の犬達(人物の比喩です。念のため)がメインで進んでいきます。

 成田さんが書くキャラクターはどこかしら狂っていることが多いですが、この作品も例外ではありません。
 頭のネジが吹っ飛んだような奴らですから、そいつらが動かす物語は当然面白くなります。


 また、群像劇なので、その中の誰が主人公かという問いには答えづらい。
 強いて言うなら、それはこの『島』自体でしょう。
 「がるぐる!」でも作中でも言われていることです。

 この『島』という舞台1つとってもそうですし、全体に漂うB級感(誉め言葉)がたまりません。
 魔法や超能力などの超常現象は一切ありませんが、
 『島』に生きる人間達の生き様は見る価値ありです。


 一応、この巻だけできちんと完結しています。


■ お気に入りのキャラはいますか? どんなところが好きですか?  

 葛原宗司。
 作中でも1,2を争う強者。
 過去に深い傷を残しており、それが島の治安を守ろうとする理由というところが悲しい。
 また本人は認めないでしょうが、もう、やることなすこと全てがカッコいいのです。
 特撮ヒーローの如き立ち回りで活躍してくれます。


■ この作品の欠点、残念なところはどこですか?          

 正直、見当たりません。

 強いて言うなら、萌え要素がほとんど無い事ですかね(この巻はそれがいいのですが……)
 一応、「Mew Mew!」以降は女性キャラも大勢登場します。



■ あなたはこの作品についてどう思いますか?(読者投票)     

最高です!一押し。
おもしろいです!オススメします。
なかなか良いと思います。
ふつうです。
イマイチです。
おもしろくないです。
買うと損します。


-Mini Vote-
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問答無用、凶悪無比のデッド&ポップなデス・ゲーム小説!

バトル・ロワイアル


 ○読者投票結果
 最高です!一押し。 47
 おもしろいです! 11
 なかなか良いです。 2
 ふつうです。 3
 イマイチです。 4
 おもしろくないです。 1
 買うと損します。 5

ジャンル現代ファンタジー
著者高見 広春
出版社:太田出版
発行年月:1999年04月
本体価格 1,480円 (税込 1,554 円)
ランドさん(男性・14歳) サクラさん(女性)一押し!

■ 解説                               

 西暦1997年、東洋の全体主義国家、大東亜共和国。
 この国では毎年、全国の中学3年生を対象に任意の50クラスを選び、
 国防上必要な戦闘シミュレーションと称する殺人ゲーム、“プログラム”を行なっていた。
 ゲームはクラスごとに実施、生徒たちは与えられた武器で互いに殺し合い、
 最後に残った一人だけは家に帰ることができる。

 香川県城岩町立城岩中学校3年B組の七原秋也ら生徒42人は、
 夜のうちに修学旅行のバスごと政府に拉致され、高松市沖の小さな島に連行された。
 催眠ガスによる眠りから覚めた秋也たちに、
 坂持金八と名乗る政府の役人が、“プログラム”の開始を告げる。
 ゲームの中に投げ込まれた少年、少女たちは、さまざまに行動する。
 殺す者、殺せない者、自殺をはかる者、狂う者。仲間をつくる者、孤独になる者。
 信じることができない者、なお信じようとする者。愛する気持ちと不信の交錯、そして流血……。
 ギリギリの状況における少年、少女たちの絶望的な青春を描いた問答無用、
 凶悪無比のデッド&ポップなデス・ゲーム小説!


■ ランドさんの書評                       

 誰が生き残るのか? スリル満点のサバイバルゲーム。
 ……そんな言葉ではとてもじゃないけど表せません。
 
 この物語は誰が生き残るかじゃなく、どうやって生き残るかを観点としているように思います。

 昨日まで机を並べていたクラスメイトとの殺し合い。
 それは悲しみとも苦しみともなんともいえない思いを与えてくれます。
 胸が抉れる様な思いをしたいのなら、御一読をお勧めします。

 信じようとすることは、どんなことなのか。
 自分の命を危険にさらしてまで、人を信じることが出来るのか。


 これは美談ではありません。そのため、人を信じない人だって居ます。
 ありがちなストーリーのように主人公だからといってむやみに人を信じたりはしません。
 人を疑ってしまうし、殺してもしまいます。
 
 それが何よりも現実味があり、重大なテーマを訴えているように思えます。
 すでに書かれてますが、とにかく命について考えさせられる本です。



お気に入りのキャラはいますか? どんなところが好きですか?
 桐山和雄。
 彼は途中から殺人マシーンとなってしまうんですが、彼が人を殺していく姿が、見ていて痛々しいです。
 敵役とされているんですが、とてもそんな言葉では表せないほどの感情を感じました。

 彼だけじゃないです。とても此処には書けないほどのキャラがいて、それだけのよさがあります。


この作品の欠点、残念なところはどこですか?
 残酷描写が目立ちます。
 最初の頃は人が次々と死んでいく状況に、嫌悪を感じるかもしれません。

 
 しかし、それでも読むべきだと思います。



■ サクラさんの書評                       

 私は、こんなに素晴らしい小説に出会えて幸せです。

 「BATTLE ROYALE」・・バトルロワイヤル。
 中学生3年生対象の「プログラム」
 それは全国からランダムで選ばれた1クラスが、
 最後の一人になるまで戦い抜くサバイバルゲーム。

 どうしてこんな最悪のゲームが国の法律として決定されているのか?
 どうしてクラスメイト同士殺しあうことができるのか?

 読めば全てが納得いきます。


 ―やらなきゃやられる
 そんな心理状態のクラスメイト。軍に支給された武器。

 ―最後の一人になれば、皆殺せば、自分は帰ることができる。

 ―どうして皆、殺しあうことができるの? おかしいよ。つい昨日まで笑い合ってたのに。

 人をあやめるもの、
 自ら命を絶つもの、
 ゲームをぶち壊そうとするもの、
 人を信じられなくなる者、
 それでもなお信じようとする者・・


 最初は名前覚えるのが大変でも、一人一人の性格が違い、過去設定もさまざま。



 命について、深く考えさせられるお話。


お気に入りのキャラはいますか? どんなところが好きですか?
 たくさんいます!
 クラスメイトをたくさん殺す人の心理にも共感できますし、
 脱走を図る人も素敵で、
 人を守る者もいます・・!

 どうして私はもっとこの作品に早く出会わなかったのでしょう?

 映画を見てからこの小説をよんで、映画よりはるかに素晴らしいです。
 さきにこっちを見ておけばよかったかもしれません・・


この作品の欠点、残念なところはどこですか?
 これといってないです。
 残念なのは、もっと番外編や外伝をだしてほしいです。



■ あなたはこの作品についてどう思いますか?(読者投票)     

最高です!一押し。
おもしろいです!オススメします。
なかなか良いと思います。
ふつうです。
イマイチです。
おもしろくないです。
買うと損します。


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