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それは骨の軋む幽(しず)かな夜。花開くような、美しい命の音。

DDD


 ○読者投票結果
 最高です!一押し。 195
 おもしろいです! 31
 なかなか良いです。 7
 ふつうです。 4
 イマイチです。 2
 おもしろくないです。 0
 買うと損します。 4

ジャンルアクション・バイオレンス
著者 奈須 きのこ
出版社:講談社BOX(講談社)
発行年月: 2007年01月
本体価格 1,300円 (税込 1,365 円)
煉姫さん(男性) めたさん(男性・18歳) ShouSheepさん(男性・16歳)一押し!

■ 解説                               
 
 それは骨の軋む幽(しず)かな夜。花開くような、美しい命の音。
 ――Decoration Disorder Disconnection

 感染者の精神だけでなく肉体をも変貌させる奇病、A(アゴニスト)異常症患者――
 俗に言う“悪魔憑き”が蔓延(はびこ)る世界。
 左腕を失った男、石杖所在(アリカ)と、漆黒の義手義足を纏い、
 天蓋付きのベッドで微睡(まどろ)む迦遼海江の2人が繰り広げる奇妙な“悪魔祓い”とは――!?
 “日常”と“非日常”が溶け合う“たった今”の世界を“奈須きのこ”という稀代の才能が描破する!

 衝撃の“新伝綺”最新章!物語は境界の“向こう側”へ!


■ 煉姫さんの書評                       

 精神の崩壊。それによって訪れる変異。
 当初は自分の書こうとしていた物語と題材が似ているということから、
 興味本位で手を出した作品でしたが、レベルが違います。流石はきのこ様。

 主人公・石杖所在の軽妙ともとれる一人称形も親しみやすく、個人的にさらりと読めました。

 キャラクターは全員魅力的で、そんなキャラクター達によって織りなされる日常会話等も素敵ですね。

 そしてなんといっても構成力でしょうか。
 読めば読むほど。ページを捲れば捲るほど引き込まれる『引力を持った作品』です。

 自信を持って傑作だと人にオススメできる作品です。


お気に入りのキャラはいますか? どんなところが好きですか?
 なんといっても主人公の妹・石杖火鉈ですね。
 どこか掴みどころのない性格で、
 もう彼女の台詞を読んでいると『可憐』の二文字しか浮かんできません。
 
 後はやはりカイエですね。
 男にしておくには本当にもったいないほど、彼も可愛らしいのですよ。


この作品の欠点、残念なところはどこですか?
 強いて言うなら序盤が少しとっつきにくいところですかね。

 けれど、中盤以降、驚くほどに化けるので気にはなりませんね。



■ めたさんの書評                       

 もはやライトノベルに分類して良いものか……マジですごい。
 奈須きのこさんは読みなれていないと難解でしかないですが、ファンの人にはまた戦慄ものです。
 未だに昂奮さめやらず、その勢いで書き綴っております。
 
 A(アゴニスト)異常症――通称悪魔憑きがはびこる世の中で生きる人々の話。
 グロテスクさは『空の境界』より二割増しといったところ。
 ファンタジーでも良かったのですが、むしろホラーのような気も。いずれにしても最強です。
 
 相変わらず文章ならではの伏線の張り方、多重構造のストーリー運びは顕在です。
 ギャルゲー出身だけあって女の子も総じて可愛い。
キャラはあとで語りますが。
 
 ちなみにこれで終わりではなく思いっきり続き物です。
 一巻でも解消されない伏線が山のようにあるので、気をつけましょう。
 何回も読むと、奈須ワールドの深さに圧倒されるかと思います。

 じっくり、熟成するように、日を置いて何度も。
 これがDDDに限らず、奈須ワールドの楽しみ方です。



お気に入りのキャラはいますか? どんなところが好きですか?
 まずは主人公アリカ(男です)の妹さん。
 ネタバレになってしまいますがとても可愛らしい。
 イラストでは血まみれドレスを着飾っていますが。
 もちろんこれから後もお兄さんと血生臭い交流をし続けることでしょう。

 次にアリカの後輩のツラヌイ。
 一見普通だけど一癖も二癖もありそうな(ないかもしんない)キャラが大好きです。
 話の筋ではどちらかというと脇役っぽい人。だからこそ癒しのオアシスか。

 アリカの上司トマトさん……もといマトさんもすごいです。
 どうすごいか言うとネタバレになってしまうのが超絶残念。
 とりあえずトマトさんと呼んではいけません。

 最後に表紙の麗人カイエ。こいつに失望した読者は多いはず(自分も含めて)。
 最大の味方な気もするが、ラスボスであるような気もしないでもない。
 いずれにしてもその胡散臭さが最高(笑)


この作品の欠点、残念なところはどこですか?
 とっつきにくいっ(笑)! 

 奈須さんファンならともかく、
 初見の読者が開いて惹かれるような構造には出来上がっておりません。
 (構造ですよ皆さん構造! DDDは構造が命ですよ!)

 ワインのように熟成して読むべきものなので、玄人好みなのが欠点かなーと。
 もっとライトな読者もひきつける話を書いてくれないかなあ。無理だろうなあ(笑)



■ ShouSheepさんの書評                    

 この小説は、奈須きのこ様の第二作目の商業誌です。

 何といっても、人の滑稽さや醜さをコミカルに又は、
 ホラーチックに描く奈須氏の技術の高さは感服いたします。

 
 また、奈須琉の視点や時点の変化は、この作品にも健在しています。
 肌に合う合わないの意見が極地されると思いますが、我輩はお勧めします。
 

お気に入りのキャラはいますか? どんなところが好きですか?
 地下室の悪魔(←一応人間ですよ。かなり、悪魔ぽいですが) 
 迦療 海江(かりょう かいえ)くんです。

 メチャメチャ可愛いのに男っていう設定とか、強い者なのに一人では生きていけない事てすかね。
 まぁ、我輩の心をプチ抜いたのは、彼の怪しい微笑みですがね……。


この作品の欠点、残念なところはどこですか?
 強いてあげるなら、前半は視点移動と時点移動が連発したため、
 世界観に入りずらかった事くらいです。
 その他は、かなり完成度の高い傑作だと思います。




■ 一言感想コメント                       

・SFやファンタジーの作家さんがアタマを悩ますであろう『特殊能力の開花する原理』を現代病として扱うアイデアと、その設定を存分に活かしきる描写力・構成力。そして軽妙な一人称による読みやすさが、この『DDD』の魅力であると思います。


■ あなたはこの作品についてどう思いますか?(読者投票)     

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