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T.Kさん(男性) 魔軍一意さん(男性・29歳) ディンゴさん(男性・21歳)一押し!
どんなに時代が進んでも、この世から「いじめられっ子」は無くならない。
デブな中学生・ハルユキもその一人だった。
彼が唯一心を安らげる時間は、
学内ローカルネットに設置されたスカッシュゲームをプレイしているときだけ。
仮想の自分を使って“速さ”を競うその地味なゲームが、ハルユキは好きだった。
季節は秋。相変わらずの日常を過ごしていたハルユキだが、
校内一の美貌と気品を持つ少女“黒雪姫”との出会いによって、彼の人生は一変する。
少女が転送してきた謎のソフトウェアを介し、ハルユキは“加速世界”の存在を知る。
それは、中学内格差の最底辺である彼が、姫を護る騎士“バーストリンカー”となった瞬間だった。
ウェブ上でカリスマ的人気を誇る作家が、ついに電撃大賞「大賞」受賞しデビュー!
実力派が描く未来系青春エンタテイメント登場。
私たちの世界よりも、科学技術が発達した近未来の世界。
ここでは、「ニューロリンカー」と呼ばれる、装着者の脳と無線で接続することで、あらゆる五感をサポートする電子端末が存在し、限りなくリアルな仮想空間に人間の意識をダイブさせられるようになった時代となっていた。
中学生「有田 春雪」(通称ハルユキ)は太った体形のいじめられっこで、
自分の「現実」に強いコンプレックスを持ち、仮想空間の中でゲームに熱中することで、そんな「現実」から逃避しつつあった。
そんなある日、学校の仮想空間内で、学校のアイドル的存在の女子生徒、通称「黒雪姫」から
「もっと先に… 『加速』したくは無いか… 少年」
という、謎めいた言葉をかけられます。
その後、現実で彼女と会ったハルユキのニューロリンカーに彼女は謎のプログラムを送信し、
「それを受け入れれば、今の君の現実は完膚なきまでに破壊され、思いもよらない形に再構成される」
と告げます。
自分の「現実」に強い不満を持っていたハルユキはすぐにそのプログラムを自分のニューロリンカーに受け入れます。
そして、ハルユキの日常は、謎のプログラム「ブレインバースト」をめぐる戦いに巻き込まれていくことに…
「加速」と「現実」 これがこの作品のキーワードですね。
謎のプログラム「ブレインバースト」を得た人間は、コマンドを唱えることで、ニューロリンカーを通じて一時的にですが自分の思考を1000倍に「加速」するという能力を身につけます。意識を「加速」している本人から見ると、まるでその間、あらゆる人や物の動きが止まったように体験することができ、まるで時を止めたかのように、普通の人間ではできないような動きなどを可能にするというすごいもので、テストでのカンニングや、反射神経が問われるようなスポーツ、ケンカなどで余裕でボロ勝ちすることも容易です。
ただし、この「加速」は無制限にできるわけではありません。
プレイヤーには「バーストポイント」と呼ばれる「加速」できる回数が決められており、「加速」を使用すればするほどその回数は減っていきます。
そしてもし、ポイントがゼロになってしまうとなんと、ブレインバーストプログラムそのものが自動的に消去され、二度とその人は「加速」できなくなってしまいます。
では、どうやってポイントを増やせばよいか?
ここからが、この作品のメインとなってくる重要な部分です。
ポイントを得る方法、それはただ一つ。
ブレインバーストプログラムを持つもの同士による、「対戦」に勝つことです。
ブレインバーストのもう一つの顔。
それは、ブレインバーストとは、ブレインバースト保持者、通称「バーストリンカー」同士が「加速世界」において戦う、「対戦格闘ゲーム」であるということです。
「ただの格ゲーか」と、思うなかれ!!
我々の世界の、テレビ画像を見ながら手元のリモコンでピコピコやる格ゲーとはわけが違います。
対戦は「加速」状態で、「現実」の世界を限りなくリアルに、道端に落ちている小石一個まで見事に再現された仮想空間、(ゲーム的なフィールドのアレンジ、ギミックを追加の上で)の中で行われニューロリンカーによってゲームフィールドで起こる五感はすべて伝わり、実際にゲームの世界に入っているとしか思えないほどです。
しかも、この世界でも本来違法とされる「痛覚遮断」を行っていいないので、もしダメージを受けてしまうと、その痛みや苦しみまで「現実」に味わうという、まさにゲームであって、遊びではない。という、命がけの戦いなのです。
また、「対戦」の際、プレイヤーの姿は「デュエル アバター」と呼ばれる対戦専用の分身体のような姿に変身し戦います。
このアバターってのが、主人公のものをはじめ、アメコミのヒーローっぽいかっこいいのが多くて、自分がこの作品を好きな部分の一つなのですが、非常に重要なのがこのアバターの姿というのが、単純なヒーロー像、理想像などではなく、ブレインバーストプログラムがその人の脳にアクセスし、読み取った、強迫観念、欲望、トラウマなどの劣等感の部分を分析してそれを元に姿、能力を作られた、いわば「心の傷」とでも言うべき存在だということです。
それゆえに、ストーリーの中ではゲームを通じて、出てくるキャラたちの「現実」で抱える「心の傷」そして、その人たちが抱える過去、強い思い、悩み、願い、が明らかとなっていきます。
そして、いかにして「心の傷」を乗り越えるかと言う成長や、それを知ることで生まれる絆など、といったように物語に深みを加えてくれるのが非常に良いですね。
お気に入りのキャラはいますか? どんなところが好きですか?
やっぱり黒雪姫でしょうか?
普段は年齢以上に大人びた雰囲気で、バーストリンカーとしても最強クラスの一人なのですが、時折見せる女の子らしいとこ、精神的にか弱い面をハルユキに見せるところのギャップがいいですね。
ラノベらしからぬ硬い文体と圧倒的な情報量。底知れない拡がりを想像させる世界観。
それらを理路整然と書き連ね、しかも情報提示のタイミングが的確な為、とても読みやすい文章となっています。
例えるなら『ドラ〇エ』の呪文の覚え方と、それに付随する冒険のテンポの良さでしょうか。
いくつか例を挙げてみましょう。
竜王〇城(I)の攻略と竜〇との戦いでは、ここに来るときに覚えた『ベホ〇ミ』が勝負の鍵となり、ムー〇ペタ(II)とカ〇ーブ周辺(III)でレベル上げをする際には『ラ〇ホー』と『マ〇ーサ』を覚え、ネク〇ゴンドの洞窟に挑む頃には、魔法使いが覚えた『ベギ〇ゴン』と『マ〇ャド』がト〇ルのHPをごっそりと削れば、やや! バラ〇スとの戦いでは、僧侶の『フ〇ーハ』と『ベ〇マラー』がきっと役に立つでしょう。
……ちょっと『ド〇クエ』の話をしすぎた感がありますが、それだけ『アクセル・ワールド』の読みやすさは『ド〇クエ』に通じるものを感じさせます(ジャンルは違いますが)。
お気に入りのキャラはいますか? どんなところが好きですか?
横文字を巧みに使って話す(笑)、メガクールなバーストリンカー『アッシュ・ローラー』です。
しかもリアルでの正体が(あ。ここからネタバレです)、虫も殺せなそうな中学生の女の子というギャップが、さらなるキャラ立ちを演出しています(とはいえ、この辺はまだ色々と不確定要素があって、それは今後のお楽しみです)。
もうひとりは『黒雪姫』です。
『黒雪姫』という名前とか凛々しい容姿に喋り方とか黒髪黒ストッキングとかステキ属性がてんこ盛り過ぎです!
この作品の欠点、残念なところはどこですか?
ありません。ですが、重箱の隅を髪の毛先で穿るように『アクセル・ワールド』の『・』をこちょこちょしてみると……あ、出てきました。
どの巻も説明過多・情報過多な上に改行が少なく、当たり前のように三百ページオーバー(一巻と七巻を除く)。一般ゲームとオンラインゲームの、それなりの知識が必要。
これらの特徴のため、ラノベを読み慣れない方や、テレビゲームをまったく遊んだことのない方には本の厚みで読むのを躊躇われ、面白さを汲み取ることが難しいと思われます。
いじめられっ子の中学生が、学校内のローカルネットで、カリスマ的人気を誇る女子生徒と出会った時、彼は幻の【翼】を手に入れる。
電撃小説大賞<大賞>受賞作!
それを聞き思わず手に取ってみたら……
やっぱり大賞受賞は伊達じゃないってぐらいに面白い!
主人公が不器用ながらもあれこれ四苦八苦する姿にはハラハラするし、それでも真剣に何かを成し遂げようと行動する姿には声援を送りたくなるし、勝利を手にした時には一緒に喜びたくなる。
久々に、主人公に感情移入しまくれました。
シリアスあり、バトルあり、ニンマリもあり、そしてラブもある。
わりといろいろ網羅しているにも関わらず、しっかり纏まってて、すごく読みやすくて面白いです。
お気に入りのキャラはいますか? どんなところが好きですか?
主人公・有田春雪。
デブで奥手で、ネガティブな所もあるけど、中盤以降、悩みながらも熱く信念を貫く姿には感動しました。
がんばれ! 動けるデブ!
メインヒロイン・黒雪姫。
本名不明(笑)と言うか、次回作で明かされると思われる。
クールで行動派だけど、それに似合わず実は案外照れ屋な一面も……そのギャップがいい。
この作品の欠点、残念なところはどこですか?
ストーリーや描写に対して物言える身分ではないので……
と言うのは嘘で、ほとんどないように思えます。
ただ唯一、黒雪姫のイメージが、某週刊誌で連載していた某錬金術マンガのバトルヒロインに若干似てるかな……ぐらいでしょうか。
性格面、果ては本名を名乗るくだりが、マンガの第一話と重なってしまう部分も。
もっとも、そのマンガを知らなければ、新鮮なシーンにはなっていると思います。
期待度も高いですね。
・冴えないデブを主役に持ってきたところを買う。ゲームの設定も面白い。ただ、主役二人の関係が共感できないのが惜しい。SAOといい、キャラは良いのに、男女カップルの表現の仕方が表面的でもったいない感じです。
2012/11/02
・アニメで明らかになったことしか知らない分際で失礼なのですが、設定や、展開の作りこみが少し残念な感じがします。
具体的には、都合的な展開が見られるところです。
作中のフィジカル・フル・バーストでは、通常より百倍の速度で動いた黒雪姫先輩や、その速度で突き飛ばされた春雪への、体の負担の考慮が無いことや、ブレイン・インプラント・チップの、ブレイン・バースト消失と同時に脳髄に溶ける、という設定など、不可解かつ都合的なところがあるのです。
それ以外にも、設定を設定で解決するあたりや、心意の力、など残念な設定が多くあります。
ここまで悪点ばかり突いていて言うのもなんですが、熱血的な表現や、シルバー・クロウの羽出現のくだりは、胸が熱くなります。
友情的な描写においては、このアクセル・ワールドの右にでるものはないのではないかと思われます。
そのような描写を好む人においては、オススメの作品です。
2012/10/07
・9巻で爆発した。めっちゃ面白かった。
2012/08/19
・ストーリーが面白い。読み進めるにつれて引き込まれる。
2012/05/03
・緻密な設定はもちろんのこと、心の葛藤を通しての成長、人間ドラマがしっかりしている所が良い。
・私だけかもしれませんが、「自分にないもの」というのにとても惹かれます。
ただ「自分には絶対訪れないもの」ではありません。
「ありそうだけど自分からは遠い」物に特に惹かれるのです。
その中で、「アクセルワールド」は「訪れるかもしれない未来」をうまく表現している作品だと思います。2047年という年代設定も近そうで遠いという感じ。
そして、ストーリーも惹き込まれます。主人公のハルユキには思わず自己投影してしまいます。
文章もスマートで読みやすい。とにかくカッコよくまとめてあります。
まだまだ書きたいことはありますが、私はこのような理由でアクセルワールドが好きです。
・黒雪姫先輩が好きです。私にはない強さを持っているからでしょうか。
容姿がきれいであるとか、かっこいいからというだけではなくて、凛としているあの姿が好きです。
ただ、強いだけではなくときどき乙女な一面も見せます。その姿もまたいいです。
別にギャップ萌えとかではありません。黒雪姫先輩だからこそなんです。
・作者による巧みな文章力。
特殊な世界観に惹かれる。