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 曰く、この世界に存在する怪現象は、全て“神の悪夢”の欠片である。

断章のグリム


 ○読者投票結果
 最高です!一押し。 152
 おもしろいです! 55
 なかなか良いです。 20
 ふつうです。 5
 イマイチです。 3
 おもしろくないです。 2
 買うと損します。 1

ジャンルホラー・オカルト
著者甲田 学人
出版社:電撃文庫
発行年月:2006年04月
本体価格 570円 (税込 598 円)
ヒトガタさん(男性・16歳) 囲炉裏さん(男性・17歳)
碑出告さん(男性・17歳) 幸真さん(女性・18歳)一押し!


■ 解説                               

 曰く、この世界に存在する怪現象は、全て“神の悪夢”の欠片である。
 この悪夢の泡は人間の意識に浮かび上がると、急速に人の恐怖や悪意や狂気と混ざり合う。
 そして、現実世界を変質させながら溢れ出し、悪夢の物語を作り上げる。
 だが、浮かび上がった悪夢の泡が非常に大きかった時、
 個性が希釈されて物語の『元型』に近くなる。
 明示的、暗示的、様々な形で『昔話』や『童話』のエピソードに似たものになる――。
 普通であることが信条の白野蒼衣と、過去を引きずりつつ悪夢と戦う時槻雪乃。人
 間の狂気が生み出した灰かぶりの悪夢の中で出会った二人が辿る物語とは――!?
 鬼才が贈る幻想新奇譚、登場。


■ ヒトガタさんの書評                      

 平凡な高校生・白野蒼衣は、ある日〈神の悪夢〉から生まれた〈悪夢の泡〉、〈泡禍〉に遭遇し、
 それを追っていた美少女・時槻雪乃に出会う。
 その日から蒼衣は彼が愛していた「普通の日常」とは対極の、
 〈神の悪夢〉が創り出した悪夢の童話が顕現する世界に巻き込まれていく事になる。

 といった具合で、〈泡禍〉に遭遇した白野蒼衣は、時槻雪乃が所属する〈泡禍〉を解決する集団、
 〈騎士団〉に 入り、時槻雪乃他、「神狩屋」こと鹿狩雅孝、田上颯姫と共に〈泡禍〉を解決していく。

 この話の特徴はグロさなので話の大半がグロいのになるんですが、
 話の始まりにある日常を描いた話は、ギャグがあって面白いです。


 馬鹿な友達が一人いるので、楽しくなります。
 
 あと、あとがきを読んでみると、作者は「この話は全くグロくありません」と力説しているが、
 どう考えてもコレ、グロいですから。



お気に入りのキャラはいますか? どんなところが好きですか?
 お気に入りのキャラはどのキャラも好きですが、あえて指定するなら時槻雪乃と白野蒼衣です。
 特に時槻雪乃はツンデレです。しかしただのツンデレではありません。
 ツンしかありません。デレはないです。
 白野蒼衣は少し線が細いです。女装させたらどうなるんだろう・・・。


この作品の欠点、残念なところはどこですか?
 少しグロテスクなところですかね。
 
 慣れない人は読まない方がいいと思います。



■ 囲炉裏さんの書評                       

 日常で『普通である』ことを望む少年と非日常で『怪物になる』ことを望む少女が織り成す童話奇譚。

 凄まじい程に精巧な『痛み』の描写、恐怖をひきつける行間の扱い方、民族、童話、象徴学の知識量。
 もうこれ職人技ですよ、何回読んでも飽くこと無き『こだわり』が一冊一冊に凝縮しています。


 読むと、もれなくこの本だけでなく甲田先生も好きになってしまいますw
 この小説はホラー・オカルト類に属しているのですが、
 童話を土台とした事件を解決するミステリー風なところもあって、見所です。

 簡単なストーリーとキャラ画だけを見ると
「うーん、最近ありきたりなバトルもの?」
「主人公なんか二流のハーレム系ギャルゲーみたいだな」
 と見えてしまいますが・・・
 
 読んでみると、天地ひっくり返ります! コペルニクス的展開です!
 冒頭のグロいところでそうなるのですが、キャラの心理的起因がしっかり描写され、
 キャラ達の境遇、目指すものがあまりにも痛々しい。


 唯の萌え燃えバトル小説ではなく、日常を守る『騎士』として、
 非日常という底なし沼をひたすら真っ直ぐ突き進んでいく少年少女達のオカルト(非日常)小説なのです。

 乱文失礼。


お気に入りのキャラはいますか? どんなところが好きですか?
 主人公格である白野蒼衣と時槻雪乃です!
 この二人の関係が大好きですよ。
 性格がきつい雪乃と温和で少し気弱な蒼衣、
 まるで勝気なお嬢様とブレーキ役だけど全然なっていない従者みたいな関係です。

 しかし裏を垣間見ると、立場はまったく逆なのです。

 蒼衣はある事情により雪乃を一回でも『拒絶』すると・・・雪乃を瞬殺してしまうんですよ。
 だから雪乃は不用意に蒼衣を嫌えない(実際はツンツン発言しまくりですけど)
 従者が鎖を握っている首輪を付けたお嬢様でもあるのです。

 そんな危ない(?)関係な二人のはずなのですが、
 実際は見ている人に苦笑を誘うほのぼの(と言っては語弊があるような・・・)なやり取りを展開しています。
 何故そうなるのかは・・・分かりますよね?
 雪乃はツンデレだからですw


この作品の欠点、残念なところはどこですか?
 うーん・・・やっぱり前の方々が挙げているようにグロい描写ですかね?

 まあそこがこの本の持ち味でもあるのですが、長所でもあり短所でもある・・・ですね。
 一巻平気で読めたら以降の巻を読んでも問題ないと思います、恐らく・・・
 読んだ後は幸せな妄想をすることをお奨めします。



■ 碑出告さんの書評                       

 前作の「Missing」にて根強い支持を受けている甲田氏は、ラノベ界きっての鬼才です。
 民俗学や文学知識等に長け、前作よりもなお一層、余すことなく知識をアウトプットしているので、
 へぇボタンがいくつあろうが、彼の溢れる知識を水盆に受け止めることは
 不可能であると思われます。

 名前の通り、グリム童話を柱としたものですが……
 用いられているのは裏グリムです。
 3・4巻は裏アンデルセンですが〜。

 注意すべくは……この作品は非常にグロテスク、かつ痛々しいです。

 心臓が弱い方や不眠症の方、想像力が凄すぎる人にはオススメできません。。注意!!
 そこを楽しめれば、これほど素晴らしいノベルはないと思われます。



お気に入りのキャラはいますか? どんなところが好きですか?
 時槻雪乃。断章のグリムのヒロインですね。
 いや……すごいですよ? 自傷少女は。

 あまりの痛々しさに同情したくなりますが、
 そこは「ツン」で突き放してくれるのが雪乃さんのいいところです。
 ゴスロリファッションも魅力的ですね〜。
 私談になりますが、ALI PROJECTの曲聴きながら雪乃さんのファッション眺めるとオツです。
(完璧私談


この作品の欠点、残念なところはどこですか?
 重複注意しますが……ホントにグロく痛々しいです。
 不眠症の人には絶対にオススメできない作品です。

 グロシーンが脳裏……否、神経のそこかしらに染み付いて離れません。
 閉じた目の中に(ピーーー)や(ピーーー)が浮かんできます。
 カレーシチューはとても食べられませぬ(詳しくは4巻を読んでください)



■ 幸真さんの書評                        

 文章力が、すごいです。
 間の取り方、恐怖への陥れ方、心理描写。
 これらが巧みです。


 Missingに続く2作目になるんですが、やはりホラーです。
 この人の話らしく、設定がしっかりしていて、ホラーが大丈夫ならお勧めです。

 登場人物の行動や性格の理由がきちんと定められていて、さすがだとおもました。
 
 童話をモチーフにしていますが、それをそのまま使うのではなく、
 含まれる意味や象徴などを上手く使っています。


お気に入りのキャラはいますか? どんなところが好きですか?
 時槻雪乃。
 私は暗い過去を持つキャラクターが好きなので、どうしてもこのキャラです。
 自分の考えや信念をしっかりと持ち、一線を画しているところが好きです。


この作品の欠点、残念なところはどこですか?
 作品の売りでもありますが、グロテスクな表現があるところです。

 あと、不幸な人、救われない人が多い。
 そういう作品ですので、苦手な人は見ないほうがいいです。


■ 一言感想コメント                       

・登場人物の心理描写が長くて、なかなか話が進まなくてむず痒くなる。
 って、言ってもそこがいいから読むんですけどね。


■ あなたはこの作品についてどう思いますか?(読者投票)       

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おもしろいです!オススメします。
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