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少年名探偵 虹北恭助の冒険
ひとりでにふえてゆく駄菓子屋のおかし。深夜、アーケード街をさまよう透明人間の足跡。 なんでも願いをきいてくれるお願いビルディング。 虹北(こうほく)商店街で巻き起こる不思議な不思議な謎・謎・謎! 美少女・野村響子ちゃんをワトソン役に、 講談社ノベルス史上最年少の名探偵(小学6年生)・虹北恭助の推理が冴える!!
はやみねかおる先生と言えば、ジュブナイル小説「夢水清志郎事件ノートシリーズ」で有名な方ですが、 講談社から発行されたこの「虹北恭助シリーズ」も 「夢水清志郎事件ノート」シリーズに負けず劣らずの良作だと思います。 このシリーズの最大の特徴と言えば、 始まってすぐにホームズ役の恭助や恭助の祖父である恭じいちゃんが、 ワトソン役である野村響子の持ってきた謎を解いてしまうことにあるでしょう。 だからと言って謎が陳腐だったり、 あっさり解答が最初の方に出されてしまうのかと言えばそうではありません。 謎は最後の方で解かれますし、内容は本当に日常的過ぎて、 実際にあってもおかしくないことが書き出されているがために、自然と読者の目が曇ってしまうのです。 その点に気付く恭助は、まさに「魔術師(マジシャン)」。 作者のはやみねかおる先生は、 無類の新本格ミステリマニアというだけあって内容はかなり本格です。 本格が好きだという方も、ミステリはあんまり好きじゃないけれど何か暇潰しに読んでみたいなぁ、 と思う方にもオススメです。
好きなところは……何だろう? 別に序盤は格好いいわけでもないし、だからと言って格好悪いわけでもないし……。 多分、何でもない日常の謎に気付き、そして解いてしまうその着眼点に惚れたんだと思います。
シリーズ中盤から、 脇役の一人であった若旦那というキャラクターの話がメインになっていることですかね。 いくら舞台が虹北商店街だからとはいえ、恭助の回りには様々な謎が起きています。 それは恭助が外国に旅立った後もそう。 その謎を書いてほしかった……ということが我が侭ですが少々残念ですね。
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心霊探偵・八雲 赤い瞳は知っている
見えないものが見えるほど、恐ろしいことはない……。 死者の魂を見ることのできる男・斉藤八雲。 彼の赤い瞳が、次々に起こる殺人事件に挑む。 新感覚のハイスピードミステリー。2003年刊「赤い隻眼」の改題改訂。
見事に魅力にやられました(笑) 結局、家に帰ってからも読みふけり、購入した翌日に読み終わってしまいました。 とにかく面白いですねぇこれは。 言葉で説明するより、実際に読んでもらったほうが分かります。 登場人物たちも個性的で、ストーリーも興味を引かれる内容でして、 僕が小説の世界に踏み込むきっかけになった本です。 まさに、この本との出会いがなければ「小説ぅ!? マンガの方が面白れぇから!!」と、 現代っ子な考え方に至っていたでしょう。(苦笑) 6巻まで発売されていますが(2007年 5月現在)、1巻は短編集、それ以外は長編になっています。 小説が苦手な人でも、文が堅苦しくなく、楽しめると思います。← その毒に侵されたヤツ。
まさに、「八雲がいるから晴香がいる。晴香がいるから八雲がいる。」という感じです。(笑) そして、何巻かは忘れてしまいましたが、 この何の接点も無いような二人の、意外な関係にも驚愕です。
しかし、タイトルにも書かれているので許容できる範囲かな、と。 あと、強姦という単語がかなり出てきますね。 こういうのが嫌いな人には、あんまりオススメできないかも知れませんね。
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スイッチを押すとき
増加する青少年の自殺に終止符を打つため、 政府が立ち上げた恐るべきプロジェクトとは…… 生きる意味を問う衝撃のストーリー。
政府はその対策として「青少年自殺抑制プロジェクト」(通用YSC)を設立。 それは全国から無作為に子供を選んで、心臓にある装置を埋め込む。 十歳になった彼らは政府の施設に収容されて、あるスイッチを渡されこう告げられる。 「このスイッチを押せば、君の心臓は止まる」 YSC監視員の南洋平は横浜センターに転勤になる。 そこにいたのは、通常2年程度でスイッチを押してしまう子供たちでなく、 7年も施設にいる少年少女だった。 彼らに少しでも優しく接する洋平に次第に少年少女たちは心を開いていく。 それは洋平の過去にも原因があった。その中でも高宮真沙美は特別だった。 7年も施設に閉じ込められているとは思えない明るさ。 そして彼女を取り巻く「仲間たち」。 洋平は監視員の枠を乗り越えて彼らに近づいていく。 だが、そんな洋平たちに本部長の堺が張り巡らせた魔の手が待っていた…… 一見、突拍子もない設定で始まるこの作品ですが、非常にストレートな文体です。 元々は文化放送のラジオドラマを仕事帰りに聴いていてはまったんですけどw 原作を読んで(360ページ程度)、しばらく呆然としました。 ライトノベルかと言われたらちょっと微妙なジャンルですが、 十代には絶大な人気らしい山田悠介先生の本なんで、推薦させていただきます。 お気に入りのキャラはいますか? どんなところが好きですか? 南洋平。主人公っぽい人物。二十七歳。 彼視点の三人称が主に話は進むんで、自然と彼目線で物語を見てしまいました。 この作品の欠点、残念なところはどこですか? これは山田悠介作品全般にいえるんですが、 文章で時々「あれ?」って思う部分があります。 その代わり、純文学みたいに文章を咀嚼する必要がない、 平易な文章の繰り返しなので、読みやすいといえば読みやすいでしょう。
はぁ?なにこれ、何の話なわけ? みたいな感じで。 でもこの作品の著者である山田悠介先生の文章は本当に読みやすくて、物語に没頭できます。 いきなり大どんでん返しがあったり、本当にビックリの連続です。 お気に入りのキャラはいますか? どんなところが好きですか? 全部好きですが、あえて一人上げるとしたら「南」ですね。 南を「ナンちゃん」って呼んでる子も、その子と一緒に生き残った仲間も好きです。 この作品の欠点、残念なところはどこですか? 一番最後、結局どうなったのかがわかりにくい。 っていうかわからない。
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あれ!? その小説、もしかして105円で売られていない? |
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