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戯言シリーズ完結の三部作、<十三階段>の向こう側にある“終わり”の果てにあるものは!?

ネコソギラジカル


 ○読者投票結果
 最高です!一押し。 280
 おもしろいです! 43
 なかなか良いです。 10
 ふつうです。 8
 イマイチです。 12
 おもしろくないです。 0
 買うと損します。 21

ジャンルミステリー
著者西尾 維新
出版社:講談社ノベルス(講談社)
発行年月: 2005年 02月
本体価格:1,080円 (税込:1,134円)

凜寧さん(女性) 音丸さん(男性・15歳) 玖渚さん(男性・16歳)一押し!

■ 解説                               
 
 大人気 新青春エンタ<戯言(ざれごと)シリーズ>!
 全ての終わりは……まだ始まったばかりだ。
 1年半の沈黙を破って放つ最終章。西尾維新、最高潮!
 「よう……俺の敵」“世界”を、そして“物語”を終わらせるため、
 「ぼく」こと“戯言遣い・いーちゃん”に「狐面(きつねめん)の男」はささやく。
 キーワードは、加速。そして、世界の終わり。何より、物語の終わり。
 待ち受ける刺客(しかく)、<十三階段>の向こう側にある“終わり”の果てにあるものは……!?
 新青春エンタの決定版中の決定版、<戯言シリーズ>。
 その最終楽章となる『ネコソギラジカル』三部作の前奏曲(プレリュード)がついに奏でられる!
 完全燃焼、西尾維新!!



■ 凜寧さんの書評                        

 大人気、戯言シリーズの最終章。
 いたるところに張り巡らされていた伏線の回収は見事です。
 キャラの魅力など、語っても語りつくせないところはとりあえず置いておくとして、

 この言葉遊びの緻密さに酔ってもらいたい!
 
 名前ひとつとっても奇抜なキャラクターも魅力的。
 名前に負けないほど、常軌を逸していて狂っていて、そんなキャラばかりです。
 ひとりひとりに物語があって、
 その物語がひとつの物語(読了済みの方にはわかるかな?)をつむぎだしています。

 ラストでは泣きました。
 ラストだけではなく、他のシーンでも泣きました。


 純粋に言葉を味わいたい方、そしてちょっと逸脱した物語に触れたい方にはオススメです。


お気に入りのキャラはいますか? どんなところが好きですか?
 石凪萌太くんと、これは人間シリーズのキャラになってしまいますが早蕨薙真。
 萌太くんは(以下ネタバレ?)あの最期のセリフがとても良かったです。
 もう少し出番がほしい人でした。
 早蕨の弟さんは、これまた萌太くんと一緒で妹を思いやるキャラです。
 立場的には敵キャラでしたが、一番正しいキャラだったのではないかと思います。
 それにしても戯言シリーズ、兄妹が多いですね。


この作品の欠点、残念なところはどこですか?
 嫌いな人が読むと嫌いですね。
 言葉遊びが嫌いな人とか、理解できない人とかいるらしいです。
 それからラストが気に入らないとか。私は大好きですけどね。
  
 あと、こういうのを指して「中高生が自分は普通じゃないと思うための小説」
 だと言う人もいらっしゃりますが、それは無いと思います。
 この小説では、「普通の大切さ」が語られていると思います。(思い違い?)
 ……はっ!
 欠点じゃなくなっている!?



■ 音丸さんの書評                        

 今注目の若手作家・西尾維新先生の代表作。

 何に引き込まれるかといえば、とにもかくにも「濃すぎる」キャラクターたちが織り成す
 ハイテンポなストーリー展開と、言葉遊びを交えながらそれを進行させるあの独特の文体ですね。


 図書館で初めて手に取ったときに思いましたもの。お、これは新しい、と。
 まさに麻薬、まさに「新」青春エンタの決定版。

 このシリーズ、ヤバイくらいにおススメできます。


お気に入りのキャラはいますか? どんなところが好きですか?
 誰かと訊かれたら、お人好しの殺人鬼、零崎人織と答えますね。
 出番は少ないのですが、一部では主人公のいーちゃんさえしのぐ人気を誇っているこの人。
 当たり前のように人を殺す、とんでもない野郎ですが、
 一旦打ち解けた相手(とくにいーちゃん)に対してはかなり面倒見が良く、
 いーちゃんがピンチの時には颯爽と現れて、
 いーちゃんの代わりに闘ってくれたりするところはものすごくカッコ良かったりします。


この作品の欠点、残念なところはどこですか?
 シリーズの初めらへんはミステリーものっぽい感じの作品だったのですが、
 徐々にその要素は薄まってゆき、最終章であるこの巻にいたっては
 単なる殺人者同士のバトルものでしかありません。

 人によってはそれで良いという人もいると思いますが、
 自分的には物語終盤の展開はいまいち緊張感に欠けるものだと思いました。


 何故なら、バトルものであるにもかかわらず、敵である十三階段のメンバーが
 あまりにもあっさりと主人公たちにやられていってしまったからです。
 単にやられてしまうだけではなく、簡単に味方を裏切って主人公に協力したり、
 中には敵である主人公に惚れてしまった子達さえいました。

 敵の目的は「世界の終わりを見る」ということだったのですが、
 それを行うためにかき集めた味方の数が十三人というのは、あまりにも少なすぎると思いました。

 手に汗握るバトルを楽しみたい人にだけは、あまりおススメしません。
 あと、現実社会が舞台の物語なのに、
 登場人物やストーリー展開などにあまりリアリティが感じられませんでした。




■ 玖渚さんの書評                        

 戯言シリーズ、ついに完結!!
 来ました!青春エンタ、戯言シリーズがついに終わってしまいます。
 最後が見たいような見たくないような……(笑)

 ついに!主人公で戯言遣いのいーちゃんに最大の敵が現れる!
 この「ネコソギラジカル」は上中下の三部作で、より長く楽しめます!


 下巻はまだ発売しておりませんが(2005年8月)、
 上中ですでにラストって感じがしてとてもいいです!
 ここからはネタバレですが……

 かつてのいーちゃんの友達であった「橙なる種」想影真心(おもかげまごころ)が初登場!
 メチャクチャ強いです。
 あの人類最強までもがやぶれてしまいました〜!
 どうなる!?いーちゃん!
 そして!あの人間失格殺人鬼、零崎人識再登場!!

※以上ネタバレ終わり

 その他個性的過ぎるキャラクターが多々出陣します。
 西尾維新さん!今回マジで完全燃焼いたします!!



お気に入りのキャラはいますか? どんなところが好きですか?
 たくさんいますがやっぱり石凪萌太、闇口崩子兄妹と十三階段である絵本園樹さんですね!
 あの兄妹には本当に萌えます!
 特に崩子ちゃんなんかいーちゃんをサポートしたり、
 いーちゃんにやきもちを焼くところは可愛くて仕方ありません。

 それにここはネタバレですが、
 萌太くんが死ぬとき、あれは本当に感動しました!
 最後の最後まで妹思いのいいお兄ちゃんでしたよ。
 妹といーちゃんを守って死んだんですよ、最高の死神です!

※以上ネタバレ終わり

 そして個人的にもう一人いーちゃんの敵である、
 「十三階段」のメンバーである絵本園樹さんと言う人が好きですね。
 超被害妄想で超疑心暗鬼で超情緒不安定で超涙もろい!
 相手が黙ってしまうと気を悪くしたと思い込んでしまうんです。
 でもそんな絵本さんですが、
 その怯えたときとか大好きなフレンチクルーラーを食べているときなんかは、
 どこか可愛げがあって大好きですね!


この作品の欠点、残念なところはどこですか?
 別に欠点なんかありませんが……
 しいていうなら死んで欲しくなかった人ばっか死んでますね。

 それに敵である人がまるでやる気ありません。
 そこがちょっと拍子抜けしちゃいましたね……



■ 一言感想コメント                       

戯言シリーズ全般についての感想です。
・キャラクター一人一人に欠点、個性があって好感が持てるし、ストーリーも自分たちで謎が解けたりできて楽しい。いーちゃん 欠点だらけで、自分を過小評価して色んなものを背負い込んでいるのに好感が持てる。
2012/10/22

・いーちゃんは、自分の非を認めながらも、どうしようも無い矛盾を背負いながらも、自己嫌悪に浸りながらも、自分を殺しながらも、とにかく我武者羅に最後の光明である玖渚友を指標として全てを振り切る。自分の存在によって引き起こされる無自覚の破壊を垣間見ようと、いーちゃんは自分を見失わずに人間らしく頑張ってるわけです。その『無自覚の破壊』で嫌われる反面、その人間らしさに惹かれて彼を好きになるキャラも少なくないわけですね。そして読者側である我々が彼を好きになるのも、後者の理由ということです。もしかすれば、まったくの的外れかもしれませんがね。
2012/05/03

・当時の私には西尾先生の書き方は衝撃でした。
 玖渚友の天才である、というところと性格のギャップが良い。
2012/04/28

・「戯言シリーズ」は最初は興味本位で買ったんですが、買ったら西尾維新先生の世界感と話の面白さ、話に引き込まれる魅力に嵌ってしまいました・・・^^
2012/03/14

・いつも無表情で感情を露わにしない「いーちゃん」が誰かのために怒ったり、何かをしたりするのが好きです^^後、「いーちゃん」の戯言が好きです^^
2012/03/14

・ひねくれた主人公がどうなるんだろう、なにやるんだろうと気になって最後まで読んだ。
 ハッピーエンドで安心した。
2012/03/13

・戯言シリーズは作者である西尾維新の独特の世界観で話が進んでいくため面白い。
 魅力的なキャラクターも強い。主人公の“いーちゃん”は、出来の悪いアクション漫画にあるような変なキャラ設定が無く、あくまで“普通”を意識しているから共感できる部分が多々ある。

・キャラクターの個性がどのキャラにも出ていて、独特な世界観がよかった。

・戯言シリーズは、西尾維新独特の世界観、台詞の言い回し、既存作品には無いキャラクターの(良い意味での)奇抜さが目立つ作品である。
 主人公である「いーちゃん」の本名は一切明かされないという、極めて珍しいシリーズだった。
 主人公は大学生。だのに殺人に巻き込まれ、事件の推理を余儀なくされ、それを戯言で切り抜ける。最近(2005年現在)のライトノベルは、主人公がへタレであったり、周りを取り巻くヒロインも「萌え」狙いだったりして、「本当に伝えたい事」が無いような薄っぺらい中身の作品が多くなっている。
 そんな中でこういった作品があるのは非常に好ましい事である。

・いーちゃんは、どこにでも居るような、しかし「へタレ」ではない、平凡な大学生。
 でありながらも、戯言で数々の敵を倒し、和解していくところが非常に面白い。
 巻を追っていくごとに成長しない。正直言って、最初から最後まで彼は何も変わらない。
 しかしそれを飽きさせない人間関係も非常に魅力的だった

・それまでに読んだことがない文体・文章構成・言葉遊び・そしてどこか狂ったキャラクター。
 一人一人のキャラが特徴的であり、キャラに共感して物語を楽しむのではなく、物語の傍観者として各キャラがどう動くのか、それによって話がどう転がっていくのかが気になって仕方ない。
 先を読むのが楽しみでページを捲る手が止められない

・"いーちゃんは、語り手として傍観者的立ち位置から語っているが、物語の中心人物に他ならない。
 狂った人物がたくさん出てくる物語の中で、一番静かでいてもっとも狂喜を持っている人物として完璧な主人公だった。阿良々木暦はおもしろい。そしてどんどん変態になっていく(笑)

・文体・世界が今までにない作品だった。

・言葉の言い回しが独特で、それまで一般の小説しか読んでいなかった身としては、衝撃的だった。

・普通の小説に比べ、変人、奇人とも言える異様に個性の強いキャラクターが多く、
 心理描写がかなり上手かった(多分、変人と奇人に限定すれば、どの小説の中でも一番)。
 会話に哲学的な要素が多かった所も、個人的に好みでした。
 なお、自分はバトルばかりの小説はあまり好きではないので、
 巻数が増えるにつれて自分の好みとは離れていきました。

・戯言シリーズはその独特の世界観や変わったキャラの名前等に惹かれました。
 ストーリーの構成も良く、とても面白かったです。

・語り手(ぼく)の周りで起こる事件と、人間関係が独特な所がおもしろい。

・登場するキャラクター達が、どう動こうとも結局は結末は変わらないのか、
 それとも違うのかを考えながら読んでいると、何回読んでも面白いことに気付いた。

・登場人物が名前(通称)、性格共に個性的。

・言葉遊びにとんだ文体や、物語の構成力、個性的なキャラクターたちが魅力。
 予期せぬどんでん返しは半端じゃない。
 内容の濃さ。綿密な世界観や、独特なギャグセンスが素晴らしい。

・あり得ない日常と日常を相手に戦う発想が凄く楽しかった。

・笑いながら読んだ小説は初めてだった。

・文章の技巧(パロディ、韻を踏む等)が他作品より優れている。
 キャラクターが個性的である。

・キャラクター・世界観・文体・伏線回収・ストーリー、どこをとっても遜色ない。

・文章、設定、ストーリー、登場人物、すべてがいい意味で「ぶっ飛んで」いたと感じた。
 今までに読んだことのない種類の面白さ。
 決して文章が上手いというわけではないのに、ついつい読まされてしまうところがある。

・主人公の性格がとても面白くて、
 主人公を取り巻くキャラクターたちがわかりやすいんだけど、わからない。
 あと主人公の世界の捉え方が如実に表されてて面白いです


■ あなたはこの作品についてどう思いますか?(読者投票)     

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おもしろいです!オススメします。
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新戯言シリーズの最終楽章『ネコソギラジカル』3部作大団円

ネコソギラジカル(下)青色サヴァンと戯言遣い


 ○読者投票結果
 最高です!一押し。 280
 おもしろいです! 43
 なかなか良いです。 10
 ふつうです。 8
 イマイチです。 12
 おもしろくないです。 0
 買うと損します。 21

ジャンルミステリー
著者西尾 維新
出版社:講談社ノベルス
発行年月: 2005年11月
本体価格:1,080円 (税込 1,134 円)

虎助さん一押し!(男性)

■ 解説                               
 
 玖渚友との決別、想影真心の暴走、哀川潤の復活……
 “人類最悪の遊び人”狐面の男とぼく“戯言遣い”の対決の行方は?
 シリーズすべてを貫く伏線は、一気にクライマックスへ!
 新戯言シリーズの最終楽章『ネコソギラジカル』3部作大団円。



■ この作品について、熱く語ってください!            

 ついに完結した、戯言シリーズ。
 ごめんなさい、この作品の面白さは、読んだ人にしか解りません。


 けれども、絶対に読者を裏切らない、最高にして、最悪のフィナーレを迎えます。
 恐らく、この物語はハッピーエンドで幕を閉じたのでしょうが……。
 戯言シリーズ最終章、ネコソギラジカル三部作の第三作目にして、戯言シリーズの最後の一冊。
 その名に決して恥じない、面白さです。

 この先はネタバレですが

 主人公戯言遣い、いーちゃんと、ヒロインの青色サヴァン、玖渚友が幸せに結ばれて、
 本当に良かったです。


■ お気に入りのキャラはいますか? どんなところが好きですか?  

 この作品には、数多くの魅力的な女性人が登場しますが、
 中でも一番は本名不明の主人公のいーちゃんです (笑)
 え〜と、いーちゃんは何処からどう見ても、成人男性ですが……。
 実は彼、男なんですよ(笑)
 つまりはいーちゃんの女装姿は (この作品に女性陣は皆さん、綺麗ですがね) 
 戯言シリーズの全キャラ中でもトップクラスの可愛さです (笑)

 さて、冗談はここまでとして、そろそろ本作の主人公 いーちゃん (本名不明)
 の魅力について語りましょうか (笑) 
 で、本題ですが……。主人公、いーちゃんの魅力? 無いですね、そんなの (爆)
 なんたって、いーちゃんは僕の知る限り、最悪の主人公ですから (笑)
 彼はそこいらの悪人よりもタチの悪い人です (汗) 
 彼はまさしく人間失格で、数多くの登場人物に嫌われていて、
 同時に数多くの登場人物に好かれています (苦笑)

 ようするに、とんでもなく嫌な奴だけども、どうしても憎めないというか……。

 読者が無意識に目を背けようとしている、人間と言う生き物の愚かさや、
 醜さを映し出したような人で、読んでいて不快な気にもなるが、
 それ故に異常なまでに、感情移入してしまうのです。
 ま、彼には何の魅力も感じないのですが (ヘタレすぎるし、性格ひねくれ過ぎていて)
 そう言う自分に何処と無く似ている様な点と、一つの巻に一回、有るか無いかぐらいですが……。
 いーちゃんがとてつもなく男らしく見える時は、惚れ惚れしますね。 (同姓としての共感)

 それと彼の十八番の戯言は、意味不明な時には混乱するだけですが、
 意味がなんとなくでも解れば、凄く心に突き刺さります。

 お世辞にも、カッコいい台詞ではありませんが、それ故に心の奥底にダイレクトで響きます。


■ この作品の欠点、残念なところはどこですか?          

 とにかく読み難い。

 値段もかなりお高めな設定で、ページ数が多いのでぶ厚くて、
 初めから、最後までずーと、いーちゃんの戯言で話が進むから、
 途中で読むのに疲れたり、気がめいってしまいます。

 このシリーズは、読める人と、読めない人が見事なまでにくっきり分かれます。
 挙句の果てに登場人物は皆、リアリティに欠けてるし、
 シリーズの初期はかなり変則的ですが、一応ミステリーと呼べたのに、シリーズ後半は……(苦笑)


■ あなたはこの作品についてどう思いますか?(読者投票)     

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