「お前もカード使いなんだろ？」。異能の〈カード使い〉として異世界にとばされた丸太。

マルタ・サギーは探偵ですか?

○読者投票結果 　最高です！一押し。 23 　おもしろいです！ 29 　なかなか良いです。 12 　ふつうです。 1 　イマイチです。 3 　おもしろくないです。 1 　買うと損します。 4

ジャンル：ミステリー 著者：野梨原 花南 出版社：富士見ミステリー文庫 発行年月：2003年12月 本体価格 500円 (税込 525 円)

ぼ〜さん（男性・１５歳）　名残雪さん（女性・１７歳）一押し！

■ 解説

　彼の名前はマルタ・サギー。本当は少し違うけれど、オスタスに来てからはそう呼ばれている。
　職業は『名探偵』。けれど推理はしないし、できない。
　マルタにあるのは“事件を強制的に終結”させる力だけ。
　彼がその力を行使すると“世界の法則さえ捻じ曲げて事態が解決”してしまうのだ。
「だってどんな世界でも働かなきゃ、生きていけないし。僕にできるのは『名探偵』だけだし」
　完璧な探偵であり、同時に全く探偵でないマルタ・サギーは、如何にして『名探偵』になったのか？
　彼の“秘匿されている”過去が、そして宿命の好敵手、怪盗ドクトル・バーチとの出会いの顛末が、
　今初めて明らかになる！　マルタは、へらりと笑う。
「不安なのは、どこでだって一緒だ。だから新しい世界で、僕はどんな僕になろうか考えたのさ」。

■ ぼ〜さんの書評

　マルタは推理はできない、あるのは事件を強制的に終結させる力だけ。
　そんな「マルタ・サギーは探偵ですか？」というのがタイトルです。

　ダラダラやる気なしのマルタとその助手のしっかりとしたリッツ、
　更にマルタのライバルの怪盗でありなぜかマルタにゾッコンのバーチ、
　バーチの執事兼運転手兼その他もろもろのしっかりと仕事をこなすゴブリンのジャック。
　彼らの人間模様は読んでいてとてもほほえましいです。
　他にも魅力的なキャラクターたちがたくさんいます。

　本編のストーリーだけでなく本編とは別の短編集も面白いです。


お気に入りのキャラはいますか？　どんなところが好きですか？
　マルタの好敵手ドクトル・バーチです。
　バーチがマルタをとても気に入っていて、　
　しきりにマルタへの接近をこころみたりするところがとてもおかしくてかわゆいです。


この作品の欠点、残念なところはどこですか？
　タイトルや出版元のわりにミステリーではないところでしょう。

　推理小説を求めている人には合わないと思います。
　本来、異世界ファンタジーのジャンルに入ると思います。

■ 名残雪さんの書評

　推理いらずの名探偵によるまったく推理をしていない謎解き（？）が魅力です！

　主人公のマルタにあるのは"事件を強制的に終結させる"力だけ。
　その力を使って彼は何事件を解いてゆきます。

　主人公のライバルを名乗る怪盗ドクトル・バーチなど魅力的なキャラもたくさんいます。

　また"カード戦争"というものも存在して一筋縄ではいかないストーリーになっています。


お気に入りのキャラはいますか？　どんなところが好きですか？
　主人公のマルタ・サギーです！
　普段はやる気がなくってなんだか駄目人間のように見えますが、
　不思議と周りをひきつけて、また力を使って事件を解決するときのかっこよさが魅力です。


この作品の欠点、残念なところはどこですか？
　ミステリー文庫から出てるけどきちんとした推理物ではないので、
　推理小説と思って読むとがっくりきます。

■ 一言感想コメント

・世界観・キャラが魅力的で、主人公の成長が実感できる。
　また、強制的に謎を解き明かす能力という設定も秀逸。

・主人公のマルタ・サギーが好き。
　最初は達観したやや痛い思春期の少年という感じだったのが、好きな人たちの為にがむしゃらに頑張れる人間へと成長した点。また、ラノベの主人公だけど、クラスに一人くらいこんな奴がいてもおかしくないよな、というリアリティを感じられるから、読んでる方も勇気をもらえる。

■ あなたはこの作品についてどう思いますか？（読者投票）

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