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プリンセスハーツ
18歳で父を倒しアジェンセン公国の大公となったルシードは、 かつて人質として子供時代を過ごしたパルメニア王国から、 愛する美しい王女メリルローズを妃に迎えた。 ところが、パルメニアがよこしたのは彼女そっくりの身代わりの少女ジルだった! しかし、ある事情からルシードはジルを大公妃とするのだが…!? 華やかなロ・アンジェリー城を舞台に、恋と野望の王宮ロマンのはじまりはじまり。
壮大な世界観と主人公夫妻のボケ突っ込みは瞠目もの。 異世界ファンタジー×ラブコメ大好き! という方に一押しの作品です。 魅力はなんと言ってもキャラクターでしょう。 猪突猛進型の主人公ルシードと冷静沈着なその妻ジルは、 仮面夫婦でありながらもなんだかんだと仲がよく、傍目から見ればかなりいいコンビです。 熱血漢の夫が、悪魔的に冴えた頭脳を持つ妻にいいように扱われる様は、 女性から見れば実に晴れ晴れするもの。 言い負かされるルシードも多少は気の毒ですが、そこがいい感じに笑いを誘ってくれるので、 読んでいて実に痛快です。 また世界観がしっかり練られているのも特徴的です。 物語の中心舞台は、大陸にその名を轟かせる神聖パルメニア王国…… ではなく、その属国のアジェンセンという小さな大公国家です。 その小さな国が、ルシードの剛胆さとジルの綿密な計画で徐々に改革されていくのは、 王宮モノとして見ていく上でとても楽しいです。 物語が進んでいくうち、大陸の歴史を影で操る怪しげな集団が出てきたり、 不吉な予言がなされたりしますが、それもシリーズを支える上での強烈なスパイスとなっています。 またシリーズ四巻目からイラストレーターさんが変わっています。 現在は女性レーベルでは人気イラストレーターである明咲トウル先生がイラストを担当なさっています。
鉄面皮な上、口から出る言葉の七割程度は毒舌ですが、どれも的確で鋭く弱点を突いています。 できる女の典型のようなひとですね。 逆に恋愛に関してはかなり疎く、ルシードへの愛情に気づくかと思ったら、 彼に対し「あなたを管理したい」と宣言するなど、 読者としては「そうじゃないだろー!」と突っ込みたくなる場面も満載です。 可愛いキャラとは言い難いですが、見ていて飽きないことは確かです。
子育て中の上、他のレーベルにも作品を出している作家さんですので、 次の巻が出るまで少し時間がかかります。 新刊が出る頃には、全巻の内容を忘れていることもあるので注意が必要です。
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