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流血女神伝
重い病に臥せっている皇子アルゼウスの影武者にさせられたカリエ。 彼女は帝国の皇位継承者としての教育を受けるべく、カデーレ宮殿に入ることになった。 彼女を待っていたのは選帝のライバルとなる、 ドミトリアス、イレシオン、ミューカレウスの三人の皇子。 特に歳の近いミューカレウスの言動は挑発的で、何かにつけてカリエにからみ、 ついには決闘をする羽目になってしまうのだが……。
そんなわけで、わたしからはただ一言だけ―― コバルト文庫だからと避けているなら、男性読者は損をしています! ――と主張しておけば十分でしょう(笑)。 かくいうわたしも、LNF(ライトノベル・フェスティバル)の柳澤まるこさんが、 ことあるごとに本作を推薦されていたのに対して、 コバルトだからというだけで読まずにおりました(汗)。 しかし、ふとした機会に手を取って、ページをめくってみたら止まらないとまらない。 重厚なファンタジーとしての世界観と設定、個性的なキャラクター造詣は、 まさに小野不由美さんの『十二国記』、茅田砂子さんの『デルフィニア戦記』と比肩しても、 遜色のないほどです。 わたしが胸を張ってお勧めすることのできる、良質のライトノベルです。 ![]() 男性読者には残念ながら、「萌え」となる女性キャラクターが少ないのは事実。 いずれのキャラも男勝りなのは、まあ、仕方のないことでしょう……(涙)。 しかし、考え方を変えて「燃え」を追求するなら、ずっとカリエ(主人公)と行動を共にする、 職務に忠実で、表情をあまり変えることのない剣士―― エディアルドには、同じ男性としてとても共感できます。 誰かのために犠牲になるような生き方をするのではなく、 自らの幸せを勝ち取ってほしいと心から願う、男性キャラクターといえますね。 ![]() シリーズの前半部分で、カリエの心象にやや唐突な部分があります。 作者の須賀先生も『帝国の娘』のあとがきで「前中後編にすればよかった」と仰られているように、 カリエの人生の移り変わりである転調を書き急いでしまったのでしょうか。 しかし、そんなことを気にすることもないぐらい、 圧倒的にたたみかけてくる筆致こそ、本作の最大の魅力といえます。 カリエの人生の変化と挫折、成功、そして運命との対峙。 それらを通じて、描かれるカリエの信念に、 ページをめくる手が絶対に止められなくなるはずです!
いい意味でコバルトらしくないハードな設定とストーリーは、 男性でもなかなか楽しめるのではないかと思います。 重たい話なのですが、思わず笑ってしまうような場面もあり、 キャラクターも多彩で魅力的です。 主人公が(ネタバレ→)結婚・妊娠・出産 するという、少女小説としては物凄い展開になっていますが、ストーリー上必要なことなので、違和感はありませんでした。 完璧なキャラがいなくて、みんなどこかに苦悩を抱えているところに、深みを感じます。 今一番続きが気になっているライトノベルです! ![]() やっぱり主人公のカリエ。 ひどい目にあってもめげない、強くて前向きなところと、 ちょっとおバカなところが好きです(笑)
主人公が子供から大人へ成長する中で、 周りのポジションや人間関係が微妙に変わっていくのも面白かった。 長編なうえ、キャラ萌えも無かったのに最後まで飽きずに楽しめたのは、 作者さんの筆力が大きいと思う。尊敬。
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