ライトノベル作法研究所
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  4. 氷の国のアマリリス公開日:2014/01/28

氷の国のアマリリス

ジャンル:異世界FT
著者:松山 剛
出版社:電撃文庫
発行年月:2013年04月10日

青大将さん(男性・17歳)一押し!

■ 解説

 氷河期が訪れ、全ては氷の下に閉ざされた世界。人類は『白雪姫』という冷凍睡眠施設で眠り続け、そして、それを守るロボットたちが小さな村を形成し、細々と地下での生活を続けていた。副村長の少女ロボット・アマリリスは崩落事故による『白雪姫』の損傷や、年々パーツが劣化する村人たちのケアに心を砕く日々を送っていた。
 全ては―再び“人間”と共に歩む未来のために。しかしある時、村長の発した言葉に、アマリリスと仲間たちは戦慄する。「―人類は滅亡すべきだと思う」果たしてアマリリスたちが下す決断とは―!?
 機械たちの『生き方』を描く感動の物語。

■ 青大将さんの書評2014/01/26

 遥かな未来、突然訪れた氷河期によって、地下への非難と「冬眠」を余儀なくされた人間に、冬眠中の世話を託されたロボットたちのお話です。
 松山剛さん+ロボットは「雨の日のアイリス」で、僕の中では鉄板コンビになっていたので、本屋で見かけた瞬間に即買いでした。
 彼の作品に出てくるロボットは、みんな心を持っています。ですから、悲しんだり、憤ったりします。でも、やっぱり彼らは人間を、「ご主人様」と呼び、いつか来る目覚めの日を待ちわびて、お世話をしてしまうのです。

 ところが、ある出来事をきっかけに、ロボットたちは「ご主人様」の醜い過去を知ってしまいます。ここから、ロボットたちは猜疑心と忠誠心の板挟みになり、苦しみます。そして、ロボットたちは大きな決断をします。 

 そして、怒濤のラスト。松山剛さんの作品は、やっぱり泣かせにかかって来ます。

 第十章の最後のイラストを見た瞬間に、涙腺がやられました。みんなが生き残る訳じゃない、でも、みんなが幸せになって、物語は終わります。

お気に入りのキャラはいますか? どんなところが好きですか?

 アイスバーンですね。ちょくちょく主人公のアマリリスにセクハラっぽい言葉を投げかけたり、純粋にセクハラをしたり、変な時に気障っぽかったりと、まるで良い所が無いように見えますが、ラストへの流れで、一番格好いいのは彼です。断言します。
 主人公が幸せにラストを迎えられたのは、彼に寄る所が大きいです。やっぱり二面性のあるキャラは良いですね。

この作品の欠点、残念なところはどこですか?

 「雨の日のアイリス」でもそうでしたが、主人公が女性で人間に忠実なロボットなので、感情移入をして楽しみたかったりする男性読者には少し受けにくそうな場面もあります。
 ただ、一作品としての完成度は相変わらず高いため、安心して読めると思います。

■ あなたはこの作品についてどう思いますか?(読者投票)

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ふつうです。
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