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黒と赤に彩られた生と死、そしてそれを超越した吸血鬼の物語、ここに開幕!

BLACK BLOOD BROTHERS


 ○読者投票結果
 最高です!一押し。 273
 おもしろいです! 52
 なかなか良いです。 9
 ふつうです。 6
 イマイチです。 1
 おもしろくないです。 0
 買うと損します。 2

ジャンル異世界ファンタジー
著者あざの 耕平
初版発行 2004年 07月
富士見ファンタジア文庫(富士見書房)
価格(第1巻)580円 (税込:609円)
貝殻さん(男性・17歳) 冬月藍さん(女性・16歳) 緋月さん(男性・20歳)一押し!

■ 解説                               

 空には満月。その光を浴びて、疾風のように駆け抜ける赤い影。
 手には一振りの日本刀を携え、ビルからビルへ跳躍を繰り返す。
 ジローは疾走する。弟を取り戻すために。己の願いを叶えるために。
 ――そして。
 敵を確認し、牙を閃かせて笑う。
 今の自分は、どんな相手でも滅ぼせると知っているから。
 特区。滅び去ったはずの吸血鬼が、人間と共存できる世界で唯一の場所。
 その特区で、吸血鬼・望月ジローとコタロウの兄弟と、人間・葛城ミミコが出会った時、
 運命は孵化へと進み始める。
 黒と赤に彩られた生と死、そしてそれを超越した吸血鬼の物語、ここに開幕!
 キミは闇の血族の伝説を目撃する。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
 あざの 耕平
 第9回ファンタジア長編小説大賞出身。
 99年1月『ブートレガーズ 神仙酒コンチェルト』で富士見ファンタジア文庫にてデビュー。


■ 貝殻さんの書評                        

 吸血鬼というテーマは何度も書かれており、「かび臭いテーマだ」という批評家もいます。
 ですが、私はそうは思いません。
 
 人間と吸血鬼の共存。
 人知を超えた力を持つ吸血鬼といえど、所詮人間に寄生することでしか生きられない。
 だが、人間も吸血鬼に対する本能的恐怖をぬぐい去ることはできない。
 
 そんな両種の葛藤を描きながらも「当たり前」の生活を書くあざの先生の表現力に感銘を受けました。
 吸血鬼のテーマにも新しいジャンルが開拓されたんだなぁと思いました。


 あと不老の吸血鬼テーマだからこそかもしれませんが、
 短編集の最後で史実を絡ませている話も上手いなと感じます。

 絡ませながらも矛盾が生じないように書き、そして本編の伏線にする。
 プロの小説家なら当たり前のことかも知れませんが、
 他作者には感じられない空気感のようなものを味わえました。



お気に入りのキャラはいますか? どんなところが好きですか?
 やはり葛城ミミコですね。
 ラフ画の段階で「あまり可愛くし過ぎないように」と指定されたヒロインです。
 他の女性キャラは美人が多いのに、メインヒロインであるミミコは普通の女性という扱いです。
 
 ですが、人の生き血をすする吸血鬼と知りながら、
 当たり前のように接するその懐の深さと温かい母性は憧れます。
 私が知っている女性キャラのなかでも魅力は断トツです。

 ただネタバレになりますが、


 無一文の浮浪者になったり歴史的犯罪者になったり……
 日の目に当たったかと思いきや、
 インターネットで世界中からバッシングを受けたりとその不遇には涙がでてきます。
 ここまで凡庸で凄まじい女性キャラもそうはいないでしょう。


この作品の欠点、残念なところはどこですか?
 前作、Dクラッカーズにも見られますが、あざの先生はスロースターターだと思います。
 後半の怒濤の展開は目を見張るものがありますが、
 それまでは「うーん」と感じてしまうかもしれません。

 
 一巻はいたって平凡ですし。キャラ紹介を兼ねて、という感じでしょうか。
 あと、萌えは少ないです。どちらかというと燃えですので、あしからず。



■ 冬月藍さんの書評                       

 まずストーリーがとてもいい作品です。
 
 あざの先生の特徴だと思うのですがストーリーに緩急がついています。
 爽快なアクションシーンからシリアスなモノローグ、コメディまで上手に書き分けてあります。


 そしてキャラクターに人間味があります。
 この作品のヒロイン(?)葛城ミミコは普通の女の子です。
 ライトノベルのヒロインは大抵美少女だったり特殊能力があったりすることが多いですよね。
 
 けれどミミコの場合「アヒル口」や「貧乏性」など美少女とはほど遠かったりします。
 吸血鬼と人間の間をとりもつ調停員ではありますが特殊能力なんかもありません。

 それでも頑張る姿を見てるとかわいいなと思わされます。
 作中では「かわいい」の一言もないのにここまでかわいらしく、
 さらにかっこよく感じたキャラクターは他にいません。


 ほかのキャラクターも魅力的です。
 性格なんかをそのまま書かずにエピソードで見せるあたり参考になると思います。


お気に入りのキャラはいますか? どんなところが好きですか?
 上で書いたとおりミミコも好きなのですが・・・・・・(というより一人にしぼれません)
 あえて選ぶならカーサことカサンドラ・ジル・ウォーロック。
 なかなかいい性格した人です。

 ここからちょっっとネタバレになります。
 単純に敵だと思えない人です。複雑な生い立ちゆえか微妙に歪んだ性格してます。


この作品の欠点、残念なところはどこですか?
 私はないと思います。



■ あいさんの書評                        

  『Dクラッカーズ』の著者であるあざの耕平氏の新作、通称BBB。

 古今東西、幾多の作家が描いた吸血鬼というジャンルでありながら、
 読者を引き込む魅力がこの作品には溢れています。


 登場人物は皆強いキャラクター性を持ち、舞台はリアリティを備え、
 ストーリーは綿密にして大胆という、およそライトノベルに必要とされる全てを兼ね備えた作品で、
 ライトノベルの覇道を進む一つだと思っています。

 新井輝氏があとがきで語られているように、
 このBBBはまさに最強傑作と言っても過言ではないでしょう。


 主人公望月ジローの主君への忠誠、葛城ミミコの一途さ、望月コタロウの天然さなど、
 読者を魅せる人物達が特区と呼ばれる水上都市を舞台に所狭しと暴れます。
 何よりも、人間を凌駕する吸血鬼たちが起こす死闘が熱いですね。


お気に入りのキャラはいますか? どんなところが好きですか?
 ゼルマン・クロックが自分の一押しです。
 怠惰を常としながら、
 コタロウが関わると途端に「面倒見の良いお兄さん」になっているのがいいですね。
 世界屈指の吸血鬼という強力さも自分を魅せてくれます。


この作品の欠点、残念なところはどこですか?
 シリーズが前提なので、登場人物が一気に増えたことでしょうか。
 それ以外にこれといった欠点が見当たりませんね。


■ 一言感想コメント                       

・三巻以降の盛り上がりがよかった。

・とにかく熱くてカッコよかった。

・戦闘物がもともと好きだったのですが、物語の最後に、
 主人公とヒロインの「別れ」が大前提になっていることで生まれる物悲しい雰囲気が大好きでした。
 あとヒロインの葛城ミミコがどんどん成長することも好きになった理由の一つです。
 悩んで、苦しんで、迷って、困って、でも自分の信念に従って、
 自分にできる最大限のことを全身全霊でやっていくところが魅力的でした。
 すべてを受け入れてなお光り輝く女性って素敵だと思いました。"

・多数の色濃いキャラクターと、世界観が素晴らしい!
 躍動感のあるアクションシーンは最高!
 特に、脇役で美形の吸血鬼が最高のオレ様でヒールなのに格好よすぎてドキドキしました!


■ あなたはこの作品についてどう思いますか?(読者投票)     

最高です!一押し。
おもしろいです!オススメします。
なかなか良いと思います。
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