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帰るあてもない陽子の孤独な旅が、いま始まる。

十二国記


 ○読者投票結果
 最高です!一押し。 805
 おもしろいです! 99
 なかなか良いです。 22
 ふつうです。 5
 イマイチです。 4
 おもしろくないです。 1
 買うと損します。 5

ジャンル異世界ファンタジー
著者小野 不由美
出版社:講談社X文庫(講談社)
発行年月:1992年06月
本体価格 530円 (税込 556 円)
阿栖島さん(女性・19歳) りょうさん(女性・17歳)一押し!

■ 解説                               

「あなたは私の主、お迎えにまいりました」
 学校に、ケイキと名のる男が突然、現われて、陽子を連れ去った。
 海に映る月の光をくぐりぬけ、辿りついたところは、地図にない国。
 そして、ここで陽子を待ちうけていたのは、のどかな風景とは裏腹に、
 闇から躍りでる異形の獣たちとの戦いだった。
「なぜ、あたしをここへ連れてきたの?」
 陽子を異界へ喚んだのは誰なのか?
 帰るあてもない陽子の孤独な旅が、いま始まる。


■ 阿栖島さんの書評                       

 ライトノベルとは思えないクオリティ。登場人物の心情描写はかなり的確で鋭い。

 特に人の心の暗い部分の描写はすごい。

 異世界で、現代世界とは全く違う世界観と政治機構なのに、
 なぜか今の世界の問題点が浮き彫りにされていく。
 
 主人公が苦しみながら進んでいくさまは、読者に人として大切なことを教えてくれる。

 統治者として、一人の人間として国のことを考えていく。


お気に入りのキャラはいますか? どんなところが好きですか?
 六太です。なんかちいさくてかわいい。


この作品の欠点、残念なところはどこですか?
 一巻の始めはとても暗い。上巻で挫折した人もいるのでは。
 

■ りょうさんの書評                       

 とにかく深い。
 話の筋はかなりありがちなのですが、世界観や登場人物のものの考え方などは、
 文学作品に引けをとりません!!
 中華風ファンタジーと言う言葉だけではとても言い表せない深みがあります。

 濃い話や人間ドラマを読みたい! という方には特にお勧めです。

 文章もとてもきれいなので、
 ライトノベルを書こうと考えている方には参考になるのではないでしょうか?

 数年前にNHKでアニメ化されたのでご存知の方も多いかもしれませんが、
 このシリーズは今のところ全部で11巻出ています。
 また、講談社文庫でも出ていますので、
 「ライトノベルを買うのが恥ずかしい」と言う方でも安心して(笑)買えます。
 でも、はまってしまうと山田章博さんのイラストが見たくなって、
 ホワイトハート版もほしくなってきてしまうので、
 はじめにホワイトハート版を買ったほうがいいかもしれません。

 ちなみに私はホワイトハート版を買いました。


お気に入りのキャラはいますか? どんなところが好きですか?
 陽子に決まってるじゃないですか!
 なんと言っても初勅がかっこいいです。あと、剣で戦うシーンも。


この作品の欠点、残念なところはどこですか?
 続巻が出ないところです(もう5年目……)。

 あと、恋愛という要素が一切入っていないので、そこが残念と言えば残念ですね。



■ 一言感想コメント                       

・十二国記のどこが好きかと言われたら、まず登場人物たち、それぞれの立場や世界観が一貫して崩れることがなく、それらが複数の物語に渡って交差し進められているところ。とか、死んでほしくない人が死なないところ。
 古典や歴史モノは敷居が高く読みにくく疲れるけど、それらを10倍に薄めたような十二国記は、読みやすく親近感が湧いて理解しやすい。 1年かけて1冊苦労して読むよりも、1か月で10冊楽しく読む方が理にかなってると思う。

・半獣(ネズミ)の楽俊には、圧倒されるような武力とかひたすら輝くカリスマ性とかかっこ良さ、はないんだけど、泰若自然とした物の見方で、出会う人、遭遇する環境に物怖じしない強靭な柔軟性がある。
 ほのぼのしていてどこか頼りになるところに憧れてしまう。

・無駄なく厳選された流麗な文章、研ぎ澄まされた感性。
 各話に秘められた、膨大な量の大切な言葉たち。
 練りに練られ、ほんの幾許すらも矛盾を孕まない世界観。
 文句無しに、最高のライトノベルシリーズだと断言します。
 何度も読み返し、学び、気付き、あるいは触発されて、読者である私はこの本によって更に成長させて頂きました。
 読む毎に毎回多くの異なる気付きを得、読む毎にその文章に魅了されていきます。
 私にとっての思想書であり、娯楽であり、聖典であり、経典であり、物語であり、一等大好きな小説です。

・遠甫。理想の人物像であり、人徳の塊のような人物です。
 決して曲がらず、決して驕らず、仁義礼智信を体現した、飛仙と呼ばれる仙人の一人。
 あるいは先生として、あるいは仲間として、あるいは良き理解者として主人公に関り、慶国赤王朝に迎え入れられる。
 その言動、行動はこの世界観で到達しうる最高のものであると考えます。
 楽俊など、遠甫以外にも大好きなキャラクターは大勢いますし、その誰にも思い入れは強いのですが、それでも私の目標として、この人物に最大の魅力を感じます。

・ひたすら練りこまれた世界観が大きな魅力です。
 その世界観を余す事無く伝えてくる文章には説明のくどさが無く、むしろもっと知りたくなるような魅力があります。 
 また登場人物の成長が言葉の端々から感じ取れるのも面白かった理由です。
 特に主人公の陽子が自分自身をも含んだ深い人間不信と絶望の後、半獣の楽俊と接していくうちに様々なものを悟っていき、強く成長する様子は読み進めることに義務感すら覚えさせます。
 タイトルにもなっている十二国の繁栄と衰退、それを進める人、止める人。王、臣、民。身分に関わらず生きる人間達。 自分は練りこまれた世界観とそこに生きる人々の多彩さに十二国記の面白さがあると感じています。

・十二国記シリーズ(+魔性の子)
 同作者の「悪霊シリーズ・ゴーストハント」も捨てがたいが、現在入手困難なので、こちらを選択。
 物語の面白さがとても好きです。

・私の原点です。あんなに鮮明にファンタジーを描けるなんて驚きです!
 やっぱり中国を参考にしてるからという要因が大きいとは思いますが、
 リアルなファンタジーを作りたいと思うようになりました。

・まず世界観がとても作りこんであって面白い。
 そして、人と人との関わりや成長していく姿、考え方、全てが深くて何度読んでも飽きません。

・陽子が好き。腹立つくらい真面目・責任感がある。

・陽子が良い。周りから影響を受け、自分なりの答えを出しているから。


■ あなたはこの作品についてどう思いますか?(読者投票)     

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銃姫の引き金をひくものはいったい誰なのか。そして、銃姫の秘密とは

銃姫


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 ふつうです。 1
 イマイチです。 1
 おもしろくないです。 2
 買うと損します。 0

ジャンル異世界ファンタジー
著者高殿 円
出版社:MF文庫J(メディアファクトリー)
発行年月:2004年04月
本体価格 580円 (税込 609 円)
イアイドーさん一押し!(男性)

■ 解説                               

 かつて神は人間たちの愚かさに怒り、彼らから魔法の力を奪ってしまった。
 ところが、人は魔法を弾丸に封じ込め銃器で操ることを思いつき、
 ふたたび「力」を手に入れることに成功する。
 世界は殺伐とした戦争の時代へ突入した。
 少年セドリックは、姉のエルウィング、テロリストの少女アンブローシアと共に
 世界の命運を分けると言われる銃「銃姫」を探して旅に出る。
 銃姫の引き金をひくものはいったい誰なのか。
 そして、銃姫の秘密とは。


■ この作品について、熱く語ってください!            

 最近流行りの設定軽めのファンタジーとは違い徹底的に作りこんであります。
 
 しかしながら設定で推すような作品ではなく、あくまで主人公たちの心の成長を綴るラブストーリー
 
 少年漫画テイストの強い作品ですがかなり恥ずかしい系の作品。
 主人公たちの熱い一途な思いにシビレます。



■ お気に入りのキャラはいますか? どんなところが好きですか?  

 全員好き。


■ この作品の欠点、残念なところはどこですか?          

 設定はともかく地名が多くて憶えきれない。
 キャラの数が多すぎて把握できない。
 文章が不親切。
 読みやすいが分かりにくいといったところか。


■ あなたはこの作品についてどう思いますか?(読者投票)     

最高です!一押し。
おもしろいです!オススメします。
なかなか良いと思います。
ふつうです。
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