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 第7回スニーカー大賞受賞作、傍若無人のテクノマジック・ノベル誕生

されど罪人は竜と踊る

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 ○読者投票結果
 最高です!一押し。 347
 おもしろいです! 65
 なかなか良いです。 77
 ふつうです。 18
 イマイチです。 10
 おもしろくないです。 6
 買うと損します。 9

ジャンル異世界ファンタジー
著者浅井 ラボ
初版発行 2003年 02月
角川書店(角川スニーカー文庫)
価格(第1巻)619円 (税込:650円)
伊藤令二さん(男性・15歳) 間桐桜さん(男性・17歳) デリートさん(男性・14歳)
片目さん(女性・17歳) ライラさん(男性・16歳)
 Slipknotさん(男性・13歳)
freeheartsさん(男性・22歳) p太さん(男性・14歳) 『亀』さん(男性・16歳)
赤とんぼさん(男性)一押し!

■ 解説                               

 森羅万象を統べる究極の力、咒力。
 それを自在に操る咒式士二人組。
 ひねくれ者のガユスと非常識極まりない美貌の狂戦士ギギナは、
 事務所の財政難を解消すべく、いつものように役所の下請け仕事を引き受けたのだが…
 待っていたのは900歳になろうかという巨大竜。
 しかもそいつを倒したのがまずかったらしい。
 皇国を揺るがす大陰謀劇に強制出演となってしまった!
 第7回スニーカー大賞受賞作(『されど咎人は竜と踊る』を改題)にして、
 傍若無人のテクノマジック・ノベル誕生。


■ 伊藤令二さんの書評                     

 まず圧倒的なスピード感。
 はまり込んでしまえば絶対に抜け出せなくなります。


 ライトノベルの中でも分厚く、難解な方に部類されますがはまればページなんて気になりません。

 次に咒式。
 魔法のようで魔法じゃなく、科学のようで科学じゃない。
 予想の出来ない普通では考えられないような出来事が、咒式からは飛び出してきます。
 大量の化学式の羅列が、その魔法のような出来事を起こすことが出来るということを証明しており、
 リアリティがあります。
 
 論理的にしっかり証明されていない、そこら辺にあるラノベと比べて納得のしやすい作品だと思えます。

 さらに凄まじい展開。
 正義は勝つ……わけありません。
 
 この作品、正義が勝つことはほぼ皆無です。というより正義がいません。
 全員が生きることに必死で自分のことしか考えていないといってもおかしくないです。

 しかし、そこがまた人間臭く親しみを感じてしまいます。
 逆に正義を全うしようとする人は死にます。

 そんなシビアな世界です。
 まったく予想の出来ない展開。
 物語だからってすべてがいいようになるわけがないことを伝えてくれます。

 そしてバカ会話。
 癖になります。


 これにいたっては読むほうが早いですが、本当に面白い。
 現実的にはありえない会話なんだけど、そこではしっかり成立していて、
 しかも何故かありえそうな気がする。そんな不思議な感覚に捕らわれてしまいます。
 ニヤニヤ笑いが止まりません。


お気に入りのキャラはいますか? どんなところが好きですか?
 バモーゾ、レメディウス・レヴィ・ラズエルが大好きです。

 バモーゾはどこまでも主人公を追い続けるしつこさ。
 そしてそのこだわりが好きです。
 狂気に走る理由などを聞かされたときにはドキリとしました。

 レメディウスはどこまでも正義を貫く精神力に感動しました。
 どんなに辛いことがあっても自分の道を行く。その姿勢は素晴らしいです。


この作品の欠点、残念なところはどこですか?
 語りで言いましたが化学式が羅列します。
 だから理系じゃないとてこずるかも。


 しかし、そんな欠点を簡単に克服するくらいに魅力の溢れた作品です。



■ 間桐桜さんの書評                      

 この作品の背骨となる咒式。

 これは波動関数や作用量子定数に干渉して化学変化を起こさせるのですが、これが実にすごい!
 というのは、作者の下調べがよくできているのです。


 例えば「爆炸吼(アイニ)」という技ですが、TNT(トリニトロトルエン)を爆発させるものです。
 それにしても、仕組みから組成式までが詳しく書いてある。
 それが故に敬遠されやすいのも事実ですが。

 化学だけではなく、量子力学に物理学、数学における空間など、
 徹底的に理数にこだわっています。
 だからこそ、戦闘描写において限界の戦いができるんですね。

 
 この作品は単純な「剣と魔法」の話ですが、この魔法に当たるのが咒式です。

 また戦闘描写において、この作者の描写の長さがとてつもない!
 平然と人物を喋らさずに二十ページ近くも書き綴られていますが、全く飽きない!なぜだ!?
 しかも、この描写が目に浮かぶような描写力です。
 さすが、第七回角川スニーカー大賞奨励賞受賞作!

 次にこの作品の味の一つである、異常なまでの残酷性!
 正直なことを言ってしまえば、私の今まで読んだ異なる本(漫画、純文学や歴史文学)の中で、
 最もグロい!

 なんせ、第一巻から内蔵や脳みそが平然と吹き飛びます。
 二巻は「禍つ式」のその姿がまたグロい。
 そして五巻と言えばアナピヤの過去で「うえ・・・」とか言ってしまう!
 DD版でいえば四巻の「Soul Bet's Gamblars」の古き巨人と、ガユスの元生徒が・・・・・
 とまあ、食事中に読んではいけない小説ナンバーワンに私は指定します。
 この残酷性が故に作品がずんと重くなるのも確かです。
 この重さが作品の戦闘描写をかっこうよくする。
 

 そして、読み終わった後のため息・・・・・すごい鬱です。

 所長がおっしゃられた通りに第一巻は「比較的」民衆的です。まだにこっと笑えるようなものですが。

 第二巻のあれはなんだ!!!!!????

 終わった頃にはため息しか出ないほどのやるせなさと鬱。二巻でここまで鬱になるか・・・・
 レメディウスにナリシヤの壮絶な過去が、ガユスとギギナの陰謀に激しく絡んでいて、
 本当に救いようのない終わり方。

 メトレーヤ編のあれはなんだ!!!???

 こちらは第二巻と肩を並べるか、いえ、それ以上ですね。
 記憶喪失のアナピヤが長命竜に襲われていたのですが、この過去を知って、
 「なんで世界はこんなに不条理にできているんだ・・・・」と呟いていることは間違いなし。


 この作品の第二の味は、ギギナとガユス、他の人物による悪口と毒舌と皮肉の嵐。

 普通の作品なら怒ってしまいそうなまでの毒の含まれた会話は、
 この作品においては相当なギャグです。
 それも作者のセンスでしょうね。

 もう一つ、人物において普通人がいない!?
 全員が性格破綻者です。根性や性格においてねじれまくりですよ! ヒロインも関係ない!



 そして、作者の伏線の絡め方がここまで上手いとは思いもしなかった!
 少しネタバレになりますが、
 第四巻「くちづけでは長く、愛には短すぎて」のギギナの台詞
 「いくら私でも年の離れた娘に手を出す勇気は〜」てのが、
 後々の伏線になっていたり、一言も漏らすことができない。

 これは意外と注目されていないようですが、「愛ってこんなに辛いのか?」
 ジヴにしてもクエロ。・・・・辛い、愛って辛いのか・・・・


お気に入りのキャラはいますか? どんなところが好きですか?
 ・・・・・・・・・・・キーンイチ。
 これはDD版の短編集「幸運と不幸と」の人物ですが、笑いが止まらない。心臓強いな・・・・

 ギギナ。最高!ガユスのとの駆け引きが面白い!
 どうして椅子に執着するんでしょうかね。椅子と喋れるのは相当羨ましい!(ぇ

 なんといってもレメディウス!
 優しい優しい青年なのに大切な少女が死んで、性格が曲がってしまう本当に可哀想な人です。

 あとは、ムブロフスカ。
 ネタバレはあえてやめておきますが、煌皇釛沸灼鏖嗔息(アー・モーン)の咒式発動時がかっこいい。


この作品の欠点、残念なところはどこですか?
 残虐性とその性描写。味ではあるが、かなり他の人に敬遠されやすい。
 とくに性描写は生々しいので食事中に読むとリバースします。
 私は鼻からみそ汁を吐き出しました。

 
 特に角川版第二巻、第四巻、第五巻とDD版二巻、三巻、四巻には注意してください。

 これも作品を重くするための作者の意図ではあるのですが、漢字が多い!

 読者に理解不能な計算式もありますね。

 これは読者次第ですが、DD版が角川に比べて少し作品が丸くなった気がします。
 つまり、軽くなっているということです。

 これも私の主観ですが、クエロやジオルグ、ストラトス――
 ダラハイド咒式事務所の話はもっと後に残しておいてもいい気がするんですよね。
 少し過去の話をするには早すぎる。

 短編が多すぎる・・・・・・・・
 DD版の次の作品も短編ですし。ちょっとしらけますね。



■ デリートさんの書評                     

 僕は角川とガガガ文庫の両方読みました。両方とも素晴らしいですよ。

 この作品は理数系が嫌いな人でも読めます。
 僕は理数系が物凄く苦手ですが、この作品に引きずり込まれました。それほど面白いです。

 僕がこの作品に抱いた感想としては、とてもカッコ良い、です。

 高い描写力と豊富な語彙で描かれる世界は他に言いようがないくらいすごいです。

 一度カッコ良いと思うとすべてがカッコ良く見えます。
 よく分からない計算式や用語もその世界を構成するすべてに惚れますよ。

 僕にとっては最高の作品です。


お気に入りのキャラはいますか? どんなところが好きですか?
 ギギナ。
 戦闘時の彼と椅子と触れ合っているときのギャップが好きです。

 ジヴーニャ。
 彼女のおバカぶりには笑えます。あともう一つの人格にも……。


この作品の欠点、残念なところはどこですか?
 性描写が激しいところです。
 読んでて顔が真っ赤になりました。




■ 片目さんの書評                       

 私は角川スニーカーからではなく、ガガガの分厚い方を読みました。

 正直、理系が破壊的に嫌いな私ですが、
 『咒式』という新しい魔法(?)的な表現は驚きと新鮮さがあってグイグイ引き込まれました!


 『され竜』の特徴は重厚な世界観と過激的で残酷な描写です。
 ガガガの第4巻では、世のどんな女性でも目を背けたくなるような最悪の描写がありましたが、
 それすらこの本の魅力でしょう。

 しかしながら一度この斬新かつ過激かつ残酷な文章にハマると、
 どんなグロい表現でもケラケラ笑いながら読めるようになる中毒性のある作品だとおもいます!


 数あるラノベの中で屈指の読んだ後の爽快感が0に等しい作品です。


お気に入りのキャラはいますか? どんなところが好きですか?
 翼将のサナダ・オキツグとイェスパー!

 オキツグの方は4巻の最後らへんで少し登場するくらいなのですが、圧倒的な存在感があります!

 イェスパーは真面目なトコロと眼帯が私の好みだったのでwww


この作品の欠点、残念なところはどこですか?
 特徴ともいえる残酷な描写です。
 読者を選びます。

 
 私は好きですが。



■ ライラさんの書評                      

 俺が読んでいるのはガガガ文庫の分厚いものだけどそれでも読み応え有り。

 とにかく凄いの一言に限る!

 ギギナとガユスの超絶大舌戦には思わず笑ってしまいます。
 そして、なによりも戦闘シーンは重い、残酷、かつかっこいい。


 意味の分からない計算式は全てがかっこよく見えるし、なによりも伏線の張り方がうまいです。
 全てが他のライトノベルと違う。これこそが超絶戦闘の本家です。


お気に入りのキャラはいますか? どんなところが好きですか?
 ニドヴォルグです。
 夫の仇を取る姿は感動に飲まれました。

 ギギナ。
 椅子や棚に執着するところがおもしろいです。


この作品の欠点、残念なところはどこですか?
 かなり性描写がひどい。
 二巻の「Ash to wish」は俺も少し目を覆いたくなるほどでした。


 あとは好き嫌いがはっきりと出ます。



■ Slipknotさんの書評                     

 ライトノベルとは重量感のある作品です。
 一冊100kgぐらいかな? これで殴られたら死ぬかも(冗談です)。


 理解不能な数式、異常なまでの毒舌バトル、極限状態の集団食人、
 そして1ページ覆うかのような量の漢字の束!
 なかなか、こんなに重い作品はないでしょう。一般小説でも。

 しかも、作者の浅井さんは文の構成技術が半端無く高い。
 「絶対読みなさい」とまでは行かなくとも、読む価値はあります。


 1000円オツリがくる値段!


お気に入りのキャラはいますか? どんなところが好きですか?
 ギギナさん!
 誰がなんと言おうとも、凄く突出した魅力を持っている。気がする。


この作品の欠点、残念なところはどこですか?
 重いところ。人を選ぶので。以上!



■ freeheartsさんの書評                    

 お勧めとあったので購入しました。
 開いて思わず一言「文字多っ!」
 しかし頑張って読むと、すぐにこの作品にメロメロです。

 熱い戦闘シーン。毒舌会話の嵐。鬱になるラスト!
 特に2巻のあれは衝撃すぎました・・・だが、それがいい!


 他にないこの魅力。必読価値あり!
 もう、5冊目になると

 砲身内での平均速度:Va一五〇〇。Va=〇・五*Vo。三〇〇〇Vo=砲口初速[m/sec]。
 砲身円筒厚三〇・六[mm] t=Di/二*(((σa+P)/(σa-P))*〇・五-一乗)二〇Di:円筒の内径[mm]。
 一一〇〇〇σa:円筒材質の許容応力[Mpa]。九七四〇・四五P:円筒に掛かる内圧[Mpa]

 な、何故だ!訳の分からぬ計算式がカッコよく見える!!!
 文字が多い文、一冊で読み応えがありました。



お気に入りのキャラはいますか? どんなところが好きですか?
 ギギナですね。
 女性が誰でも目を奪われ、不動の精神。
 しかし、時折見せる馬鹿な素顔がいい。


この作品の欠点、残念なところはどこですか?
 短編が多い〜。
 悪くはないんですが、色んな謎を早く知りたい。



■ p太さんの書評                       

 面白いほどに常識人がいません。ツッコミですら。

 終わらない毒舌だか、からかいだかが笑いを呼び、
 でも全体としてはかなり重いと言う、奇妙な倒錯感に駆られますね。


 また、かなり化学の説明的なものがすさまじく「読んで疲れない小説が読みたい」と言うお方には、
 少しお勧めできないかもしれませんが「知ったことかぁ!」とか思える人には、本当にお勧めします。
 ある意味世の中の重みの極限とも言え、
 作者が鬱状態だった時に執筆したと言う第五巻は驚嘆に値します。でも笑える不思議さ。
 
 一言で言うと、笑いと重みが両極端で、微笑を浮かべながら読みすすめていくと、
 いつのまにか「うわぁ・・・」とかつぶやいてるのですね。
 

 また、伏線もさりげなく。ネタバレになりますが。

 五巻にて「一度に千年も年老いたような、ニルギンの声がナンタラカンタラ」
 って言う文の随分後に、実は千年生きた竜だったりするのが判明したりします。

 重く暗く、毒素が強いのですが、克服すればそれすらも一つの味として楽しめます。


お気に入りのキャラはいますか? どんなところが好きですか?
 光幻士ジャベ姉さんですかね。
 よくネタがつきないなと。


この作品の欠点、残念なところはどこですか?
 精神汚染や性描写が激しく、ラノベなのに恐ろしくヘビィなところですかね。
 軽く人生が嫌になる事さえも。



■ 『亀』さんの書評                       

 森羅万象を統べる究極の力、咒力。
 それを自在に操る咒式士二人組。
 性格の破綻した主人公――ガユス・レヴィナ・ソレル――
 と常識の対極に立つ狂剣士にして相棒――ギギナ・ジャーディ・ドルク・メレイオス・アシュレイ・ブフ
 アシュレイ・ブフ&ソレル咒式事務所は、
 ギギナの無駄遣いによって、抜け出すことの無い、永久の財政難に見舞われていた。
 今回引き受けた仕事は竜の討伐。
 そこで待っていたのは900歳になろうという準長命竜!
 もがけばもがくほど、陰謀の泥沼に堕ちてゆく二人の運命は?
 第7回スニーカー大賞受賞作(『されど咎人は竜と踊る』を改題)

 後味最悪、面白さ最高潮のテクノマジックノベルです!


お気に入りのキャラはいますか? どんなところが好きですか?
 ハッピーエンド? 何ソレ?
 とでも言うかのような後味の悪さと、超速の戦闘。
 そしてガユスとギギナの悪口対決にはニヤッとしてしまうところも。
 ギギナの傍若無人ぶりが最高!


この作品の欠点、残念なところはどこですか?
 字数が多く、好きな人は好きだが、苦手だと寄り付かないようなタイプ。
 読み終わると憂鬱になること(でも、それもまた良し)
 どこかの高校では閲覧禁止になるほど、精神衛生上悪いこと。



■ 赤とんぼさんの書評                      

 ガユスとギギナの掛け合いが最高です!!

 青少年が読むにはおすすめできないこともありますがまあいいでしょう。
 (全年齢対象とは思えない、官能小説ばりの18禁シーン+超絶残酷展開)

 5巻は衝撃的ですが受け入れられるひとには文句なしにオススメです。


お気に入りのキャラはいますか? どんなところが好きですか?
 モルオジサマだーーーーーいすき。

 人生観が54度ほどかわりました。


■ 所長からの一言                        

 されど罪人は竜と踊るは私も全巻、そろえております。
 第7回スニーカー大賞受賞の実力は伊達じゃありません。
 さすがに一巻は、新人の作品というだけあって、文章がこなれていない印象がありますが、それでも

 その毒舌ユーモアと重厚な世界観には一読の価値有り。

 特に、物語の背骨とも言うべき咒式の設定がすごいです。
 例えば、肉体強化をする咒式ではアドレナリンやドーパミンなどを合成したり、
 炎の咒式ではトリニトロ・トルエンといった爆発物を合成して爆発させたりと、
 目的とする現象を直接引き起こすのではなく、科学物質を合成して間接的に発動させます。
 どんな感じかというと……

 その両掌の中の、魔剣ネレトーの回転式咒弾倉が咒弾開放の火花を吹く!
 ギギナの発動した生体強化系咒式第五階位 <金剛鬼力膂法(バー・エルク)> により、
 筋肉繊維の遅筋にグリコーゲン、速筋にグルコースとクレアチンリン酸が、
 両方にアデノシン三燐酸と酸素を送り込み乳酸を分解、ビルピン酸へと置換。
 脳内四十六野と抑制ニューロンによる筋肉の無意識限界制動を強制解除する。
 同時に甲殻鎧の各部を締める螺子を弾き飛ばすほどに、瞬間的に筋繊維容量が増大する。


 読む人を選ぶと思いますが、まさに圧巻。

 また、この作品は、かなり残酷でひどい話です。
 小説で疑似トラウマ体験してしまいかねません。


 1巻はまだ大衆的なのですが、2巻から、浅井ラボ氏の振る筆から毒が滴ります。
 なんと、独裁者に囚われた女の子が地下の拷問室で○○!?
 そんでもって、生き延びるためにカニバリズム!?
 これ、ホントにライトノベル?と目を疑いました……

 生っちょろい展開なんてイヤー!ハードな話が読みたいんだ!
 という方にオススメです。


■ 一言感想コメント                       

・され竜は、何よりキャラたちの掛け合いが面白い!

・正義が負ける。もしくは勧善懲悪ではなく、皆、それぞれ自己中心的なキャラクターに惹かれました。独特の作者のヒネクレた思想がでていて、この作者は余ほどのロクデナシなのだと、読みながら思えた。
 この作品にでてくる一種の魔法、咒式の設定は理系寄りの方には受けると思います。私にはただの文字数稼ぎにしか思えないときがありますが。

・ガユスは、なんだかんだいって、周囲に必要とされているダメ人間。

・好きなところは、ガユスとギギナのアホ会話。鬱な展開。批判意識の高さ。

・これぞ男前。チェデックのおかげで見た目にとらわれない見方をできる ようになった。
 やはり美形なだけではだめだと思う。

・笑えるところは笑えて、熱くなれるところは熱くなれるのがすばらしい……

・喋り方というかギギナとガユスの掛け合いが、くどくて、むかつくけどクスっとくる。
 科学とか全く分からないけどストーリーで十分楽しめるから問題なかった。
 少し「うわあ」と思った所もあったけど眼を背けずドンドン読みたくなる。(とくに2巻と5巻あたりが・・・)

・咒式という架空の技術の存在する世界で描かれる圧倒的なリアリティのある社会構造。
 そんな世界で自分の力のなさに苦悩し葛藤し、最悪の選択をしてしまう主人公に憤慨し軽蔑し、
 心の中で罵声を浴びせながらもその人間臭さに共感してしまいます。
 自身を戦闘狂と認め、常に戦乱に身を置こうとし常に気高く在ろうとする相棒と、
 何もかも中途半端な自分を比べ、嫉妬し憎悪しつつもその強さに惹かれ
 依存していることに気付かない主人公の対比が緊張感を増してゆくダークファンタジー。

・咒式を使用することによって様々な事が出来るようになるのが羨ましい。
 あとは日常会話のクオリティの高さ。

・ギギナとガユスの絡みがとても面白くて飽きない。
 表現がおかしい部分もあったがガガガ文庫になってからはそれもなくて、何度も読みたくなる作品。

・咒式という不思議な世界の中、科学的な解説を入れることによって、
 世界の現実味や文章の面白みが増している。
 また、真剣な戦闘シーンにも関わらず、笑いを入れてくるところが良い。
 ガユスとギギナが罵り合うところ、もかなり面白くて好きである。
 特に、2巻は話が深く敵のレメディウスの心情の細部まで書かれているところは感動的だった。


■ あなたはこの作品についてどう思いますか?(読者投票)     

最高です!一押し。
おもしろいです!オススメします。
なかなか良いと思います。
ふつうです。
イマイチです。
おもしろくないです。
買うと損します。


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