ライトノベル作法研究所
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  4. 煉獄姫公開日:2013/02/23

煉獄姫

ジャンル:異世界FT
著者:藤原 祐
出版社:電撃文庫
発行年月:2010年08月

kiba884さん(男性・22歳) ゆーひかさん(女性・22歳)一押し!

■ 解説

 現世のひとつ下の階層に位置する異世界“煉獄”。
 そこに満ちる大気は有害であり、一方で人の意志に干渉して森羅万象へと変化する性質を持っている。
 瑩国第一王女であるアルテミシア―アルトは、その煉獄へ繋がる扉を身の裡に孕む特異体質の持ち主だった。常に毒気を身に纏い近寄る者すべてを殺してしまうが故、普段は呪われた子として城の地下牢に幽閉されている。
 しかし彼女は時折、外の世界へ出る。従者である少年騎士フォグと共に、王家の密命を受けて。煉獄の毒気を練り超常を操る“煉術師”として―。
 策謀と毒気が渦巻く都市“匍都”で繰り広げられる薄闇の幻想物語、開幕。

■ ゆーひかさんの書評2013/01/20

 非常に安定した文章と、どんでん返しのストーリーが秀逸。  

 全6巻とやや少なめですが、その分ストーリー構成が緻密で、特に5、6巻の終結へ向かっての盛り上がりは圧巻です。
(この作品だけでなく、ラストに向かって急速に盛り上がる構成は、作者藤原祐先生の大きな武器だといえます)

 ちなみに主人公のフォグとアルトは、最初からほぼ最強の戦闘能力を誇るタッグとして登場します。このストーリーの面白さは、「この最強の二人がどうやって追い詰められるの!?」というポイントにあるといっても過言ではありません。

 全体的に死者が多く、暗いストーリーですが、主人公のフォグとアルトがともに支え合い戦いながら成長していく様に希望を抱ける物語となっています。

お気に入りのキャラはいますか? どんなところが好きですか?

 主人公のフォグとアルトも捨てがたいですが、私の一押しは主人公フォグの「妹」のキリエです!
 彼女を表わす言葉はこれでしょう。
『自暴自棄』
 愛されず生きて、自らを道具として使い捨て、世界を嘲笑しながら生きているような娘です。
 自分とは対照的に幸せを手に入れようとしているフォグを羨み、八つ当たりのように彼に戦いを挑みます。

 しかし、そんな彼女がアルトと出会って、誰かから好きになってもらうことや、「死なないでほしい」と言ってもらえることを知るにつれて変わっていく様子には胸がキュンキュン締め付けられます。

 駄々っ子、ツンデレ、毒舌、不幸属性、増殖系(!)
 そんなキリエちゃんを救い隊! メンバー募集中です。

この作品の欠点、残念なところはどこですか?

 ラストに向けての盛り上がりがすごい半面、1,2,3巻の盛り上がりがややゆるやかなところです。
 あと、人によってはラストのあの子の処遇が賛否両論になっているところでしょうか。(私は希望が持てて好きです)

■ kiba884さんの書評2011/05/02

 産業革命時代のイギリス(のような世界)で、蒸気機関の代わりに魔法が使われてるような世界。
 ラノベとしては珍しく少々のグロ表現も出てきますし、結構な確率で敵味方かかわらず死人も出ます。
 作者は「電撃の黒い太陽」と言われる藤原祐。2chのラノベスレでもそれなりに名前がある人です。

 最大の魅力は何か?と言われればやはり少し暗い世界観と、筆者の筆力にあると思います。

 産業革命でスラムが出来上がったロンドン。
 そういった場所に惹かれるならば一読の価値はアリだと思います!

お気に入りのキャラはいますか? どんなところが好きですか?

 もーアルト姫が可愛い。ちょっとした事情でこのアルト姫は人格破綻してるのですが、そのためか、彼女が笑ったり泣いたりすると、それが普通の人が泣き笑いするよりも大きなエモーションを感じます。

この作品の欠点、残念なところはどこですか?

 世界観や設定が浅井ラボのされ竜など、似たようなラノベはある程度出されているため、既存の路線から脱却しているか、といえばそうでもない。良作にはなれても名作までにはなれない。

 少し暗い世界観が受け入れられない人にはちょっとオススメできません。

■ あなたはこの作品についてどう思いますか?(読者投票)

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おもしろいです!オススメします。
なかなか良いと思います。
ふつうです。
イマイチです。
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