ライトノベル作法研究所
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龍盤七朝 DRAGONBUSTER

ジャンル:異世界FT
著者:秋山 瑞人
出版社:電撃文庫
発行年月:2008年05月10日

あざらしさん一押し!(男性)

■ 解説

 虐げられる民“言愚”の青い目を持つ涼孤は似顔絵描きと講武所の下働きで糊口をしのぐ。
 かつて胡同の闇の中で、素性の知れぬ老婆より剣を習い、双剣を授かる。
 卯王朝、第十八皇女の月華は屋敷を抜け出しては市井を探検する。
 感情が高ぶると地団駄を踏みながらぐるぐる回る癖がある。
 涼孤はどぶ川の畔で双剣を持ち“龍を呑む”。
 月華はそれを目撃しー「妾も剣をやるっ!」
 鬼才・秋山瑞人が贈る、剣をめぐる物語。
 古橋秀之とのコンビによるシェアワールド企画“龍盤七朝”第一弾登場。

■ あざらしさんの書評

 ジャンル選択を『異世界ファンタジー』にしましたが、雰囲気としては中華風歴史ファンタジーです。
 加えて、ライトノベルど真ん中でもありません。
(アニメ化される人気作の傾向を真ん中にしての話ですが)  

 ライトノベルと一般エンタメの境目で、人によっては一般よりという人もいそうな感じです。

 秋山氏ですので文章がお上手なのは態々言うまでもありませんが、過去作品は文章作法としてギリギリな部分をもテクニックで読ませるという技が目立つのに対し、本作はスタンダードかつお上手です。

 後書きに次巻で完結予定と書かれていますので、おそらく2巻までを併せて一つの物語として読む作品の色合いが強そうです。
 そういった意味も含めて、一巻は序破急の『序』の段階です。
 つまり物語全体としてはさほど動いていません。

 ストーリーとしては、ある意味オーソドックスでもあります。
 王道であり変則ボーイミーツガール、先が読めない話でもありません。
 ですが、ぐいぐいと物語に引き込まれます。

 その魅力が何かというと、空気感の密度にあるように思います。

 物語を楽しむと同時に、文章そのものが楽しめ、雑踏のシーンでは人々のざわめきさえ感じられます。
 『ファンタジー』の肝、その架空の世界が現実味を帯びるという点に関して、なんの疑いもなく楽しめてしまえます。

 ちなみに、この作品『古橋秀之著:龍盤七朝ケルベロス』と世界設定を同じくしたシェアワールド企画ですので、併せて楽しむとより面白いと思います。

お気に入りのキャラはいますか? どんなところが好きですか?

 目立った登場人物は5名ほどなのですが、全員が魅力的です。
 と、いうか大好きなキャラクターがいると、秋山氏の作品は先を読むのが怖いです(汗)

この作品の欠点、残念なところはどこですか?

 なかなか出ない第二巻です。(2011年12月現在)
 速筆タイプの作者さんではありませんし、出るのが間違いなければ待つのですが『本当に出るのか?』というと一般的な意味を通り越して心配でもあります。
 古橋秀之氏とのシェアワールド企画ですので、たぶん大丈夫だと思うのですが『ミナミノミナミノ』と『EGコンバット』という前科があるだけに心配。
 欠点でも残念なところにも、ならないことを祈っております。

■ あなたはこの作品についてどう思いますか?(読者投票)

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おもしろいです!オススメします。
なかなか良いと思います。
ふつうです。
イマイチです。
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