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彼らの知らぬ所で、恐るべき陰謀が動き始めていた! 第7回ゲーム小説大賞銀賞受賞作

ウィザーズ・ブレイン

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 ○読者投票結果
 最高です!一押し。 367
 おもしろいです! 57
 なかなか良いです。 12
 買うと損します。 8
 ふつうです。 5
 おもしろくないです。 4
 イマイチです。 1

ジャンル異世界ファンタジー
著者三枝零一
初版発行 2001年 02月
電撃文庫( メディアワーク)
価格(第1巻)610円 (税込:641円)
とある将棋指しさん(男性・21歳) 指パッチンさん(男性・19歳) トトさん(男性・18歳)
太陽さん(男性・16歳) 観柳千磨さん(男性・18歳) みづきさん(男性・20歳)
kiyさん(男性) 一押し!

■ 解説                               


 大気制御プラントの暴走と戦争により、人類は滅亡の危機に瀕していた。
 存在の『情報』を書き換えることで物理法則すら操る「魔法士」の少年、
 天樹錬は、世界にただ七つ残された閉鎖型都市「シティ」のひとつ、
 神戸シティに輸送される実験サンプルの奮取の依頼を受けるが、
 サンプルとは、フィアという名の少女だった。

 一方同じく魔法士の「騎士」黒沢祐一は、「シティ」存亡の鍵を握るフィアを取り戻すため、錬を追う。
 それぞれに守りたい人々のため、ぶつかり合う錬と祐一…
 しかし、彼らの知らぬ所で、恐るべき陰謀が動き始めていた!
 第7回ゲーム小説大賞銀賞受賞作。


■ とある将棋指しさんの書評                   

 この小説と出会って早9年。長い間追っている小説でもあります。
 こんなにも待っていられる小説も珍しいと思うのですが、それにはちゃんとしたわけがあるんです。
 世界観とか設定がすばらしいのは言うまでもないですが、

 なんといってもそれぞれのキャラの行動が熱い!

 この作品のテーマは
「大切な人を見殺しにして多くの人を助けるか、それとも多くの人を見殺しにして大切な人を助けるのか」
 ということなのですが、これはとても難しいはなしです。
 
 どちらにもある程度正しさがあるため、
 どちらの立場の人が完全に悪人だなどということができないからです。
 
 それぞれのキャラはこの難題に対して自分の中でなんらかの結論を出して行動していきます。
 
 それぞれの信念に基づいた行動が人にどう影響を与え、世界がどう変わっていくのか。
 皆さんも一緒に見ていきませんか?


お気に入りのキャラはいますか? どんなところが好きですか? 
 とりあえず・・・クレアの可愛らしさは異常。
 はじめはあんまり好きじゃなかったけど成長している姿を見ているうちに、
 いつの間にかお気に入りになってました。


この作品の欠点、残念なところはどこですか?
 他の人も言ってるけどやっぱり遅筆なところかな。

 まぁ、いつまでも待つんですけどね。

 あとはじめのほうは世界観の説明が長いと友人は言っていました。

 そんな友人も3巻まで読んだら信者になってました。
 ウィザーズ・ブレインは最低でも3巻までは読んでみてください。

 3巻まで読まないと読んだことにはならないと個人的には思っています。



■ 指パッチンさんの書評                     

 ウィザーズ・ブレインはキャラクター、設定、シナリオ、どれをとっても一級品。

 理屈では正しいけれども、感情的には納得できない。
 登場人物はそういった局面にしばしばぶち当たるわけですが、
 そのたびにお互いの主張をぶつけあって、それぞれの結論を見つけ出し、少しづつ成長していく。
 その姿にとても心打たれます。

 シナリオのついては、多数派対少数派という構図が一貫してあるので、
 ストーリーとしては分かりやすく、読みやすいです。



お気に入りのキャラはいますか? どんなところが好きですか? 
 すべてのキャラが好きですが、そのなかでは、

男キャラ・・・イル、ヘイズ
女キャラ・・・サクラ

 が特に好き。
 イルとサクラのぶつかり合いの熱さは異常。


この作品の欠点、残念なところはどこですか?
 遅筆なところ。

 あとこの前友達に貸したら、読み始めるまでしばらくかかったそうなんで、
 とっつきにくい部類なのかもしれません。


 もっともその友達も読み始めてからは一気に既刊すべて買ったらしいですが。



■ トトさんの書評                        

 荒廃してゆく世界に生きる人々の想い。これに尽きます。

 人類の歴史は既に末期であり、それでも必死に生きてゆこうとする登場人物たちの姿に呑まれました。
 
 最近良く見られがちな、ただ単に主人公たちが美化された物語でなく、
 時に浅はかな考えで過ちを犯す彼らが決して聖人君子じゃないということを教えてくれます。

 
 もちろん所々に活躍する場面はたくさんあります。
 それは本人の視点から見れば確かに正義にしか見えません。
 しかし他の視点から見ればそれは確固たる悪なんです。
 
 こんな、別の視点、別の価値観からくる矛盾を躊躇いなく指摘してくることも、
 この作品の大きな特徴といえるかもしれません。
 
 私には、独特の世界観や高度な文明設定が霞むくらい、
 この作品は人間らしさが滲み出ていると感じました。


お気に入りのキャラはいますか? どんなところが好きですか? 
 ディーとフィア。
 たった一人の、出会って間もない女の子を護る為に全てを捨て、それでも自分であり続けられるディー。
 
 たった一つの想いのために生きたいと願い、
 結果数えきれない人々を死に追いやったことを後悔し続け、世界と向き合うことを決意したフィア。
 
 この二人が一番です。


この作品の欠点、残念なところはどこですか?
 他の人も指摘している、というより一巻を読んでいたら絶対気づくと思いますが、
 とにかく世界観の説明が長い。
 

 一巻から三巻まで主人公が違いますので、
 思い切って一巻を飛ばして二巻か三巻から読んだ方がいいかもしれません。
 それでもだいたい理解できます。



■ 太陽さんの書評                        

 とにかく面白い!!

 おそらくどこかで聞いた話っぽくなってます。
 しかしそれは100%いい意味です。


 おもしろいんです!!

 第1巻。
 これが俺は大好きです。俺がラノベにはまるきっかけです。
 2巻も3巻も面白いです!!
 それにヒロインも可愛らしい(笑)
 それを守る主人公もカッコイイ!!


お気に入りのキャラはいますか? どんなところが好きですか?
 全てですね!
 言うなら…ヘイズとか錬とか桜ですかね?
 ヒロインならフィアかな?


この作品の欠点、残念なところはどこですか?
 発刊が遅いところですかね?

 俺が1巻買ったとき、この作品は5巻、6巻でしたが、追いつきました。
 遅くなければ…



■ 観柳千磨さんの書評                      

 ご無沙汰しております。
 既に紹介が為されていたので、ちょっと悩みましたが、
 ラノベの中では自分に二番目に多大な影響を与えた作品でありますので、
 欲求不満解消がてらに協力させていただきたいと思います(渋笑

<以下本文>

●評価(本気レベル15%)

・世界観とストーリーの親和性 …… B+
・キャラの扱い方 …… S
・文体とストーリーの親和性 …… A±
・情報の扱い方 …… B−
・感性の開放 …… B+

・総評 …… A−

●熱く語る

 ウィザブレの最大限の魅力は、なんといってもキャラが魅力的なところです。
 
 一人一人のキャラがそれぞれ抱えるもの、悩むものが明確に描かれ、
 それらが単に心理描写だけではなく、行動なりキャラ同士の掛け合いなどから、
 読み手としてはより「深く」キャラ達に感情移入ができます。

 「作られた」キャラが一人として存在しなく、
 脇役一人にしてもそのキャラがそれまで生きてきた背景を感じさせるだけのモノがこの物語にはあり、
 そこには世界観だとか視点だとかも十分に影響している、というのが愚生の見解でございます。

 この作品に対する受賞当時の、選考委員の先生の台詞を借りるのですが、
 「魔法」が使える少年少女達にもかかわらず、主人公達は僕らと同じような部分で悩み苦しみもがき、
 それでも前に進もうと、或いは逃げようともしています。

 そんな彼らの姿が僕としてはとても「人間臭く」見えてしまい、
 どのキャラもが愛すべきキャラであるのです。


 ラノベは「軽い」ものだとか、ギャグを中心に楽しめればいい、というのも悪くはありません。

 然れども、そんなラノベにおいて重厚なお話、シリアスな展開、
 そしてどうしようもなく人間臭いお話の、僕の中での代表格はこれでございます。

 
 この一押し紹介文を読まれた酔狂な皆様も、
 これを機に是非まずは立ち読みしてみては如何でしょうか?(笑


お気に入りのキャラはいますか? どんなところが好きですか? 
 主人公格のキャラは全てです。理由は、一人一人語っているとキリがありません(汗

 とりあえず、基本的には上で語ったとおり、どうしようもなく彼らが人間臭いから、ですネ。


この作品の欠点、残念なところはどこですか?
 更新が遅いことですかね。
 後、欠点といえば欠点でしょうが、初めて読む方への注意事項。

 とりあえず、第一巻の序盤にだらだらだらだら世界観の説明が続くシーンがあります。
 
 難解な部分ではあるのですが、そこを乗り越えて
 作品世界における一種の「共通認識」さえ身につけられれば、
 その後のストーリーで感動の渦に叩き込まれること請け合い……だというのが、僕の見解でございます。

 ではでは。



■ みづきさんの書評                       

 既に正統派なプッシュはされているので、変化球な押し方をしてみましょう。

 浅く広くオタクをやっている人間だとわかりますが、
 実はこの作品、結構様々な作品の影響を色濃く受けています。
 2巻以降あとがきで作者自身が開き直ってしまい、
 影響を受けているという事実を(わかる人にだけ)公表しちゃっています。

 しかし
 『影響を受ける=パクリ=オリジナリティ無し=悪』
 という公式が適用されるのか?


 否。
 断じて否!
 この作品の素晴らしさは、そんなことは瑣末事!

 本作の根底に流れるテーマ、深い設定、プロット、
 魅力的なキャラクターと様々な長所は全く色褪せません
 なぜ大丈夫なのか、という疑問はあまりにも簡単です。

 テーマ、設定、そういった作品の根っこになる部分は、間違いなくオリジナルだからです。

 たとえ色濃く他作品の影響を受けようが、自分の中のフィルターを通して消化し、
 土台をしっかりさえすればパクリうんぬんなどどうでもいいことになるという、証明です!
 その証拠に影響うんぬん事実を知って、
 『嘘だと言ってよバーニィ』状態になった私はエロゲに手を染めましたが、
 影響元より本作品の方がウン十倍大好きです!

 某所で言われる「パクるならエレガントに」の一つの方向を体現する、素晴らしい作品です。


お気に入りのキャラはいますか? どんなところが好きですか?
 デュアルNo.33
 驚異的な天性の才能を持ちながら、意志が弱いために全てを無駄にする少年。
 しかし意志を強くすれば人は真に強くなれるのか? 
 天性の才能を100%発揮すれば、しあわせになれるのか?
 そんなことはない。

 本当の強さとは何かを求める、誰にも負けないけれど誰よりも弱い、そんな少年です。


この作品の欠点、残念なところはどこですか? 
 遅筆。



■ kiyさんの書評                         

 一言で言うと「もどかしい」小説

 過酷な運命を背負った少女「フィア」と主人公「天樹錬」の出会いから一週間の話。
 突然の事故で大地は一面雪だらけになってしまった中、
 人々は生きるためにエネルギーを求め、その結果生まれた少女がフィア。
 彼女のささやかな優しさが、運命を知る錬を苦しめる。
 しかし彼の成長していく様はとても強く、人としての心を熱烈に表している。

 シリーズ物でありながら、複雑に織り合わさったシナリオは、
 次第に現実味を帯びていき、読んでいてまったく飽きません!



お気に入りのキャラはいますか? どんなところが好きですか?
 ・・・フィア・・・

 彼女の優しすぎる性格は、読者には痛いほど伝わってきます。

 かわいいし。今時こんな女の子がいたらなぁ・・・とついつい思ってしまいます。


■ 一言感想コメント                       

・ウィザーズブレインは、とにかく作中に出てくる情報制御という異能力の設定等が面白い!
 物理学を根底としているから、妙に現実味がある。

・世界観、テーマに惹かれた。

・魔法はオカルトではない。
 ウィザーズ・ブレイン一巻のこの一文が一番強く印象に残っています。
 雲に覆われた極寒の世界というのもそうですが、「魔法士」の力や設定が非常に面白く、
 またストーリーも一筋縄ではいかない。「悪人」がいないにも関わらず起こる悲劇。
 一巻の帯の”ありえないこと”すら操る魔法士もまた”どうしようもないこと”の前に足掻いている、
 これはひどくもどかしい小説だと思う。
 というのはまさに作品を表しているとおもいます。

・ウィザーズ・ブレインの面白いところは、ストーリーの明快さ、
 それぞれのキャラクターが苦しみながらも成長していく姿です。
 世界の大きな流れの中で個々人が自らの信じる正義のために動く。
 当然異なった主義、主張が出会ったときには、争いが起こるわけですが、
 そのぶつかり合いを通じて自分なりの結論を見つけていく姿には心をうたれます。
 全体を通して多数派対少数派の構図が貫かれているのもプラスポイント。


■ あなたはこの作品についてどう思いますか?(読者投票)     

最高です!一押し。
おもしろいです!オススメします。
なかなか良いと思います。
ふつうです。
イマイチです。
おもしろくないです。
買うと損します。


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