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パートタイム・ナニー
時給五千円につられ、外国人家庭の乳母のバイトに応募した剛。 だが、肝心の坊ちゃま―バーソロミュー・ウェリントン、通称バブーは一つ年上の18歳。 知能も運動能力も高いが、“悪魔の尻尾付き”と称される、超トラブルメーカーだった!! 歴代乳母が手を焼いた坊ちゃまを腕力でねじふせるため、若くて腕っ節の強い剛が選ばれたのだ。 その日から、平穏で堅実だった剛の毎日は激変し……!? 荒唐無稽な設定を、問答無用の説得力で描き切る!!読み出したら止まらない、 嬉野君、衝撃のデビュー作。
「学園」にさせていただきました。 主人公が高校生なので、学校がたまに出てくるので……。 で。 熱く語る……ことがとてもとても出来ないくらい、 いい意味で馬鹿馬鹿しく脱力系なコメディ小説です。 荒唐無稽というか、どう考えてもこんなの全然ありえないだろう、という感じの、 でも不条理系というわけでもない、お金持ちのお坊ちゃんを中心とした、 なんとも奇妙なタッチのコメディというか……。 「人間災厄」とか「変態暗殺者」とか「グレイ風雨女」とか、 出てくるゲストキャラの大半が「変」で、これは……これでいいのかな…… と小首を傾げつつも笑いながら読み進められて、 最終巻では定番の、ちょっとホロリとするところもある……ような……? とまあ、なんとも歯切れが悪くなってしまうくらい、変なコメディだったと思います。 ……こんな語りしか出来ないのがあれなんですが、でも、本当に面白かったんです。 本当です……。
やっぱりここは、貴族の坊ちゃまであるバーソロミュー・ウェリントン、通称バブーです。 この、お騒がせな伯爵家子息の馬鹿さ加減が、 もう、なんだか、思わず脱力してしまうほどに好きなんですよね。 本当にどーしょーもない奴なんですけれども(笑)。
そのあたりが「あえて割愛」されていたようなのが残念でした。 せめてもう一巻くらい、番外編とか外伝とかいう形で、 それらのエピソードが補完されて発行されたら嬉しいのですが…… ウィングス文庫は、雑誌『小説ウィングス』に掲載されてから文庫本になる、 という形を取っているので、その辺があまり期待できなさそうなのがちょっと寂しいところですね。
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ピーターパン・エンドロール
4月。新学期の教室のなかで、御前江真央はその心と身体に奇妙な違和感をおぼえていた。 自分がここにいる意味がわからない。クラスメイトの顔も思いだせない。 なぜだろうか、お腹の奥には「何か」がいるような感覚までする。 すっかり困惑する真央だったが、ピーターパンのような不思議な少女との出会いをきっかけに、 一緒にその違和感の正体を探りはじめる……。 すべての「少年少女」に贈る、大人になれない少女と大人になりたくない少女の、 夢と冒険、妄想と現実の物語。
ラノベ界の「そっと評価されるべき、隠れた名作」ランキング一位ではないかと、 今のところ個人的に思っている。 ジャンルに、『学園』を置いたが、これはあまり適切な表現じゃないかもしれない。 本当は『サイコ』としたかったが、そんなジャンル名は存在しなかった。 もしかしたらこれさえも、適切なジャンル表示じゃないかもしれない。 とても不思議な作品。 作者は、今をときめく人気作家、日日日(アキラ)。 自分は『狂乱家族日記』『蟲と眼球』と本作しか日日日を読んでいないが、 個人的には、その中で最も面白い作品だと思う。 日日日自身は、この作品を「ライトノベル」として認識していないような口ぶりを見せていたが、 この作品は十分にラノベとして考慮することができる。まあ人それぞれだけど。 ストーリーは、主人公の少女、御前江真央が、現実と妄想との間で生きるお話。 あまり語るとネタバレを含んでしまうので多くは話さないが、 この作品の物語前半から後半に入るところで、ものすごい仕掛けが施されている。 推理小説などでよく見る「叙述トリック」をミステリーでなく一人称のライトノベルに持ってきたと言う感じか。 そこの描写が本当に簡素で、あっけなく崩壊する「世界」がどこか愁いを帯びていた。 冷めた興奮(悪い意味ではない)が、よく分からない方向に読者の熱を引っ張っていく。 雰囲気は、俗に言う「暗黒ライトノベル」と呼ばれるものに似ているところがある。 というか、この作品自体が「暗黒ライトノベル」かも。 笑いどころや萌え要素・燃え要素は皆無。 普通のラノベに飽きた人や、ラノベに文学性を欲している人はいかがでしょう? 何回読んでも飽きない。読めば読むほど、新しい何かが自分の中から「生まれ」ます。
そもそもこの作品には主要なキャラクターがほとんどいない。 メインは二人なので、二択として考えさせてもらいます。 ここはあえて、主人公の御前江真央ちゃん……ではなく、「旅人さん」をチョイスしましょう。 彼女の一挙手一投足が不思議な空気をかもし出していて、 心の奥底のどこかにぐっと来るものがあります。
それでもやっぱり若干人を選ぶ作品だと思う。 ライトノベルに「楽しさ」「明るさ」だけでなく「文学」「闇」を求める人にとっては、 とても好きな作品になるのでは。
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風水学園
家相によるトラブルを、風水をはじめ様々な霊的手段で封じる “魔法建築士”を目指している榎小角は、 クラスメイトの巫女・浅間石那の神社に居候する専門高校生。 昨年度の最優秀生徒に選ばれるほどの実力を持つ彼だが、 不慮の事故で留年していた一昨年度の最優秀生徒・諌早東日流にライバル視され、 少々ウンザリの毎日だ。ところが、担任から「おまえらの課題はチームワークだ!」と叱責されて、 家霊を駆除する校外実習では東日流と組むハメに…。
変人が集まったら、こんな感じなんでしょうか。常識人は、1.5倍まともに見えます。 とにかく、恋愛が切なさで乱れまくってます。 特に、秋津志摩の脳内では桃色の即売会が待ってるぜ、みたいな。 戦闘シーンも、鬼気迫るものを感じさせてくれます。 マニアックに多少でも免疫がある方なら楽しめるシリーズかと思います。
石那の名前の由来を、1巻で知ってから注目してました。 4巻を見てからは、ますます好きになって胸が苦しいです(おい)! 自分のことより、他人のことを常に考えているところが特にいいです! 料理の属性が『あれ』じゃなければ結婚したい(おいおい)!!
ピックアップ的なもので、先がなんとなくみえてしまうのも残念です。
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