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スカイウォーカーであると言うだけで宣教部隊に殺される時代

猫の地球儀


 ○読者投票結果
 最高です!一押し。 55
 おもしろいです! 15
 なかなか良いです。 6
 ふつうです。 0
 イマイチです。 1
 おもしろくないです。 0
 買うと損します。 2

ジャンルSF
著者秋山 瑞人
出版社:電撃文庫(メディアワークス)
発行年月:2000年01月
本体価格 510円 (税込 535 円)
根っこさん一押し!(女性)

■ 解説                               

 スカイウォーカーであると言うだけで宣教部隊に殺される時代。
 三十六番目のスカイウォーカー朧が残したロボットと
 彼の人生のすべてが詰まったビンを拾ったのは、
 朧の予言通り、三十七番目のスカイウォーカー幽でその幽は一匹のちっぽけな黒猫だった―。
 史上最強の斑は過去四年に渡りスパイラルダイバーの頂点に君臨し続け、
 斑に挑戦することはすなわち、死であると言われたその斑に勝利したのは
 二千五百三十三番のスパイラルダイバー焔でその焔は一匹の痩せた白猫だった―。
 そんな幽と焔が出会ったとき、物語は始まる…。SFファンタジー。


■ この作品について、熱く語ってください!            

 秋山作品の中では、短い部類に入る全2巻。
 そのためか、しっかりとまとまった、特に完成度の高い作品です。

 登場キャラクターに人間が1人も出ない、『猫とロボットしかいない、宇宙ステーション(?)』という、
 独特な舞台にもかかわらず、背景設定や、生活感が、さりげなく描写に織り込まれていて、
 「本当にこんな世界があるかも」と思わせてくれるのは流石です。
 
 キャラクターも、個性的にもかかわらず、非常に安定感があり、
 それぞれがしっかりとした人生観や、視点を持っています。


 総じて、独特なのに、安定感がある、非常にしっかりとした描写が魅力的です。

 また、「夢を追い求める、というのはどういうことか?」
 というテーマの切り口も新しく、私はこれまで出会ったことがない、
 新たな視点が広がるのを感じます。
 
 「夢」はある意味、他人からは理屈で理解できない「酔狂」でもある。
 それに全てをかけることが、他人にどう影響してしまうのか。
 このテーマの描き方まで安定しているのは、流石です。

 終盤の展開の見せ方も、切なさの演出にまで、上手さと安定感があり、唸らせてくれます。
 いやホント、上手いわ、この人は。

 

■ お気に入りのキャラはいますか? どんなところが好きですか?  

 焔も幽も楽もクリスマスも震電も大好きなのですが、ここは霞坊を上げておきましょう。
 ふざけたノリのお坊さんですが、禅宗で語られる偉いお坊さんに似た雰囲気があるというか、
 本当に徳があるのはこういう人(猫ですが)なんだろうな、と思わせてくれます。

 何より、物語り全体においての、重要なテーマを提示し、示してくれる重要なキャラクターです。
 終盤の説教は、やや、自分のことを棚にあげている感もありますが、
 それを差し引いても、しっかりしたキャラクターだと思います。


■ この作品の欠点、残念なところはどこですか?          

 やや、テーマを前面に出しすぎているので、人によっては鼻につくかもしれません。

 あと、秋山氏特有の悲劇的展開がありますので、絵に騙されて、
 ほのぼのしたい気分の時に読むと、えらい目にあいます。


■ 一言感想コメント                       

・人類がいなくなった後の宇宙コロニーと、そこを闊歩する電波猫なる生物が生き生きと描写されている。
 夢と言う普遍的なテーマを扱いながら、重く、しかし爽やかな読後感を持つ物語。


■ あなたはこの作品についてどう思いますか?(読者投票)     

最高です!一押し。
おもしろいです!オススメします。
なかなか良いと思います。
ふつうです。
イマイチです。
おもしろくないです。
買うと損します。


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「天秤の錯覚」「羅針盤の夢」「六分儀の未来」と続く全3巻のSFファンタジー

ねこのめシリーズ


 ○読者投票結果
 最高です!一押し。 3
 おもしろいです! 4
 なかなか良いです。 1
 ふつうです。 1
 イマイチです。 0
 おもしろくないです。 0
 買うと損します。 0

ジャンルSF
著者小林 めぐみ
出版社:富士見ファンタジア文庫
発行年月:1992年08月
本体価格 1,100円 (税込 1,155 円)
日向 葵さん一押し!(女性・26歳)

■ 解説                               

 ばかやろー。ウサギと間違えられるだけでも屈辱だっていうのに、
 こんなへんぴな惑星に無理矢理つれてこられて、
 そのうえ〈悪魔の使い〉呼ばわりされて殺されそうになるなんて、
 いくらジゼルが猫だからって、あんまりだー。
 ジゼルは猫型生体機械。
 飼い主は、衰退をめざす銀河文明のなかで、
 ただひとつ発展をつづける巨体企業E・R・Fコーポレーションの会長夫妻の娘、なつめだ。
 
 身体の弱いなつめのために、銀河のあちこちを見てまわり、内蔵のレコード装置に記録しようと、
 勇んで旅に出たとたんにこの大騒ぎだ。
 わけのわからぬ宮廷内闘争にまきこまれるし、ジゼルはいったいどうなっちゃうんだろう。
 ねえ、アスラ、なんとかしてよー。
 『ねこたま』『まさかな』につづく小林めぐみの最新長編。煌きのコスミック・ファンタジー。


■ この作品について、熱く語ってください!            

 「天秤の錯覚」「羅針盤の夢」「六分儀の未来」と続く全3巻のSFファンタジー。
 世界観はまるっきりSFですけど、ストーリーや雰囲気はファンタジー要素が強いです。


 主人公は猫であるジゼル。

 発達したロボットたちとの戦争を経験し、ロボットを毛嫌いしている社会。
 ロボットは何をしたかったのか、どうして人に反旗を翻したのか。
 その結果生まれたサイバノイド――作られた命であることに誇りを持ち役職を全うする機械、
 人は彼らにどんな感情を抱くのか。

 遺伝子操作で生まれた人工的な人間に人権を与えるか否か。
 そんな数々の社会問題を、人に寄りすぎず、
 けれど猫というには人間的過ぎるジゼルの視点で見つめる話。


 個人的にはジゼルの出生とそれに纏わるエピソード(最終巻)が一番好きですv
 

■ お気に入りのキャラはいますか? どんなところが好きですか?  

 ジゼルがとても可愛く、猫好きにはオススメします(笑)


■ この作品の欠点、残念なところはどこですか?          

 一読しただけでは時間軸の流れがわかりにくい。
 
 話の流れ自体はわかるのだけれど
「この時点ではジゼルはどこまで記憶を取り戻してるんだろう?」
「あれ? この記憶って前回取り戻してなかったっけ?」
 とかいう疑問が時々発生する(--;

 良くも悪くも独特の雰囲気を持っている作者様なので、ダメな人はダメかもしれない。


■ あなたはこの作品についてどう思いますか?(読者投票)     

最高です!一押し。
おもしろいです!オススメします。
なかなか良いと思います。
ふつうです。
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