ライトノベル作法研究所
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紫色のクオリア

ジャンル:SF
著者:うえお 久光
出版社:電撃文庫
発行年月:2009年07月

あざらしさん一押し!(男性)

■ 解説

 自分以外の人間が“ロボット”に見えるという紫色の瞳を持った中学生・毬井ゆかり。
 クラスでは天然系(?)少女としてマスコット的扱いを受けるゆかりだが、しかし彼女の周囲では、確かに奇妙な出来事が起こっている……ような?
 イラストは『JINKI』シリーズの綱島志朗が担当。「電撃文庫MAGAZINE増刊」で好評を博したコラボレーション小説が、書き下ろしを加え待望の文庫化!
 巻末には描き下ろし四コマのほか、設定資料も収録。

■ あざらしさんの書評

 この作品を表す言葉は、人によって様々だと思いますし私もそうです。
 ですが、引き算に引き算を重ねて端的に語るなら『凄い』という言葉が残ります。
 いや、『すさまじい』でも良いかもしれません。

 タイトルにある『クオリア』という単語に目を引かれる方も多いかと思います。
 作中にもハードSF小説という、ある意味閉ざされた世界で聞く単語が数多く出てきます。
(もちろん元は小説でも何でもなく物理なり量子力学なりの学問ですが)

 ですが、ご安心を。
 そういった予備知識がゼロで読めますし、同時にハードSFを求める人にも楽しめる小説です。

 本作は、
 『毬井についてのエトセトラ』『1/1,000,000,000のキス』『if』の三編からなります。
 中でも『1/1,000,000,000のキス』が凄いです。
 どうやってたたむのか? と思わせるほどの大風呂敷です。
 ライトノベルとして純粋に、かつ気軽に楽しめる『毬井についてのエトセトラ』があってこその他二編ですし、『if』も単独では成り立ちません。

 ですが、『1/1,000,000,000のキス』だけで五回ほど読みました。

 おそらくは、これからも繰り返し読むことになると思います。
 熱く語りたいが、これ以上はほんの少し語ってもネタバレになります。
 初読は是非予備知識ゼロで読んでみてください。

 思わず「うわぁ!」とか「うぎゃぁ!」という雄叫びを上げるかもしれませんので、場所を選んでどうぞ。
 そういった叫び声をあげた方が楽しめる作品だと思います。

 SF作家・評論家・編集者など約100人に対するアンケート、早川書房の『SFが読みたい!』2010年の10位にランキングされました。

 だから読むべき、などという事ではありません。
 ライトノベルという枠を超えて評価される作品ですし、SFが苦手な方にこそ読んで頂きたい本格SF作品でもあり、もちろんライトノベル作品です。
 だまされたと思ってどうぞ。

お気に入りのキャラはいますか? どんなところが好きですか?

 全員なのですが、加則智典(かそくとものり)です。
 理由を書きたいですが、これから楽しむ人のために秘密で。

この作品の欠点、残念なところはどこですか?

 あることはありますが、気になりません。
 作品とは別のことですが、一般レーベルで表紙を変えたバージョンも同時発行すべきかな? と思ってしまう作品です。

■ 一言感想コメント

・時間を使ったSFで、なのに物語の主筋がシンプルだったのが良かった。
2012/10/27

・こんばんは、和算蛇人です。
 以前、雑談チャットだったかな?でオススメされた、『紫色のクオリア』という小説が有りまして。
 何だかんだで昨日になってしまいましたが、図書館の本を借りて読みました。
 何と言うか、凄い刺激的でした。
 例えるなら、生の唐辛子みたいな感じでした。
 エグいというか、狂気ってる作品ですが、個人的な趣味嗜好を除けば、かなり面白いと認めざるをえない作品でした。
 今だからこそ、こう思うのかも知れませんけど。
 どなたに薦められたのかを失念してしまいましたが、この作品を薦めてくれた方にお礼を言いたくて、こうして書き込ませていただきました。
 薦めてくれて、ありがとうございました。
 とても興味深い内容でしたし、この作品に出会えてよかったと、素直に思います。
 そして、薦められなかったなら、僕はおそらく、この作品に出会えていません。
 ですから、本当にありがとうございました。
2012/09/16

■ あなたはこの作品についてどう思いますか?(読者投票)

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