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書きあぐねている人のための小説入門
「どうしたら小説が書けるか」という素朴で本質的な事柄について繰り返し説いているところです。 “小説風のもの”ではなく本物の小説を書くにはどうすべきか、 著者の論点はいつもここに立ち返ってきます。 従来のマニュアル書にあるような「テーマは?」「ストーリーは?」「描写は?」「書き出しは?」 といったことにも触れていて、本書の体裁は小説指南書の骨法にのっとってはいるのですが、 著者の関心事はテクニック上の問題も含めて小説はいかにして小説になるのかという点なのです。 しかし、実は一般の小説家志望者が一番聞きたいのはこの点なのです。 自分が書いたものが小説らしき形態を有していても小説とはされないのはなぜか。 なぜうまく書けないのか。あるいはうまく書く必要はあるか。 こうした根本的な問題を著者は丁寧にわかりやすく説いていきます。 ●小説を書くことは何か新しいものをつけ加えることだ。 ●一つの小説を書いたあと、作者は書く前より自分が高められていなければならない。 ●登場人物は肯定的に書かねばならない。…… などなど、実作者が体験的に説いた“小説作法”であるだけに一つひとつ説得力があり、 小説を書くことへの道が開かれていくはずです。 芥川賞作家にして、新作『カンバセイション・ピース』が話題の著者による 画期的な“小説の書き方”です。
2章 小説の外側から―ジャズ、アフリカ文学、哲学… 3章 何を書くか?―テーマからの解放 4章 人間を書くということ―リアリティとは何か? 5章 風景を書く―文体の誕生 6章 ストーリーとは何か?―小説に流れる時間 7章 テクニックについて―小説を書き始めるためのいくつかの覚書
他のハウツー本が、小説の描き方の技術的なノウハウを伝授しているのに対して、 この本は、そういったマニュアルを否定して、そこからの脱却の重要性を語っています。 小説を描くには、まず感じ、そして考えること。 マニュアルをそのままなぞったのでは、小説らしき物にはなるが、真の小説にはならない、 そもそも小説にマニュアルなどないと、マニュアル至上主義の危険性を訴えています。 今一度、小説を描きたいと思った初心を思い出させてくれる本ですね。 最初は、マニュアルを真っ向から否定する著者の保坂 和志さんに反発を覚えたのですが、 知識ばかり肥大化して、小説が書けなくなるというスランプに陥った後で読み返すと、 なかなか身につまされることが多かったです。 まさに『書きあぐねている人のための〜』というタイトル通り、 これはテクニックを追い求めて、袋小路にはまってしまった中上級者の方に対して、 現状を打破するための良い指針を示してくれる本です。 ただし、かなりの劇薬なので、一歩間違えると気づきを得るどころか、 さらなる迷いに捕らわれることになるとなると思いますが…… これこそ自分で考えるという基本に立ち返らせるための著者の狙いかもしれません。
おもしろい小説を作るためにはどうしたら良いか? という問いに対しての明確な答えは用意されていません。 ただひたすら、読者に考えさせる内容になっています。 そのため、一読した際は、著者の考えがよく理解できませんでした(汗)。 自分で考えること、自分なりに感じたことを作品すること…… この基本の部分の重要さを、繰り返し述べています。 それ故、マニュアルでは捉えきれない文学の奥深さ、小説の難しさを痛感させられます。 自分なりに感じるということは、他人の言葉を鵜呑みにしないことから始まる。 これは、本書の中の一文です。 直感的、感覚的に感じられる何かが大切なのであって、 何も感じられないままマニュアル通りに小説を作っても、それは小説ではない。 だから、この本の内容も、理論的分析的に読むのではなく、 誤解したり歪めても良いから、自分なりの感覚で何かを感じて欲しいと著者は語っています。 この本に出会ったことで、 安直にテクニックは不要と考えて、ひたすら感覚で小説を作ってしまう人も出てくるでしょう。 技術の収得を放棄して作られた作品は、ほぼ100%駄作なので、ご注意をば。 幼稚園児とピカソの絵は、ぜんぜん別物です。 故に、マニュアルに限界を覚え、もう一度初心に返りたい、 自分の壁を突き破りたいと本気で考えている、中上級者以上の方にオススメしします。 また、ライトノベルではなく、一般小説を対象とした作法なので、 購入の際にはそのあたりも考慮にいれてください。 もう一度初心に返りたいと思う方にオススメです >>> |
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ベストセラー小説の書き方
超ベストセラー作家が、自作をはじめ、さまざまな例をひきながら、成功の秘密を説き明かす。 何百万もの読者に支持される人気作家ならではの、 それ自体が一つのエンターテインメントとなるように計算された好読み物! 巻末に読書ガイド「読んで読んで読みまくれ」添付。
偉大な名作を書く 移りかわる出版市場 ストーリー・ラインを組み立てる アクション、アクション、アクション ヒーローとヒロイン 信憑性のある登場人物をつくりだす 登場人物にいかにもありえそうな動機を与える 背景描写 文体について〔ほか〕
「書いたモノが売れなければ無意味だ」 と公言するアメリカ人作家・ディーン・R. クーンツが、売れる小説の書き方を教えてくれます。 クーンツはアメリカはもちろん、世界でも指折りのベストセラー作家です。 他のハウツー本と違う点は、小説をエンターテイメントの商品として扱い、 いかにして売れる小説を作るか? というところに焦点を当てていることです。 出版業界の事業はどのように行われているのか? その中で売れる本を作り、生き残っていくためにはどうしたら良いか? ということを、実際にいくつものベストセラーを出した著者が自分の体験を交えて語ってくれます。 「小説は芸術であり、名声やお金儲けという世俗的な目的で作るのはけしからん」 と思われる方もいらっしゃるでしょうが、 作家として生活していくなら出版ビジネスの知識は必須でしょう。 クーンツは、本書の中でこのように言っています。 君の芸術をよりどころに稼いでいる事業の構造を知りもしないで、 どうやって君は、自分の仕事を確保したり、 宣伝やキャンペーンの費用を獲得するためのやりくりをうまくつけることができるだろうか。 わたしの知る限り、失敗したりしくじっている作家は例外なく出版業界にまったく無知である。 もちろん、具体的な小説の書き方についても、詳しく解説されています。 豊富な例を上げ、娯楽小説を書くときに重要な、 「ストーリー」・「アクション」・「キャラクター」「バックグランド」について、 ベストラー作家クオーツが熱く語ってくれますよ。 この本を読めば、誰でもベストセラー作家になれるわけではないでしょう。 でも、読まないよりは、ずっと良い小説が書けるようになるはずです。 SF作家の瀬名秀明氏も、参考になった一冊として本書をあげています。
「読んで読んで読みまくれ」が入っているのですが、どれも外人作家ばかりで、ピンと来ません(汗)。 原書はアメリカのライターズ・ダイジェスト・ブック社から1981年に刊行され、 訳書となるこの本は、1983年に講談社から出版されました。 現在に至るまで、多くの作家志望に親しまれてロングセラー化していますが、 情報が古く、あまり参考にならない部分もあります。 また、出版業界の構造や、ヒット戦略などは、 実際にプロデビューしている人以外には、あまり関係にないでしょう(汗)。 売れる小説の秘密を知りたい方へ! >>> |
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オススメの創作お役立ち本を教えてください!
創作に役立つ資料やハウツー本などは、個人の力ではなかなか探し出せないモノです(涙)。 おもしろい小説を描くための参考にするために、 資料やハウツー本など、あなたのオススメの創作お役立ち本を紹介してください! 創作お役立ち本の紹介をしてくださる方は、こちらのメールフォーム、 『創作お役立ち本・募集係』 よりお願いします。 |