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  4. 幻想世界の住人公開日:2012/05/06

幻想世界の住人たち3 〈中国編〉

ジャンル:中国の文化・歴史
著者:篠田 耕一
出版社: 新紀元社
サイズ: 文庫
ページ数: 373p
発行年月:2012年01月
ドラコンさんのオススメ!

■ 解説

 数千年の長い歴史を持つ中国は、幻想世界の住人たちにとって絶好の住処である。
 本書では、膨大な量の怪奇小説、奇怪な事件の記録から、代表的な神、神獣、妖怪、怪物、精、鬼、不死者などを紹介している。日本の妖怪などの架空の生き物が、いかに中国からの影響を受けているかを再認識できる。

■ ドラコンさんの書評2012/05/03

 日本や西洋のものに比べて調べにくい、中国の神獣、妖怪、怪物、幽霊を扱った本です。
 また、中国の創世神話にも触れられています。

 既にこちらのサイトでも紹介されていて、私も読んだ『山海経 中国古代の神話世界』(高場三良訳、平凡社ライブラリー)と内容が重なる部分もありますが、これと比べて読みやすく、お薦めできます。

 『山海経』は漢代までですが、この本は隋・唐・元・明・清のころのものも取り上げています。
 人間に害をもたらすものが多く、その対処法が記されていますので、敵役の参考になる1冊です。

 また、キツネが「仙狐(キツネの仙人)」になる方法も解説されています。
 キツネは、キツネ自身の性質と、人間の扱いによって、敵にも味方にもなります。この点はキャラクター作りの参考の一助になります。

 冥界(死後の世界)についても、書かれています。中国人の死生観を知ることができるでしょう。

■ この本の欠点、残念なところはどこですか?

 これは良い点の裏返しなのですが、人間にとって害になるものが多いです。
 龍や麒麟など利益になるものや、利益にはならないものの、害にもならないものは、出てこないわけではありません。しかし、数は少なかったです。

 イラストは豊富ですが、これがない解説もありました。
 また、第三章「珍」では、珍獣の名前を見出しにしてくれれば、もっと読みやすかったです。それでも、『山海経』よりは読みやすいのですが。

 『幻想世界の住人たち』とのタイトルですが、“人形(ひとがた)”の神様や仙人は基本的に取り上げていません。若干重複がありますが、神様・仙人は、同じ新紀元社文庫の『タオ(道教)の神々』(真野隆也)のほうをどうぞ。

■ 一言感想コメント

・花魄とかは面白い。山海経とか読むと、「ナントカ山に住むナントカは、食べると癌に効く」とかが大変えらいことあるが、本書では「木の精が居たので喰った」位。史料としては妥当だと思う。この本で展開する「獏=実はパンダ(鉄とか食うけど)」説はいいと思う。
2016/04/08

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