あなただけのファンタジーワールドの作り方! 創作系ファンタジー・ファン必読の書ここに登場。
空想世界のキャラクターの作り方から、歴史・地理・言語など世界の構造の設定の仕方まで、初心者にもわかりやすい画期的な教科書! 7つのステップを踏んで考えていけばあなただけのファンタジー世界が出来上がる!
空想世界の、地理、歴史、宗教、神話、政治体制、外交関係、言語、度量衡、通貨、経済、名付け、ネーミング辞典に収録されている各言語のイメージ、エルフ等亜人類の作り方を解説した本です。全体の半分が「資料編」として、ネーミング辞典になっています。また、「完全造語による名付けの仕方」も書かれています。
一言で言えば、「空想世界の社会科の教科書」です。
「本書の使い方」に「ファンタジージャンルにおいては堅牢な世界観が構築された作品ほど、広く長く支持されています」とあることを指摘しておきます。
3点ほど指摘します。その中でも、最も残念なことは、「ボリューム不足」であることです。
ネーミング辞典を付けたことは、功罪半ばですね。この本のネーミング辞典には、人工言語「エスペラント語」が収録されています。それが特徴なのですが、単独のネーミング辞典と比べれば、やはり収録語数は少ないです。ネーミング辞典を載せずに、その分の紙幅を空想世界の作り方に使い、より解説を掘り下げる選択はあり得なかったのでしょうか。
第2に、「はじめに」に「空想世界の土台となる中世ヨーロッパの成り立ちの解説を重視しています」とあります。
そのため、和風・中華風・中近東風・中南米風等、他の世界観では、使いやすいとは言えません。日本や中国の歴史も出てこないわけではありませんが、ヨーロッパの例と比べると、少なかったですね。実際、「資料編」のネーミング辞典で取り上げられた10言語中、中国語除く9言語はヨーロッパの言語です。
最後に、この本はあくまでも「空想世界の作り方」です。魔法や武器、モンスターは原則として取り上げられていません。ですので、それらを調べるには向きません。
創作に役立つ資料やハウツー本などは、個人の力ではなかなか探し出せないモノです(涙)。
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