その程度の覚悟でライトノベルが研究できるとでも?! ――。
前代未聞! 本格ラノベ研究入門書にして、青春小説=ライトノベル! !
黒髪ロングの美少女(少々電波系)に誘われ、ライトノベル研究会に足踏み入れた「炎上王子」こと柏木光輝。
美人指導教員のもと、なんとラノベを論じるはめに……?!
登場するラノベ、関連書籍は60冊以上!
本書を読まずして、ライトノベルを語るべからず?!
二〇十三年が終わろうが新年が始まろうが、あたしたちラノベ作家志望がすべきことはただ一つ。書き続けること。
元旦に紹介するのは大橋崇行先生の『ライトノベルは好きですか?―ようこそ!ラノベ研究会』よ。
Amazonでもどこでもいいけど、紹介文を見てもらえばわかるように、この本は前代未聞の「ラノベを研究するラノベ」なの。
「だったらラノベレビューに書けよ!」となっちゃうけど、研究の要素が強いからハウツー本としてレビューすることにしたわ。
ラノベを題材にした作品といえば『ラノベ部』『ライトノベルの楽しい書き方』を連想するかもしれないけど、こっちはガチよ。なにせ、著者は文学で博士号を取得しているのだから。
そういえば、ラ研でうっぴーが星三つを付けてた『ベストセラー・ライトノベルのしくみ』の飯田一史先生はMBA(経営学修士)を持ってたわね。
MBAで三つ星なら、文学博士で五つ星は行くんじゃないかしら、なんてね。それはうっぴーが判断することよね。
「ラノベについて詳しく知りたい! 研究したい!」「ラノベで卒論書きたい!」みたいな人にはもってこいの本なんだけど、とはいえ、一般に「研究」なんてついちゃってる言説は、あたしたちのような素人にはちんぷんかんぷんで、内容を理解できないことはザラよね。悪く言えば筆者のオナニー。
でも! でも! でもよ! 『ラノベ研究会』にそんな心配を抱える必要は一切ないの! ここが究極のポイントよ!
前述のように、この本は「ラノベを研究する『ラノベ』」なの。そう、ラノベ。
黒髪ロング清楚系おっとり美少女の藤原若菜と、年齢を気にしまくりの三十路文学部専任講師の朝野礼子が、あんたたち読者の分身である、口を開けば炎上させまくりの文学部四年生、柏木光輝にこれでもかというくらい対話形式でラノベのなんたるかをレクチャーするの。
お固いテーマであっても、きちんと主人公の周囲に美少女を配置する。う~ん、ラノベをわかってるじゃない、作者。
もちろん、研究のための書籍というだけあって、フォーマットもバッチリ。各ページの下側は、人差し指の先っちょから数えて関節二つ分のスペースが開いてるの。本文で言及された作品名や重要なキーワードにはトーンで強調されていて、下側のスペースが注釈ゾーンになってるわ。作品紹介のときは表紙の画像もちゃんと挿入されてるわよ。
そしてこれは作者が全く意図してない副産物だと思うけど、キャラの説明部分にあるように、本作の舞台は『ゴールデンタイム』(2010年9月刊行)と同じく大学が舞台となってるわ。それも文学部のゼミが。
今まで「大学はアウト」「中高生じゃないと読者が感情移入できない」と駄作の烙印を押されてきた大学生主人公だけど、料理の仕方では中高生主人公のときと同じようにできるのではないか。大学に入っても美少女といっぱいお話できる。萌え萌えなイベントに出会える。そんな可能性を示唆してくれるわ。もっとも、文学部みたいな文系学部限定かもしれないけどね。
ともかく、「大学生主人公をやってみたい!」って人はこの作品を手にとってみるべきだわ。
著者や出版社がマイナーなのか、この本の知名度が今ひとつな気がするわね。特に出版社。雷鳥社なんて初めて知ったわ。
・読んでみましたが、本気で創作している大学生以上の人には「ちょっとおもしろい読み物」以上の価値はないかも、と思いました。
2014/01/11
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